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異世界に近隣住民女子代表が迷い込む  作者: おぽんち
第一章-この異世界を知る-
12/16

12話「死刑宣告?」

ロビーに戻り数分


再びバニーが現れ周りを見渡し逃げたものがいないかを確認する


恐らくはいてもいなくてもわからないだろう


「じゃあ次の番号はー!」


もはや番号を言いに来るだけと化したバニー


「420番と290番!会場によろしくー!」


そう言いバニーは司会席に戻っていく


「ほっ・・・ほ?」


適当な番号発表に胸を撫で下ろそうとした直後女子代表の動きが止まった


「え、え!?今なんて!?」


壊れたおもちゃのように頭を横に振り回し周りを見回す女子代表


「私達の出番のようだな」


「は!?え!?それほんまに!?」


「あぁ、本当だ、皆ちゃんといるか?」


ブルーピゴミンが周りを見るとレッドピゴミンとイエローピゴミンが親指を立てている


「死刑宣告が・・・下された・・・」


女子代表はその場で膝から崩れ落ちる


そんな女子代表をレッドピゴミンとブルーピゴミンが腕を持ち引きずり控室に向かう


そして気付けば女子代表からしてみれば凄まじい戦いを繰り広げられていたコロシアムの大地に立っていた


「なんで、ここに私はいるの」


『さあー!赤の門から出てきたのはなんと!人間の4人組!!!近隣住民女子代表チーム!!!一体この死闘繰り広げられるコロシアムに何をしに来たのかぁ!?しかし人間がわざわざこんな所に来るのにはきっと訳がある!前代未聞!初の人間のチャレンジャーだぁ!!!』


バニーの言葉が響きレッドピゴミンは客席に余裕の表情で手を振っている


ブルーピゴミンは女子代表の背を押しイエローピゴミンは無言で付いてきている


『対する青コーナー!こちらもまた滅びゆく運命を背負った悲しき者再び!カメレ種のカメレオックス選手だぁ!ちなみにカメレ種は生き残り全員で出場しているのかあと8組程いるとの情報が!!!』


先程のカメレ種とは違い屈強な肉体の持ち主で身長は2メートル以上ように見える


「一人か!ならばこの俺が受けて立とう!!!」


そう言いレッドピゴミンが飛び出す


『おぉーっと!早くもチーム戦をする事もなく単騎で乗り出してきた赤い人間!!!』


「手加減はしないぞ」


カメレオックスはそうレッドピゴミンを指差し言う


「さあかかってこい!!!この俺が相手になってやる!!!」


『凄まじい自信だぁ!一体どんな力を持っているのかぁ!?それでは両者揃ったので・・・レディー・・・ファイト!!!』


その言葉と同時に両者雄叫びを上げ走り出す


『おぉーっと!互いに正面からの激しい衝突だぁ!』


「ぬぅん!!!」


「オオオオォォォォォ!!!」


互いに互いの両手を掴み力比べを始める


「人間にしては良い怪力を持っているな」


「お前こそ良い筋肉してるじゃねえか!!!」


『ななななななんと!!!人間が屈強な肉体を持つカメレオックスを受け止めたぁ!!!』


『ただの人間とは思えない・・・』


「いくぞぉおおおおおお!!!」


レッドピゴミンは叫ぶとカメレオックスを勢い良く投げ飛ばした


『な、投げたぁー!!!』


だがそんなことでやられはしないカメレオックス


綺麗に着地するとレッドピゴミン目掛けショルダータックルをぶつけに行く


しかしレッドピゴミンは全身を使いその巨体を受け止める


「ぬぅん!!!」


「俺の肉弾戦についてくるとは只者でないな!」


「筋肉なら誰にも負けはしねぇぜ!!!」


そう言いレッドピゴミンは止まったカメレオックスに何度も拳をぶつける


カメレオックスも負けじと拳をレッドピゴミンにぶつけ始める


そして互いにノーガードの殴り合いが始まる


『これはなんという漢の殴り合い!!!カメレ種の暗殺は一体何処に行ったぁー!?そしてノーガードの殴り合いに耐え続けるあの人間はなんなんだぁ!?』


「グゴオオオオ!?今のは効いたぞぉ!!!」


「お前の拳こそ良い威力だぜぇ!?」


カメレオックスは勢い良く拳を振り下ろすがレッドピゴミンはそれを寸前で避ける


そしてカメレオックスの顔面に強烈なハイキックを入れる


「ぬおおお!?」


「まだ続くぞぉ!!!」


一瞬ふらついたカメレオックスの腹部目掛け全身を使った突進を綺麗に入れた


「ゴアアアア!?」


軽く宙に浮いたカメレオックスは吹き飛ばされ背から地面に勢い良く叩きつけられる


だがすぐに吹き飛んだ勢いを利用し立ち上がるとその攻撃に怯むこと無く突進をする


「ぐあ!?」


受け止めようとするレッドピゴミンだがノーガードの肉弾戦で消耗し正面から突進を受け吹き飛ばされてしまう


更に追撃を加えようとカメレオックスは飛び上がるとレッドピゴミン目掛けボディプレスを仕掛ける


だがレッドピゴミンもやられてばかりではなかった


すぐに横に回転し避けると無防備に地面に叩きつけられ寝転んでいるカメレオックスの背に馬乗りになると頭部を何度も殴りつける


「まだ俺は弱っちゃいないぜ!!!そんな隙だらけの攻撃食らってたまるかってんだよぉ!!!」


「ぐあ!ゴエ!」


「オラオラどうしたぁ!?てめえの筋肉ってのはそんなもんかぁ!?」


『なんということだぁ!赤い人間がカメレオックスを押している!このままカメレオックス選手は負けてしまうのかぁ!?』


「調子に乗るなよ人間!!!」


カメレオックスはそう叫ぶと口から鞭のような舌を伸ばしレッドピゴミンを吹き飛ばす


「ぐあああ!?」


『あぁーっと!カメレ種特有の長い舌がついに炸裂したぁー!』


「筋肉には筋肉で決着を付けたかった、だがこちらも一族の全てを賭けて戦っている」


「戦いとは無情な物だ、ここからは魔族として全力で行くぞ!!!」


レッドピゴミンはゆっくりと立ち上がると言った


「おいおい、戦いなのに全力を出していなかったのか?それは対戦相手に失礼ってもんじゃねえか?」


そして己の胸を叩き言い放つ


「手加減なんてしてねえでとっとと本気でかかってこい!!!この拳で全て打ち砕いてやるからよ!!!」


「望むところだ!!!」


そう言いカメレオックスは空気を切り裂くその舌を再びレッドピゴミンに叩きつける


だが全身を使いその舌を抱きしめ受け止めるレッドピゴミン


「捕まえたぜぇ!?」


掴まれたことに驚き咄嗟にカメレオックスは舌を縮め口の中に戻そうとするがレッドピゴミンはその舌を離す事はなく舌に引きずられ一瞬で距離を詰める


そしてカメレオックスの顎目掛け強烈なアッパーを打ち込んだ


その勢いで口は勢い良く閉じられ口から出ていた舌をまるでギロチンのように挟む


「ゲエエエエエエ!?」


地面に落ちる舌の先端


その場で口を押さえもがき苦しむカメレオックス


『あぁー!これは強烈な一撃を貰ってしまったカメレオックス選手ー!』


「痛がってる暇はねえぞぉ!?」


顔面を狙いひたすら殴り続けるレッドピゴミン


ひたすら防御をするカメレオックスだがついには尻餅を付いてしまう


その瞬間レッドピゴミンは顔面を蹴り飛ばしカメレオックスを仰向けにさせる


更に馬乗りになり顔面を殴り続ける


「オラオラオラオラ!!!どうしたぁ!?魔族の本気がこんなもんかぁ!?」


「がぁ!?げぇ!?ごぁあ!?」


「これでおしまいだ!!!バーニングぅ!!!ナックル!!!」


そう叫ぶと鳩尾目掛け思い切り両手を振り下ろす


その勢いで何本か骨が折れたのかカメレオックスの身体から嫌な音が響いた


そしてカメレオックスは口から血を噴き出すともがき咳き込みしばらくすると完全に沈黙した


その様子を見届けるとレッドピゴミンは天に拳を振り上げた


『なんということだぁー!!!人間がその拳と肉体のみで魔族を倒してしまったぁー!!!こんなことがあって良いのだろうかぁー!?勝者!!!近隣住民女子代表チームぅー!!!』


バニーがそう叫ぶと客席から一斉に歓声が響き渡る


レッドピゴミンは客席に手を振りながら女子代表の元へ戻ってくる


「俺達の勝ちだ、ボス」


「な、なんて言えばいいのか・・・わからない・・・」


するとブルーピゴミンが女子代表の肩に手を軽く置くと反対の手で親指を立てた


「えーっと・・・ナイスプレイ!」


そう言い女子代表はレッドピゴミンに拳を突き出す


「あぁ、ありがとう!」


そう言いレッドピゴミンも拳を突き出すと女子代表の手に軽くぶつける


その様子を見た観客達は再び大きな歓声を上げる


するとレッドピゴミンが突然ふらつき始める


隙かさずブルーピゴミンが駆けつけその体を支える


「無茶をしすぎだ」


「すまねえな、兄弟」


「あぁ、だが良くやった」


そう言うと二人は拳を軽くぶつけ合う


こうして女子代表チームの初戦は勝利を収めて終わりを告げた


その後控室に戻るとレッドピゴミンは治療室へと連れて行かれブルーピゴミンとイエローピゴミンを連れロビーへ戻る


「あ!おつかれさまでーす!第二回まで出番はもう無いんで観客席の方で待機でいいですよー!」


ロビーに戻るとバニーが軽く挨拶をすると女子代表にそう告げる


「あ、そうなんですか?」


「はいはい!ですのでごゆっくり観戦をお楽しみください!」


「だそうだ、客席に戻るとしよう」


そう言いブルーピゴミンに連れられ客席へと向かう


すると既に抽選が終わっているのかバニーが放送で騒ぎ立てていた


『さあー!今回注目の選手のうちの一人がついに抽選されてしまったぁー!』


『赤の門!!!なんと!現在勇者ランク2!そしてその中でも1位と言うランク2最強勇者!!!パペットマスターの登場だぁ!』


『皆様説明しなくともその強さはご理解いただけますねぇ!?なんと言ってもランク2最強!数々の犯罪者を捕らえ様々な国を守ってきた伝説級の魔人!!!さあ入場してくださいませー!』


その言葉と同時に赤の門が開かれる


だが誰も入ってくる様子はない


『あれれー!?パペットマスターさんの姿が見えないぞぉー?』


「何処を見ている」


会場の中央から声が聞こえた


そこには既に黒い短髪に白いローブの男が立っていた


『あぁー!早すぎるー!もう入場していたー!流石はランク2最強やることが違うー!』


『さてさて!今回の戦いでは一体どんな人形劇を見せてくれるのか!期待が高まるところです!』


『そしてぇ!青の門!!!不幸な人間が!またしても人間が!入場だぁ!』


『その姿まさに美貌の化身!美しすぎる人間!土俵を間違えてしまったのでないか!?ファッションショーなら間違いなく1位間違い無し!美しすぎる女神様の登場だぁー!』


その言葉と共に青の門が開く


白く美しい長い髪にエメラルドグリーンの瞳


「あ!あの人知ってる人!」


「そうだな、食事の時にいた者だ」


女子代表は出てきた人物を見て思わず指をさしてしまう


『あぁー!本当に美しい人だぁー!』


『これは面白くなってきました!男で一番美しいパペットマスターと女で一番美しい女神様の対決が今始まるぅー!』



「今回は死にたがりが多いようだな」


「あらぁ?私のこと覚えてないのかしら?」


「見覚えが無いな」


「殺した人間の事なんて頭にいちいち入れておかないものねぇ、仕方ないわねぇ」


「なんだと・・・?」


『おぉーっと!二人には何か関係が!?だがパペットマスターは何も知らぬ様子!女神様は一体何者だぁ!?さあ両者出揃い準備が出来たようなので・・・・レディー・・・ファイト!!!』


その言葉と同時にパペットマスターは小さな棒を取り出すと軽く振るう


すると先端から長く空を切り裂く鞭が現れる


「貴重な人間だ、殺しはしない、ただ可愛い悲鳴を上げてくれ」


そう言いパペットマスターは鞭を女神様目掛け振るう


カメレオックスの振るう舌が止まって見えるような恐ろしく速い鞭が女神様を襲った


空を切り裂く破裂したような音が鳴り響く


『あぁー!速すぎて鞭が見えない!あんなもので打たれたら悲鳴どころではすまないぞぉー!?』


だが目的の悲鳴は聞こえない


「なんだと・・・?」


「あらぁ?何か飛んでたかしらぁ?」


鞭の先端を人差し指と親指で挟みしっかりと捕まえる女神様


『な、ななななな!!!一体人間とは何なのかぁー!!!先程も今回も人間を超えた超人的な事をする人間が多すぎるぅー!』


「これちょっと貰っちゃうわね」


そう言い鞭を掴むと勢い良く引っ張る


あまりの出来事に呆けていたパペットマスターは反応が遅れ鞭を奪われてしまう


「これが私を殺した鞭なのねぇ?ふぅーん・・・」


鞭を舐め回すように見る女神様


「さっきから何を意味の分からない事を」


「はい、返してあげる」


そう言いパペットマスターへ奪い取った鞭を投げる


その鞭をキャッチすると何もされていないことを確認するパペットマスター


「私もちょっと真似しちゃおうかしら?」


そう言い女神様はどこから取り出したのか


小さな棒を取り出すと軽く振るう


すると先端から緑色に輝く鞭が現れた


『おぉーっと!手品かぁ!?人間お得意の魔法を使わず魔法のような出来事を起こす!それが手品ぁ!』


「こうやって鞭で顔をパチーンってやられて顔が吹っ飛んだのよ?覚えてないかしら?」


そう言い女神様が手を軽く動かす


「ぐおおおおおお!?」


一体何が起きたのか


突然顔面を押さえ苦しみ始めるパペットマスター


『な、何が起きたのかぁ!?突然パペットマスターが苦しみ始めたぁ!!!』


『もう・・・勝ち目は無い・・・あれはか・・・むごあ!?』


解説のキニエリアが喋り始めた直後何者かに口を塞がれる


いや、その者は今目の前でパペットマスターと戦っている人物だった


女神様が鞭を振るい会場の戦闘から客席を守るための結界をぶち破り司会席のガラスをもぶち破りキニエリアの顔に巻きつけ口を塞いだのだ


『ひええー!!!何が起きているのかぁー!一度も破られたことのない客席と会場の結界をぶち破ってここまで鞭が飛んできたぁ!その距離なんと200メートル以上だよぉー!?』


キニエリアの横にいたバニーが突然の出来事に泣き叫ぶ


「あらぁ、悪いこと言うお口は塞いじゃうわよぉ?」


「次は無いわよ?」


女神様の言葉にキニエリアは無言で頭を全力に縦に振るう


「ぼ、僕の・・・!!!僕の美しい顔に傷を・・・!!!貴様ぁ!!!」


「やられたことをやり返しただけじゃない?何を怒ってるの?」


美しい顔と自称するパペットマスターだがその顔には深々と傷を付けられ怒りに歪みもはや美しいとはいえない状態だった


「僕の可愛い人形達!!!この女を殺せぇ!!!」


パペットマスターが叫ぶと地面から7つの棺桶が生えてくる


そしてその中から美しい姿の人形が出てきた


「ローズとマリーは結界を張って私を守りながら回復支援!!!ヘレナとエリーゼは援護射撃!!!ミシェル!アルマ!マリアはあの女を八つ裂きにしろぉ!!!」


パペットマスターの指示通りに人形が動き出す


「あら?お人形遊び?私も好きよ」


「真似しちゃお♪」


「な、なに!?」


パペットマスターは目の前の異質な存在に半分恐怖していた


だが怒りが収まらず戦いを辞めるつもりは無い


女神様の行動一つ一つに過敏に反応するようになっていた


女神様両手を合わせ軽く2回叩く


すると会場は地獄へと変わった


地面から会場全てを覆う程の腕が出てきたのだ


『ぎ、ギャー!!!な、なんだこの地獄絵図はぁー!?』


思わずバニーも素で叫ぶ


その腕はズタボロで肉は所々削げ指は普通ではない方向へ曲がり爪はほぼ剥がれている


ゆらゆらと揺れる無数の腕がパペットマスターの人形を掴み地面に引きずり込む


可愛らしい衣装も美しい身体も見るも無残に破き砕きバラバラに解体していく


「ば、馬鹿な・・・」


パペットマスターは目の前の異物に完全に恐怖していた


その光景ではなく女神様そのものに


その理由


それは・・・


「何故・・・魔力も無しにこんなことをしている!?」


そう、女神様は魔力を一切使っていないのだ


最初から現在進行系で魔力を一切使っていない


どんな種族であれ魔力を使えばその身に魔力が宿る


魔力を感じる事が出来る者ならば絶対に感じる事の出来る敵の魔力


だが目の前にいる女神様と名乗る女は魔力を一切使っていない


「内緒♪」


「ひっ!?」


女神様が出した無数の腕がパペットマスターの足を掴み地面へと引きずり込む


「や、やめろおおおお!!!」


パペットマスターはもがくがもがけばもがく程身体を掴まれ地面へと引きずり込まれる


そしてついには完全に仰向けになり無数の腕によって地面へと固定されるパペットマスター


女神様が軽く指を鳴らすとパペットマスターを押さえつけている腕以外の腕が消えていく


すると先程パペットマスターが召喚した人形はもはや人形とわからない程粉々に砕かれていた


「私ね、まだ満足してないの」


「な、何を言っている!?」


「顔吹き飛ばしたでしょう?まだ私もやりたりないの♪」


そう言い手に持っている鞭を勢い良く振り下ろす


「ぎゃああああああああ!?」


振り下ろされた鞭はパペットマスターの顔面に叩きつけられた


パペットマスターの顔面から血飛沫が舞い一閃の深い傷を作っていく


「あはは!これでばってんの完成ね」


「ほらもう一回!!」


そう言い女神様はパペットマスターの全身に何度も叩きつける


悲痛な叫び声が会場に響き続けた


その余りにも残酷な光景に会場は静まり返りバニーもただ無言で見続けていた


そして鞭を打つ事数十回


ついにパペットマスターが声を出さなくなった


正確には気絶したか死んだかのどちらか


それを見た女神様はため息を吐く


「あーあ!つまんないの、やーめた!私降参しまーす!ギブアップー!」


そう言い青の門へと歩いていきそのまま潜り消えていく


『しょ、勝者・・・パペットマスター・・・』


これほど残酷な勝利が今までにあったのだろうか


バニーの勝利宣言と共に救護班がパペットマスターの元へすぐに駆けつけ運び出していく


その余りにも悲惨な光景に会場は静まり返り誰一人として喋らない


『そ、それでは次の試合まで休憩をどうぞー・・・』


バニーもそう言いロビーへと戻っていく



「これ降参した方がいいんじゃん・・・?」


「これが戦いと言うものだ」


あまりの無残さに女子代表は既に半分泣きそうになっている


ブルーピゴミンもレッドピゴミンも終始黙ってその様子を見ていた


「随分と冷えてしまったな、何か温かい物を持ってこよう」


ブルーピゴミンは立ち上がるとその場を去っていく


「安心してくれボス、何があっても俺達がボスを守ってみせる」


レッドピゴミンは静かにそう言った


「うん・・・ありがと・・・」



そして重い静寂が訪れた・・・・




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