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第百二十八章 修、陽子との結婚を決意する

修は陽子の事で悩んでいましたが、陽子の同級生の知子とも色々相談すると知子は、「陽子は、やくざの幹部とは思えないほど綺麗な心を持っています。私だけではなく、他の同級生もやくざや不良に絡まれると、必ず助けていました。控えめな所もあり、柔道の金メダリストと互角に闘えるのに、オリンピック出場は辞退したのよ。今考えると、やくざの組長の娘だったからかもしれませんけれどもね。世間がどう言おうが、私は応援します。確かに怪物と思えるほど喧嘩は強いですが、美女と野獣の反対のケースね。陽子と結婚しても後悔はしないと思いますよ。」と結婚には賛成の意見でした。

修も決意して佳子に、「結婚は丸東組の陽子とするのではなく、外科医の陽子と結婚するのだから、俺は陽子と結婚する。」と宣言しました。

佳子は頭にきて二人で口論になりました。

修は、「姉ちゃんも、以前、病院で陽子が内科の西垣教授の患者を緊急手術した時に、“東城先生の事は、ちゃんと見ている人には解るから”って言っていたじゃないか!陽子の事をちゃんと見ろよ!」と佳子があまり反対するので切れました。

佳子は、「ええ、ちゃんと見ているわよ。凶悪な丸東組の幹部としてね。」と結婚には強く反対でした。

修は、「看護師達の信頼が厚いのは、人格的に問題ないのだろう?それに陽子のもう一つの顔は関係ないような事も言っていたじゃないか!」と佳子の反対を押し切り、結婚する事にしました。

佳子は一瞬言葉に詰まり、「それとこれとは話が違うわよ!お父さんとお母さんの事を忘れたの?陽子さんは優秀な外科医かもしれないけれども、お父さんを殺した丸東組の幹部よ!それも次期組長の噂もある実力者よ!それに、お母さんを拉致した人身売買グループの黒幕でもあるのよ!」と両親が行方不明になったときは、修はまだ幼く記憶もあいまいでしたが、佳子ははっきりと覚えていて、丸東組の関係者である陽子が許せない様子でした。

修は、「お父さんが行方不明になったのは、陽子もまだ小さい子供の頃で、その事件に関係してないよ。それに陽子が人身売買グループの黒幕になったのは、金儲けではなく、人命を救う為じゃないか。それまでは、陽子も丸東組を嫌っていたんだよ。」と反論しました。

佳子は、「陽子さんは、殺人も犯しているかもしれないのよ!それに刑事の義理の父親がやくざの組長だなんて許されないでしょう!」と猛反対していました。

修は、「陽子は人命を救う為に摘出手術をしたのであって、殺意があった訳でもないし、殺してもいないよ。その後で組員が殺したんだよ。義理の父親はやくざかもしれないけれども、義理の母親は神の手を持つと言われた陽子以上の外科医だよ!」と陽子は父親より母親である超一流の外科医の血を引いていると反論しました。

佳子は、「私も神の手を持つとまで言われた超一流の外科医が何故やくざ者と結婚したのか解らずに調べたのよ。修!あなたスケバンの菊枝という不良少女の事を聞いた事ない?」と修も疑問に感じて調べたのか確認しました。

修は、「やくざが数人がかりで襲っても全く歯が立たなかった凄い不良少女だと聞いた事はあるが、昔の事だろう?陽子とは関係ないじゃないか。」と何故ここでスケバンの菊枝がでてくるのか不思議そうでした。

佳子は、「関係大有りよ!陽子さんの母親の菊枝先生が、スケバンの菊枝だったのよ。それに菊枝先生は捨て子だったのよ。誰が捨てたのか解らないけれども、以前も言ったように、陽子さんには他にも得体の知れない何かあるわよ。何者が何の為に捨てたのか、はっきりさせた方が良いわよ。」と結婚はそれをはっきりさせてからするべきだと助言しました。

修は、「何者かっていわなくても良いじゃないか!姉ちゃんは、以前陽子に飛び掛かった時に大木にぶつかったみたいな事を言っていたが、怪物に捨てられたような言い方をしなくても良いじゃないか!陽子のどこが怪物なのだ!」と怒り出しました。

佳子は、「それじゃ、修、あなた刑事でしょう!何故調べようとしないのよ。」と都合が悪い事から逃げないように助言しました。

修は、「そんな昔の事は調べても解らないよ。捨てた人物は陽子のお婆さんになる人でしょう?既に老衰で亡くなっている可能性が高いよ。だからその当時の事を知っている同年代の人物も既に老衰で亡くなっている可能性が高いよ。生きていても、きっとボケているよ。」と調べない理由を説明しました。

佳子は、「修!どうしても、陽子さんと結婚するというのでしたら、もうあなたとは姉でも弟でもないわ!絶交よ!出て行って!結婚式には出席しません。」とマンションを追い出されました。

途方に暮れて、一人で公園にいると、緊急手術で夜中に勤務が終了した陽子が帰宅途中、修に気付きどうしたのか不信に感じ、声を掛けて修から事情を聞き、マンションを追い出された事を知りました。

陽子は、「そうか、怪物か。これは誰にも言ってないのだけれども、私や母が名医なのは、体の中を透視して見る事ができるからなのよ。手術の時も母と何も喋らずに進めていると皆思っているようですが、テレパシーのようなもので意思疎通はしていました。しかし地球上にはそんな生物はいないし、宇宙人だと考えても、染色体が違うので地球人との間に子供はできないわ。私にも解らないのよ。超能力者というのが一番可能性高いと思うけれども、怪物というのは自信を持って否定できないわ。はっきりと解らないので、今迄黙っていました。こんな私でも良いの?」と不安そうでした。

修は、「姉ちゃんにも言ったが、陽子のどこが怪物なのだ?そんな訳ないだろう。僕は陽子を信じる。」と不安な陽子に自信を持つように励ましました。

陽子は、「修ちゃん、有難う。確か修ちゃんには、博さんというお兄様がいたのではないですか?何故お兄様と連絡を取らないのですか?」と不思議そうでした。

修は、「博兄さんは、大富豪の女社長に認められて、今は広島に出張中で、来週にならないと帰ってこないよ。部屋の鍵は預かってないのでどうにもならないよ。」と兄に連絡しない理由を説明しました。

陽子は、「管理人さんに事情を説明すれば博さんと連絡を取り、弟だと解れば鍵を開けてくれないの?」と助言しました。

修は、「アパートやマンションならそれも可能かもしれないけれども、社宅だから社員以外は都合が悪いよ。それに、そんな事をすれば博兄さんの会社で、“住所不定の弟がいる。”と変な噂が広まっても困るしね。」と返答しました。

責任を感じた陽子は、同僚の外科医に連絡しようと思いましたが、外科医は緊急呼び出しされる事もある為に、外科医より緊急呼び出しの少ない男性看護師に連絡して、事情を説明して、暫く住まいが決まるまで、修を預けました。

男性看護師は、「私は女房に先立たれ、子供はまだ小さい為に夜勤の時などは心配でしたが、刑事さんでしたら用心棒になって頂けませんか?そうすれば大歓迎です。」と返答したので、直ぐに連れて行きました。

その後、陽子は時間を見付けては、警察に修の姉である佳子を訪ねて修と仲直りしてくれるように根気よく説得を続けていました。

佳子は全然説得には応じずに、「丸東組の幹部の姉さんじゃないですか。今日は何をしに来たの?自首でもしに来ましたか?」と手錠をちらつかせていました。

陽子は、「警察はいつから怪物も逮捕するようになったのですか?」と笑っていました。

佳子は、「修の奴、いらん事を言いやがって、と言うかそれを知っているという事は、修は陽子さんの所に転がり込んだのか!あの野郎!」と不満そうでした。

陽子は、「違うわよ、私の所ではないわよ。心配しなくても丸東組でもないですよ。安全な場所に匿っているので大丈夫ですよ。」と丸東組の関係場所ではない事を伝えました。

佳子は、「“匿っている”?何よ、それ!丸で私の所が危険みたいな言い方ですね。」と不満そうでした。

陽子は、「それじゃ、修ちゃんと仲直りして、危険じゃないようにすればどうですか?」と説得を続けました。

佳子は、「陽子さん、あなた何をしに来たの?私に喧嘩売りに来たの?説得に来たの?」と疑問に感じました。

陽子は、「勿論、説得に来たのよ。佳子さんの所が危険でなくなり、修ちゃんと一緒に住めるようにね。」と返答しました。

佳子は、「“危険でなくなり”ってどういう事よ。それが喧嘩売っていると言うのよ!」と不愉快そうでした。

佳子は、この時、マリから、“先に冷静さを失った方が負けよ。”と説教された事を思い出し、冷静になろうとしていました。

陽子は、「私はただ、昔のように仲の良い姉弟に戻ってほしいだけなのよ。」と仲の良い姉弟に私が入り二人がぎくしゃくしだしたので陽子の心は痛みました。

佳子は、「“仲の良い”?そんな仲良しクラブみたいな言葉がやくざの幹部から出て来るとは思わなかったわ。」と鼻で笑いました。

陽子は、「ふざけないで!私は真剣よ!」と身を乗り出しました。

佳子は、「私だって真剣よ。考えてもみて?修と陽子さんが結婚すればどうなるか。刑事の義理の父親が、やくざの組長だという事になるのよ。それに刑事の女房がやくざの幹部だなんて、そんな結婚を、“はい、そうですか”って認める事はできないでしょう。」と冷静に返答しました。

陽子は、「それじゃ、私が父と親子の縁を切ったら良いの?私は組長の娘だというだけで別に組員でもないから、それで縁が切れるわよ。」と陽子にできる事は何でもするとアピールしました。

佳子は、「陽子さんに人身売買グループとの縁が切れるの?あなた影の黒幕でしょう?あなたが人命を救う為に黒幕になったと聞いたので、大目に見ているけれども認めている訳ではないのよ。でも結婚ともなれば話は別よ。」と結婚には反対の態度を示しました。

殺人事件発生のアナウンスがあった為に佳子は、「事件だから、今日は帰って!」と佳子は現場に出て行きました。


次回投稿予定日は、9月12日です。

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