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第百五十五章 陽子、渚を出産する

ある日、修が陽子の様子を見に来て、その時にフジコと霧島外科医も来ていました。陽子を見舞ってから、修とフジコと霧島外科医が医院を一緒に出て帰りました。

修は、「フジコ先生は産婦人科の先生なのですよね?陽子の事を宜しくお願いします。」と頭を下げてお願いしていました。

霧島外科医は、「菊枝先生の同級生にしては、若いですね。陽子先生の知合いにもいなかったようですが、どのようなお知合いですか?」とフジコとの関係を知ろうとしました。

フジコは、「私は菊枝さんと同じ趣味を持っています。同好会のサークルで知合いました。」と誤魔化しました。

三人で雑談しながら歩いていると、丸西組の組員に襲われました。狙われたのは、丸西組の事を調べていた修が狙われました。

陽子の入院を修から聞いて、医院に向かっていた佳子が通りかかり、一緒に組員と争っていました。

フジコはテレジア星人とばれない程度に争っていましたが、丸西組の組員が拳銃を修に向けた為に佳子が、「修!危ない!」と叫びました。

フジコは、“間に合わない!”と判断して止むを得ず腕を槍のように伸ばして、一瞬にして組員を突き刺しました。

フジコは、“佳子さんが叫ぶまで全く気付かなかったわ。でも女神ちゃんだったら、もっと早く気付いて、こんな事にはならなかったわね。矢張り争い事は女神ちゃんには敵わないわね。”とアヤメだったらテレジア星人の事は、ばれなかったかもしれないと感じていました。

修は佳子が危ないと叫んだ為に、拳銃で狙われている事に気付き、“殺される!”と思った瞬間陽子の事が頭をよぎりました。

その瞬間、拳銃を構えていた組員が見た事もないような太い槍のような武器で一瞬の間に突き刺されました。

修と佳子は自分の目を疑って、呆気にとられていました。

暫くして我に戻った修と佳子が、その武器を確認するとフジコの腕のようでした。

丸西組の組員も驚いて、車でフジコを轢き殺そうとしましたが、テレジア星人の体重には敵わず、車が潰れました。

修達は、フジコが車で轢き殺されようとしていた為に、“危ない!”と思った瞬間、車がつぶれたので何が起こったのか呆気にとられていました。

組員は車から拳銃を持って降りて来て、一斉にフジコを拳銃で撃ちました。

フジコは平気で、「私に拳銃は通用しませんよ。」と竜に変身して近くにいた組員に巻き付き、その組員が悲鳴をあげる中、他の組員に鋭い牙で襲いかかりました。

組員達は、「ば、化け物!」と慌てて逃げて行きました。

佳子達は驚いて、人間の姿に戻ったフジコに、「あなたは何者なの?人間じゃないわよね。」と手足が震えてフジコが何者なのか聞くのが精いっぱいでした。

フジコは、「ばれちゃいましたね。話せば長くなります。ここは人目もありますので私と一緒に来て頂けませんか?」と意思波で小型探査艇を呼び寄せて、UFOに乗るように促しました。

佳子達はどこへ連れて行かれるのか不安で戸惑っていると、修がUFOに乗り込みました。

佳子達は、「修待ちなさい!」と修を追ってUFOに乗り込みUFOから修を連れ出そうとしました。

佳子達がUFOに乗り込むとUFOが人目につくと都合が悪いのでフジコはドアを閉めて発進させて月に着陸させました。

フジコは戸惑っている佳子達に、「心配しなくても拉致した訳ではなく、UFOが人目につかないように月に着陸しました。」と説明しました。

フジコはテレジア星人の説明をして、陽子は何故、産婦人科ではなく芹沢外科医院に入院したのか?何故フジコが偶に来るのか等を説明して最後にフジコは、「陽子さんがこの事をあなた方に喋らないのは、知られたくないと思っているようですね。知らない振りをしてあげてね。」と依頼しました。

フジコの説明を聞いていると落ち着いてきた佳子は、「修が結婚する前に、私と修がやくざ姿の陽子さんに立ち向かったのですが、全く歯が立ちませんでした。陽子さんには、やくざ以外に何かあると思いましたが、そういう事でしたか。という事は陽子さんのお腹の中にいる修の子は、宇宙人ですか?」と矢張り陽子さんは怪物だったと感じて確認しました。

フジコは、「今説明したように、地球人の血の方が多いので、そんなに気にする事はないと思いますよ。それにこの事は陽子さん自身知らなかった事なので、修さんを騙した訳ではないので、陽子さんを責めないでね。」と陽子を庇いました。

霧島外科医は、「陽子先生がやくざってどういう事ですか?」と信じられませんでした。

佳子は、「陽子さんは、表と裏の顔を使い分けているやくざの幹部で、丸東組の次期組長です。詳しくは、陽子さんから直接聞いて下さい。」と説明しました。

霧島外科医は、「嘘だ!陽子先生が凶悪な丸東組の幹部で次期組長だなんて僕は信じない。」と佳子の説明を否定しました。

修は、「姉ちゃん、また陽子が怪物みたいな言い方をして!陽子は怪物の血を引いているのではなく、女神様の血を引いているのだぞ!」と不機嫌そうでした。

佳子は、「修!今の説明をそのまま信じるの?そんな事を急に信じろと言われても無理よ。」と言い返しました。

霧島外科医は、自分の先祖の童話と呪縛時の説明が似ている為に、フジコに確認しました。

フジコは驚いて、「嘘でしょう?童話になっているの?まいったな。」と少し困ったような表情をしました。

霧島外科医は、「矢張りあの童話は、あなた方の呪縛時の事なのですか?銀行強盗に協力した怪物は死んだのですか?」と実話であれば、怪物が生きていれば大変な事になる為に確認しました。

フジコは、「落ち着いて下さい。銀行強盗ではなく宝石強盗ですよ。怪物で御免なさいね。宝石強盗に協力した怪物は私です。」と返答して、呪縛時の事も立体映像を見せながら詳しく説明しました。

霧島外科医は、あの童話が単なる童話ではなく、実話だったと知り驚いていました。

フジコは、「先程説明した呪縛で、あなたの御先祖様にも大変ご迷惑をお掛けしました。女神ちゃんじゃなかった、アヤメとコスモスは暫く地球に滞在するようなので、今後菊枝さんや陽子さんの性格が急に変わるような事があれば、呪縛の可能性がある為に直ぐに伝えて下さい。」と助言して、“ちょっと頼りないけれども、地球人よりかは知っているし、地球にはテレジア星人は二人しかいないので仕方ないか。”と思っていました。

佳子が、「修、あんた何をニヤニヤしているの?ショックが大きくて気が変になったの?」と修の様子が可笑しいので心配していました。

修は、「姉ちゃん。俺、女神様と結婚したんだよ。陽子が手術している患者は、専門医が手術不可能だと診断した患者ばかりだよ。死亡率百%のエスベック病手術にも何度も成功しているんだよ。姉ちゃんは信じられないと言っていたけれども、それは女神様でないとできない事でしょう?陽子は愛と美貌の女神ヴィーナスの血を引く女神様に間違いないよ。」と陽子の正体を知り喜んでいました。

佳子は、「今は混乱していて、どうすれば良いのか解らない為に、陽子さんには当分黙っています。もう少し時間を下さい。修!解ったわね。修!いつ迄ニヤニヤしているのよ。そんなにニヤニヤしながら外を歩けば、頭が可笑しいと思われるわよ。一緒に歩いている私まで変な目で見られるじゃないの!」と正気に戻るように忠告しました。

フジコは、佳子が陽子には黙っていると言ったので、一安心してテレジア星に帰りましたが、アヤメとコスモスには意思波で、佳子さんと修さんと霧島外科医には、テレジア星人の事が、ばれたと伝えておきました。

アヤメは、「人の事を散々、馬鹿だのドジだのと言っておいて、何よ!博士だって、ドジじゃないの!」と不満そうでした。

フジコは、「私達は機械ではないので、必ず失敗はあります。問題は、その失敗に直ぐに対処して、問題が大きくならないようにする事が大切なのよ。女神ちゃんの場合は、失敗に気付いても、“黙っていれば、ばれないだろう“と勝手な判断をするので、皆が気付いた時にはどうにもならなくなっているのでしょう!科学技術資料を地球に忘れた時も、思い出して直ぐに手を打てば何の問題もなかったのよ。女神ちゃんが、”テレジア星の文字で記述しているので大丈夫だろう。“だなんて勝手な判断をするから問題になってしまって。菊枝さんや陽子さんの説明によると、地球では最強の軍隊も歯が立たない謎の機械獣が出現したらしいじゃないの!あれって、テレジア星の技術を使った可能性があるわよ。まだその正体も解っていないらしいので、またその怪獣が出現したらどうするのよ!もう他に何も隠してないの?」と怒りました。

アヤメは、「あちゃ~薮蛇だった。まあまあ、済んでしまった事は水に流しましょう。でも最強の軍隊も歯が立たないと言っても、その怪獣はどうしたの?全然聞かないわよ。何かの間違いじゃないの?それに私はもう何も隠していません。」と不思議そうでした。

フジコは、「何故女神ちゃんは、自分の都合の良いようにしか考えないの?ちょっと菊枝さんに聞けば解る事でしょう。伝説の名パイロットと呼ばれる凄腕のパイロットが撃墜したのよ。」と説明しました。

アヤメは、「それじゃ、何も問題ないじゃん。何故そんなに怒るのよ。」と何故フジコが怒っているのか理解できませんでした。

フジコは呆れて、「女神ちゃん、何も解ってないのね。問題は二つあります。一つ目は、パイロットは人間なのでやがて年老います。怪獣は機械だと判明したので、設計図さえあれば、いつでも作れます。二つ目は、テレジア星の技術資料を解読すればするほど、怪獣の性能は良くなって行きます。やがてそのパイロットでも敵わなくなる可能性があります。女神ちゃん、どうする気?テレジア星に帰らずに、地球の用心棒にでもなる?」と問題点を指摘しました。

アヤメは、「今の所、機械獣の事は全然聞かないし、大丈夫じゃないの?もし機械獣が出現すれば、その時はその時よ。何とかなるわよ。」とのん気そうでした。

フジコは、「もう、女神ちゃんは、本当に何も考えないのね。どうすれば良いのか、菊枝さんや陽子さんと良く相談しなさいね。場合によっては、その伝説の名パイロットを紹介してもらって、相談する事ね。」と忠告しました。

アヤメは、「博士は、何故、菊枝さんみたいな事を言うのよ。何でも、その伝説の名パイロットは霧島外科医の奥さんらしいわよ。“紹介するから、相談してみる?”と勧められたけれども、宇宙人だなんて信じないでしょう?断ったわ。」と説明しました。

フジコは、「えっ!?女神ちゃん、機械獣の事は知っていたの?だったら、そう言ってよ。必死に説明していた私は馬鹿みたいじゃないの。確かに女神ちゃんは、情報だけはいつも早いけれども、その情報をもっと有効に使いなさいね。菊枝さんは、解っているようなので、菊枝さんと良く相談するのよ。」と助言しました。

陽子の出産時には、フジコも立合い、元気な女児を芹沢外科医院で出産して、渚と命名しました。

陽子は自分がやくざの娘だという事で、いじめにあったり仲間外れにされたりと色々と苦労した為に、娘に同じ思いをさせたくなく、偶に遊びに来る祖父は実業家だと説明して、あまり詳しく説明しませんでした。


第五部はこれで終了です。次回から第六部の投稿を開始します。

次回投稿予定日は、12月28日です。

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