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第百五十二章 マリ、次郎と絶交する

マリは空軍の元部下に連絡して、上官が有給休暇をいつから何日間取得しているのかを聞き出して大日本医療大学へ行き、医師の診察曜日一覧表で陽子の診察曜日を確認して、どの便で来日するのか見当をつけ空港で待ち伏せしていました。

マリの予想通り上官が現れた為に、背後から近付き指鉄砲で、「動くな!手を上げろ!」と指示しました。

上官は可愛い元部下の声を聞き違える筈がなく、マリだと直ぐに気付き、“私の有給休暇を部下にこっそりと確かめていたが、矢張り来たか。マリは、戦場での銃撃戦はできても、こういう事にはまだまだだな。見え見えじゃないか。”と呆れました。

上官は、「こんな人ごみの中で手を上げても良いのか?」とマリを少しからかいました。

マリは、「えっ、ああ、手は上げなくても良いから大人しくしろ!」と焦りました。

上官は、“丸でなってないな。”とマリの教育も兼ねて暫く相手をする事にしました。

上官は、「目的は何だ。何の為にこんな事をするのだ?」とマリが何をしにきたのか確認しました。

マリは、「今回来日した目的を白状しろ。」と次郎から聞き出した事が本当なのか確認しようとしました。

上官は、「それは極秘だと言ったらどうする。こんな人ごみの中で、私を射殺するのか?」とマリがどう対応するか確認しました。

マリは、「拉致する。」と返答しました。

上官は、“消音銃も知らないのか。”と思いながら、「同じ事だ、こんな人ごみの中で、そんな事ができるのか?」と指摘しました。

マリは、「えっ?いや、その・・・」と対応に困りました。

上官は、「何が“えっ?いや、その”だ!私の右手が左脇から出ている事にまだ気付かないのか?これが実戦だったら、お前は射殺されているぞ。ゲームセットだ、マリ。」と返答しました。

マリは、「えっ!上官、いつから気付いておられたのですか?」と矢張り上官には敵わないと感じました。

上官は、「最初から気付いていたよ。お前は戦場での実戦経験しかない為に、こんな場所では、無理だな。消音銃などは使った事がないだろう。人ごみの中でも気付かれずに射殺できるぞ。それだから、人身売買グループの黒幕に逃げられるんだ.黒幕といえば、私は偶々ある女性の太ももに自動小銃で撃たれた傷跡を見付けました。それだけでは、確信が持てないので現在調査中ですが、その黒幕が誰なのか見当はついたよ。同時に同行していた複数人数の男性に付いても何者か解りました。だが何故あの人がそんな事をやっているのか不明です。何か裏がありそうなので、もう少し私のほうで調査します。お前は、この件から手を引け!」と指示しました。

マリは、「待って下さい。上官は殆ど助からないエスベック病に侵されていると、叔父さんから聞きました。上官が亡くなれば、その黒幕は誰なのか不明になります。」と黒幕の正体を知ろうとしました。

上官は、「勝手に人を殺すな!心配しなくても、私はまだまだ死なないよ。」と返答しました。

マリは、「私にもう一度チャンスをくれると言ったではないですか?せめて私に助手を勤めさせて下さい。黒幕は、誰なのですか?」と依頼しました。

上官は、「マリにチャンスを与えるとは言ってない。考えておくと言っただけだ。あの人の事は、私が墓場まで持って行きます。ひょんな事から判明しましたが、私自身まだ半信半疑で信じられないので、今はまだ人には言えません。」と返答しました。

マリは、「上官が最近出国したのは日本だけですよね?という事は、黒幕は、アメリカ人か日本人なのですね?」と問い詰めました。

上官は、「それには答えられない。黒幕がアメリカか日本に来たとも考えられるのではないかね。それに私も戦場へ出撃する事があるぞ。黒幕は表と裏の顔を使い分けている人物なのでマリには無理だ。予想もしていない人だから。解れば、マリも腰を抜かすぞ。先程も言ったように、この件からは手を引け。」とマリには無理だと判断しました。

マリは、「それでは、上官がエスベック病に侵されているのは、本当なのですか?」とこれ以上の追求は無理だと判断して話題を変えました。

上官は、「ああ、それは否定しませんが、大丈夫だ。私のバックには世界一の名医がついている。マリもその噂は聞いた事があるだろう!世界一の名医を信用しろ。」とマリが心配する事ではないと伝えました。

マリは、「それでは、上官の近くにいるミニスカートが似合う女性が黒幕なのですか?」とどうしても黒幕の正体を上官から聞き出そうとしていました。

上官は、「そうとも限らないぞ。私もバスや電車に乗る事もあります。偶々乗り合わせた乗客であれば、私の近くにいる女性だとは言えないのではないかね。私の助兵衛心で、ミニスカートの中をチラッと覗いたら偶々傷跡を見付けました。マリだったらそんな事はしないので、気付かなかっただろうな。男の助兵衛心も偶には役に立つ事もあるのだな。」と笑っていました。

マリは、「上官が、そんな助兵衛だったとは知りませんでした。次回から上官に会う時にはロングスカートかズボンにします。上官は戦場で、そんな不謹慎な事はしないでしょうし、関係のない女性のスカートの中を覗かないと信じて、上官の近くにいる女性のスカートの中を覗くようにします。」と上官が喋らないのだったら調べると伝えました。

上官は、「辞めとけ。男性が覗けば、只の助兵衛で済むが、女性が覗けば、変態扱いされるぞ。」と止めました。

マリは、「それは考え方によります。男性が覗けば助兵衛な痴漢として捕まる事もありますが、女性が覗けば、そうは思わず、何をしているか聞くのではないですか?例えば、スカートの中に虫が入っていったような気がしたから等、幾らでも言い逃れできます。」とどうしても調べようとしていました。

上官は、「勝手にしろ。週刊誌に、“伝説の名パイロットは変態だった。”と掲載される日を楽しみにしているよ。」と説得は無理だと諦めました。

マリは、「間違っても、そんな事にはなりませんので、ご心配なく。しかし、アメリカ人か日本人の可能性が高いですね。黒幕の体型からして、アメリカ人ではなさそうでしたので、日本人の可能性が高いですね。上官が日本で行かれたのは、病院ですよね。」と推理して病院を調べようとしていました。

上官は、「病院以外にホテルにも泊まったぞ。私はこれから病院に行くので、マリは変態だから気を付けろと、看護師や職員に伝えておくよ。ホテルのフロントにも同様の事を伝えておくよ。」と止めようとしました。

マリは、「上官、そんな出鱈目な噂を流さないで下さい。」とまさか上官が、そんな事をするとは思いませんでした。

上官は、「だったら、この件から手を引け!」と指示しました。

マリは、「嫌です。女のくせに人身売買の黒幕だなんて、絶対に許せないわ。その件は解りました。でも諦めた訳ではないわよ。私も調べていますから。必ず正体を暴いてやります。」と興奮していました。

上官は、「以前も冷静になれと忠告しただろうが。そんなに興奮して黒幕に会っても簡単にあしらわれるだけだぞ。」と矢張りマリの弱点は精神的な事だなと感じていました。

マリは都合が悪くなった為に話題を変えて、「話は変わりますが、私の子供が上官の所にいるのは何故なのですか?上官が叔父さんにまで連絡をして来るとはどういう事なのですか?」と確認しました。

上官は、「私は何も態々、連絡していないよ。考えれば解るだろう。私はマリの叔父さんの連絡先は知りませんでしたよ。第一マリに叔父さんがいる事自体知らなかったので、調べる事もできないでしょう。叔父さんが連絡して来たのですよ。病院に行く時間なので、もう良いかね。」としつこいなと感じていました。

マリは、「私も調べに行きます。」と上官について行きました。

上官の診察が終わり診察室から出て来てマリに、「どうだ?解ったか?」と確認しました。

マリは、「スカートの中を覗こうとすれば、変な目で見られたので辞めました。別の方法を考えます。」と返答しました。

上官は、「だから、最初から辞めとけと言っただろうが。変な目で見られたのは、マリは変態扱いされたのだぞ。明日、この病院に来れば、マリのポスターが貼っていて、そのポスターに、“この女性は変態ですので気を付けて下さい。”と書かれているかもしれないぞ。私の予想した通りになったじゃないか。どうする、ホテルにも付いて来るか?結果は同じ事だぞ。解ったら、この件から手を引け」とこれで諦めるかなと期待しました。

マリは仕方なく自宅に帰り、次郎に電話して、上官の話を確認しました。

次郎は、最初、空軍の電話番号を調べて連絡したとか言っていましたが、アメリカ空軍には基地も多く部隊も多い為に、どうやって上官の名前を調べたのか不自然な点も多かった為に問い詰めると、マリの携帯を内緒で確認した事を白状しました。

マリは、「最低!プライバシーの侵害よ!今迄叔父さんが裏でこそこそしていたのね。私が、悪阻で苦しんでいた時によくそんな事が平気でできたわね。大嫌い!もう絶交よ!二度と連絡して来ないで!」とカンカンに怒って電話を切りました。

困った次郎は佳子に連絡して、マリとの事を説明して、仲直りできるようにマリを説得して欲しいと依頼しました。

佳子は、「それは小父さんが悪いわね。小父さんが説明する前にマリにばれたのが決定的ね。それとなく話をしてみますが、無理だと思います。暫くはその話題に触れない方が良いと思いますよ。時間が解決してくれるまで待った方が良いと思います。今その話をすれば益々拗れて、修復できなくなる可能性があります。何か切欠があれば良いですけれどもね。」と助言されて、次郎も諦めました。


次回投稿予定日は、12月17日です。

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