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診療村はずれの攻防

騎士団隠密部隊の面々は村に近づく魔物刈りで今日も大変な一日を繰り返していた。


「隊長、まずい事にキメラが近づいて来るみたいですぜ」


それから彼らは、いつもの様にキメラと格闘を開始する。


「うおぉぉー」

彼らは強者ではあったが、隠密という手前、強力武器は所持していなかった。

徐々に披露し、キメラの堅い皮膚を貫く武器もなくいろいろと手を変え品を変え村から引き離そうとしていた。


「なぜ、こんなところに。あいつはもっと・・・」


しかし、どんなに方向を変えようとしても結局、村へ方向を変えてしまう。


「この先には巫女様がいらっしゃるのだぞ。なんとしても、ここで倒すしかない」


隠密用の短剣を見つめて男は、こんな事ならバスターソードの1つも持って来ればと思っている処へ部下の一人が更に愕然とする事を言い放った。


「隊長、ス、ストーンゴーレムまでいます」


キメラの後方に目を向けると、ややまだ遠めに位置するものの確かにこちらに向かってくる岩の塊の様なものが見て取れた。


「ば、ばかな。ありえない。こんな村里近くに」


通常、キメラもストーンゴーレムも、山間の奥地にでも行かない限りめったに見る魔物ではない。そんな化け物2体も相手できる装備は無い。


「駄目だ。刃が立たない」


その時、仲間の一人がキメラの前で横たわり、今にもキメラの大きく開いた口でがぶりと咥えられられようとしていた。


ヒュン。 ドゴーーーン


どこからともなく飛来した矢のような輝きが、突然の爆音と共にキメラの頭に吸い込まれ吹き飛ばすと、頭を無くしたキメラがバサリと崩れ落ち息絶えた。


ヒュン。 ドガン


再び続けて、ストーンゴーレムの胸にも大穴が空き、ゴーレムは電池が切れたかの様に動きを止めた。突然の幸運に隊長と呼ばれた男が謎の光の矢が飛んできた方向を見ると、そこには女神が矢を放ったかの姿をしてから、なにやら事無げ下の方に移動した。

もちろん手には弓は無かったが、我らを救ったのは巫女様にいつも付いている女神様だと確信できた。



「拙いわね」

この報告を受けた王女は、王族馬車を用意させ仰々しく治療村へ進路を取り、

まるでワザと注意を一身に集めるように、盛大に巫女を迎えに行ったのだった。


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