薔薇と私
「あのぉ~」
〖ん?〗『なにか』
「ここは?」
〖我が泉の側だな〗
「そうじゃなくて」
『ウルザブルンですよ。そして、あちらが人の世界』
「て、言われても見えませんが・・・」
『ちょっと待ってくださいね。用事があるので・・・』
ヴェルディさんは、どこかへ向かった。
こっちへ来てウルズさんとヴェルディさんは実体化してます。
ウルズさんは美人ですが、ちょっと絡みづらい雰囲気の女神で
対してヴェルディさんは、おちゃめっぽいというか物腰がやわらかい
感じです。でスクルドさんの実態はサイドに羽の様なものが付いた
とっても軽い金属で出来てる兜に鎧と、8つの武器を持つそうです。
と言っても使うとき手元に現れるので常時は手ぶららしいです。
〖あの子、几帳面だからね〗
「なにかあるんですか」
〖肥料蒔きしてる〗
「肥料ですか」
〖水蒔きもしてるかな〗
「ああ、あれホントなんですか」
〖あの子、最近ガーディニングに凝っちゃって〗
「えっ」
〖ん、なに?〗
「ユグドラシルじゃなくて」
〖ああ、あんた情報古いわよ。3千年も、同じ事してるわけないでしょ〗
「ああ」
〖あん時は、これが枯れそうだったから、今はピンピン〗
そう言って、目の前にある大木と言っても、雲より上に聳える、それを
指さしてウルズさんは、ピピっと曲げたり伸ばしたりした。
『おまたせしました。では行きましょう』
ヴェルディさんは、そう言ってまた、呪文を唱えそうになったが
『言い忘れてましたが、人界に行くと姿見えなくなりますが
近くにいますから、安心してくださいね』
「あ、はい」
『では行きま~す』
呪文を唱えた。正確には唱えたのか判らない。
音らしきものを発したと言う点ではエルフに近いかもしれない。
私が再び目を開けると、そこは雪国だった・・・じゃないよ。
「なにこれ」
『ちょっと北の方に出ちゃっいましたね』
〖しょうがないわね。あたしがやるわ〗
(北の風、氷の豹よ。氷の女王ケニング、ウルズが命ず。我らを人の里まで運べ)
あっ、ウルズさんの方が呪文ぽいと考えていると、足元に氷で出来た彫刻の様な
豹達が現れて走り出す。それに合わせる様に私達も一緒に、空に舞い上がり
ものすごいスピードで移動し始めた。
さ、さむい・・・こ、こおるぅ・・・し、しむぅ~
〖さっ着いたわ〗
見事に氷着いた私を見てウルズさん。
〖あっごめんごめん。凍っちゃった〗
私は、ほいって感じに呪文をかけてもらって生き返る。
『もうすぐミリス宮殿ですよ』
いつの間にか、彼女たちの姿は何処にもなく、ただ声だけが響いた。
『ああ、それと私達の声は他の人には聞こえません』
〖頭の中で、思うだけで分かるから口にしなくていいわよ〗
(はい)
〖飲み込み早いわね。じゃ何かあったら呼びなさい〗
『着地は薔薇園にしますね』
そして私は、ぽつんとミリス宮殿の前の薔薇園の中にって
「いた、いたい痛い。いたたた・・・」
ガサガサガサガサガサガサ・・・
ぽすん
やっと止まった・・・ん?
ど、どういう事
手を着いた私。
そこにあった、小さな手はどう見ても子供の手だった。
〖ああ、ちょっと私が手伝ったから、少し過去になったかもね〗
『大丈夫ですよ。美香さんの体だけで他は過去になってません』
「いや、そういう意味じゃなくて肉体的な方」
〖気にしなくても、勝手に大きくなるわよ〗
『私の願いは1つ使ってしまったので・・・』
「あははは、たぶん前より幼いぞ。これ」
顔と体が一致してる分、私は凄く幼くなった気がした。
人って諦めたりすると笑うってホントなんだなとか考えてる
冷静な私の部分が、そろそろ行こうと言うので宮殿へと歩き出した。




