昨日と今日と明日の私
私は、とりあえず朝食の用意をしていた
今朝は、パックのベーコン3枚フライパンにのせて
中火で焼き上げ、卵を2つ割って目玉焼きベーコンを作る。
黄身が固まる前に火を止めて、蓋をしてちょっと置いてから
蓋を開けてベーコンの下にヘラをちょちょっと滑らせ
フライパンをツンと振って目玉焼きをフライパンの上で滑らせる。
ツンツンと軽く取っ手を叩き、用意したさらにすっとのせて
食卓へ運び、トースト焼き器に食パンを2つ左右にいれて
ボタンを押し込んでから
「おとーさーん」
奥の部屋から父が、欠伸しながら
「おお、けさはパンか」
「ごめん、ご飯タイマー忘れて」
「まあいいさ」
丁度食パンが「チン」と上がって焼きあがる
父は皿から半分の目玉焼きベーコンを食パンの上にのせて
塩を振りかけて二折りにして口に運んだ。
私は、1パックの残りのベーコン2枚フライパンにのせて
卵ほを1つで同じように目玉焼きベーコンを作ると
醤油をたらして味付けしてから、食パンは焼かずに
その上に置いて、さらにもう一枚を上にのせる。
包丁で半分に切って皿にのせて食卓へ運ぶ。
父が2枚目の食パンに噛り付いている処だった。
「今日は地鎮祭に呼ばれているから、お昼は済まないが要らない」
「ああ、真木ちゃん家でしょ。新築祝い何がいいかな」
「まだ、骨組みだけだよ」
「あっ。そうだ。祝詞奏上あと玉串奉奠するんでしょ」
「ん?」
「玉串って余ったりしないよね」
「ああ」
「そっか」
「どうした?」
「気にしないで、なんとなく欲しいなって思っただけだから」
何となく、霊験あらたかなんじゃないかと思ったりしたのだ。
どうも、あの後。実験してみて分かった事は、あっちほど強くない。
「あっ、お神酒飲み過ぎないでよね」
「ああ、わかった」
まあ、言っても無駄だろうけど、
何か理由を付けて飲むだけなんだから
何がいいんだか、私もちょっとだけ御猪口でもらって口に
含んだ事あるけど、むっとして咳き込んだ。
部屋に戻ってから『私は、あんなの好きになれそうもないけど』
と独り言ってベットに横たわる。
『忘れたくても、忘れられないものとか色々あるのよ』
「そんなものなの・・・へっ?」
『辛い事とか、酔って笑ってね』
がばっと、私は身を起こし辺りを見渡す。
(誰もいない)
「え~と、幻聴?」
『あなた、もしかして見えて無いの?』
がばっと、また私は身を起こし辺りを見渡す。
「すみません。見えて無いです」
とりあえず、言葉にしてみる。
『人に彼是頼み事しといて、実は見えて無いって~』
「あっ、すいません」
『まっいいわ。一応神棚んとこに居るんだけど』
「どちら様でしょうか?」
『え~、それはないわぁ~。あれだけ私の名前連呼しといて』
えっ連呼?連呼した名前って言えば
「水の精霊くらいかな」
『そお、それよ、それ。
まあ、水の精霊でも良いんだけど、
今後、私に助力を願うなら水に塩をふってからにしなさい』
「塩ですか」
『それと、ちゃんと海からとったの使うのが御薦めよ』
と、別の声色で声を掛けられた。
「えっ。お二人いるんですか」
『ええ、元々私達は三女神ですからね』
〖それぞれ。過去、現在、未来。死、活、生。星、日、月。
そして海、川、滝の「水の精霊」でもあるわ〗
「え~と、もしかして運命の泉の三姉妹ですか?」
『間違ってはいませんね』
〖それは、あっちの世界での話だけどね〗
「あっち?」
『今、あなたの幼馴染さんがいる世界の事です』
〖そういう言い方だと、淡海乃海の三姫神とか言ってよ〗
「あの・・・ふと疑問が淡海って事は塩は関係ないのでは?」
〖あなたねぇ~。仮にも巫女でしょ〗
『まあ、そう言わず御姉様。それは浄めですよ』
〖水に塩混ぜて海水になるとでも思ったの〗
「え?ああ・・・その、ならないと思ったので不思議だなって」
〖まあいいわ、あなたの認識だと私が長女の運命よ〗
『改めまして、次女の水戸と申します。
ヴェル♬ディの♬は人には発音できないと思いますので、
縮めてヴェルディと御呼び下さい』
「あっ。美香です。よろしくお願いします」
『今は居ませんが、三女の挑戦で、三姉妹です』
三姉妹は大淡水湖での守護をしているが、三女のスクルドは
その他にも戦姫神にも入ったり、巫女と積極的に交信したりと、
新たなものへの好奇心旺盛なんだとか・・・。
〖あの三女は、運命に抗らうのが生甲斐なのよ〗
『あちらの運命を変えるのに、手伝いをさせて申し訳なく思っているの』
〖それに関しては姉として謝るわ。やったのは、あの三女だけどね〗
『あなたへの助力とは別に、私達が1人1つ等々(ずつ)
過去、現在、未来について、それぞれ願いを叶えましょう』
「私があちらの世界に行く事は助力に入りますか?」
〖時間をかけて、頑張れば私達の助力で済むよ〗
『今すぐと言うのなら、それは現在への願いとなります』
「なら、願いでお願いします」
『わかったわ』
私は迷う事無く、そう告げてヴェルディの返事が戻って来ると
視界が真っ白になって、意識も消えて・・・




