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光のエルフと闇のエルフ 4 ≪オーク≫

洞窟は高さ幅共に三メートル程の広さを持っていた。


「♪♪♩♩♪♩♪」


エルフの一人が、何かを口走ると光の玉が、そのエルフの手に現れ辺りを照らした。


「光の精霊よ、我が袂に来たりて、我が行く手を照らせ」


私たちの方はレナが光の魔法を唱えた。


洞窟内を二つの光源が照らし、照らしたおかげでかなり先まで見えるようになった。


しばらく進むと道は二手に分かれていた。


「こっちよ」


エルバが左を指さして、指示する。


私達も続いて、そちらに進んだ。


やがて雰囲気が変わる。ゴツゴツとした岩があちこちに突起したままになっている

そう今までが、舗装道路の様であったのに対して、まるで獣道の様な雰囲気であった。


「もうすぐよ」


そう、エルバが告げた。


光の魔法で照らされた、その場所は少しだけ広がりを見せて前方に3つの穴が

続いていた。その一つ、左の奥から何かが来るのを感じて緊張が高まる。


「巫女殿、降りて下さらんか」


ガナシュはとても静かにそして優しく美香を地面へ降ろして両手で斧を構えた。


闇から片足だけが、現れやがて光は徐々に、何かを露わにしていく薄汚れた

肌、初め暗い焦げ茶色と思ったそれは光に照らされ暗い緑がかった青い皮膚

頭は1本の髪も無く、全体に膨らんだ肥満体の様な体をしていた。


「オーク!」


その姿を見て、レオンは両手剣を肩越しに背負うように構えた。


「はぁー」

「待ってぇ~」


美香の静止は既に振り下ろされた黒いレオンの両手剣を止める事もなく

オークの肩から斜め腰にかけて走る。

先頭のそれが倒れる前に、後方のから太い棍棒が振り下ろされて

レオンに襲い掛かる。


飛び散る先頭のオークの深緑とも黒紫ともつかない返り血がレオンの鎧を

染めて棍棒に叩かれた肩から赤い血が滲む。


レオンを叩いたオークの胸に槍が突き刺さり、よろけたオークは

目の前の敵ではなく後方のパシェロに目を向ける。


すかさず負傷して右肩がだらりとしたレオンをルークが後方へと押しやり

ガナシュの斧が先頭のオークの首に振り下ろされた。


美香の言葉で行動を止めた私とマユ姉、レナは、オークから目を離さずに

彼女の側へとにじり寄る。


「巫女っち、あれだろ」


マユ姉が確認するように盾を構えて言う。


「アレは私の記憶ともほぼ一致してます」


レナはオーク達の姿と血の色を見て、かつての一族が見舞われた不幸と

酷似している事を思って美香に告げる。


「あの血の色ってあれだよね」


私も美香に問いかける。

私達は、最近あの血の色に似た話を王女ナールの忌まわしき過去として聞いていた。


「レオン止めて」


しかし、今度は右穴から別のオーク達が現れ彼らは挟み撃ちの形に追い込まれていた。

新たに現れたオーク達にエルフの後衛が矢を放つ。

エルバとほか2名の前衛のエルフが、レオン達に背を向け防衛してくれたことで

なんとか、体制を持ち直した面々は、それぞれの相手に牽制しながら戦い続けた。


「ゆっくりしてられないぞ。どうする」


何の行動もとっていない、マユ姉は美香に指示を仰いだ。


「凍てつく風よ、かの者の動きを止め、暫しの安息を与えん」


美香の言霊が、オーク達の体を氷で包むように固まっていく。


しかし、水の精霊はあまり近くにいないのか、

薄い氷では大した疎外にならなかった。


オークの棍棒を持つ右手にエルバのレイピアがまるで分裂する様に高速で

何度も突き刺さる。


「くっ、か、かたい」


だが、レイピアはオークの硬い皮膚に阻まれ、深手を与えるまでには行かず

逆に掃った棍棒にレイピアは弾き飛ばされ、カン、カラと岩に跳ね返り

地面に落ちて行った。

そして、さらに戻ってきた棍棒がエルバの横腹を強打して彼女の顔を歪ませた。


「「「エルバ(殿、さん)」」」


ほぼ、全員の声が重なる。


顔を歪ませたエルバの首をオークが掴み、彼女の体を持ち上げた。


と、その時。


そのオークの後方にいた、オークの棍棒が彼女を持ち上げたオークの頭に

減り込み、その手が力を無くして彼女を落とした。

エルバは何が起きたかも分からずに、地面のレイピアを倒れるオークへ

向けて力いっぱい突き出した。

そこに対象のオークは既に倒れ込み、奥にいたオークの胸に深く突き刺さる。


「うっうっうっ」


そのオークはエルバに何か言いたげに、しかしただ唸りをあげて

彼女の頭に手を乗せて撫でる様にしながら崩れ去った。


そして、そのオークが崩れ去った本当の理由がその背中にあった。

オークの背にはいつの間にか一本の岩で出来た氷柱の様な形のものが

深く突き刺さっていたのだった。


「やあアリオ、ご苦労様。

 なかなか、楽しい余興でしたよ。

 こんなに、お仲間を連れて来てくれるとは

 君も混ぜて6人もいれば、十分でしょう」


少年の様なドワーフが、にこやかな笑顔を見せて影から歩いてきた。


「?」


エルバの顔が信じられないものを見るようなものに変わる。


「どうしました?

 私を忘れた訳ではないですよね」


その言葉に、やっとエルバが口を開く。


「なぜ?私が・・・」


「ああ、あれですか。あれは、あなたが気を失ってる間に土魔法で

 そっくりに作り上げた泥人形ですよ。

 元々私達は土色ですからね。分からなかったのも無理在りませんがね。

 まあ、概ね実験は成功です。

 あなた方の結界は中々厄介でしたからね。

 こちらからより、来て頂いた方がいいと言う事になり

 こうして、1人逃がす事で6倍になって帰って来る。

 素晴らしい考案でしょ」


そう言って、何かを投げた。

それは、地面へと落ちて砕けると、エルバやエルフ達が力なく倒れた。


「そうそう、君たちはお帰り願おう」


ドワーフが呪文を唱えると倒れていたオークが立ち上がった。


「では失礼させてもらうよ」


そういって、彼は地面の中へと沈む様に消えた。


後に残ったのは、私達8人とオークとオークゾンビだった。


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