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北へ

美香は、魔物らしい者がもっていた大きな斧に近づきなにか調べていた。


「レオン話があるの」


「ああ」


レオンは美香の口ぶりで、まじめな顔になった。


「この斧だけど」


「随分と大きな銅斧だな」


「これ、さすがに私では振り回せないけど、私でもこうして持てめのよ」


そう言って両手でははあるが、幼女は斧を持って持ち上げて見せた。


「そ、それは」


「今の、この私が持てるって事の意味わかるよね」


そう美香は、今は小学生並みの体力と筋力しかない。

その彼女が両手でも持てる。こんな大きな斧を、下手するとしゃがめば、

彼女なら全身が隠れてしまうほどの大きな斧を持ち上げる事ができる。


「ねぇ。美香どういう事」


「実は、巫女っちが怪力の持ち主だった訳でもなさそうね」


そう言われて美香は首を横に振りながら「違うわ」と斧を地面に戻す。


「これ銅だけど、銅そのものじゃないのよ」


美香はコンコンと斧を軽く手で拳を軽く作り叩いた。


「これ、中は空洞になってて刃の部分だけが詰まっている。

 武器として刃に重心が行くようにしてるって事はいいとして、

 薄くなっていて、なお、この刃としても分厚い部分を

 あの怪力で振り回して耐える強度がある事が問題よ」


そしてレオンを見る。


「此れと同じ様な金属、この薄金色の金属を作る国は人族にいるの?」


「人族どころか、我が知る限り此れが初めてだ」


「そう・・・つまり、相手は、ただ銅を溶かして

 鋳型に流し込む様な銅時代の代物ではなく、

 銅合金を精製する文明をもった知的生物である可能性が高いわ」


「只の化け物って訳じゃないって事ですか?」


レナの疑問に美香は頷いて見せた。


「でも、銅なんでしょ。鉄の方が硬いんじゃ・・・」


私の言葉に美香はまたも首を横に振った。


「それは間違いよ。

 私達の世界でも、鉄と銅では鉄の方が先に発見されてるわ

 実用的に鉄と銅では、銅の方が硬かったのよ。

 鉄を精製する技術が出来るまで、つまり。

 ほぼ純鉄を作れて、炭素と合成させ鋼にするまでね」


そこまでで区切った後。


「この世界には魔法や、少なくとも精霊がいる。

 ここからは、推測に過ぎないんだけど

 気になる事があるのよ。

 アフロディーテのイヤリングを知ってる?」


私は見つめられて首を横に振る。


「彼女は大地の女神ではあるけど、同時に海の女神でもあるの

 緑と青の愛の女神と称される。その耳には左右にイヤリングをしていて、

 左のイヤリングには勇敢なものを意味するアクアマリン。

 右のイヤリングには未来予知と守護を意味するエメラルド。

 そして金色に輝く黄銅で作られていたとされているわ。

 そして、それは未知の金属オリハルコンだとされているのよ」


美香は少し自慢げに胸を張った。


「それは?」


?マークを浮かべる。私に『え~』て感じの美香が続ける。

そんな、顔されても、伝説とかしらないし、ファルコンなら鷹だけど

私が変?、でも知らなくて普通だよね?じょ女子高で習わないよね。

あっでも、美香んち、神社かぁ~神話とか詳しそうかも・・・ん?


「わからない?

 黄銅の成分は、銅と亜鉛。

 アクアマリンの成分は、アルミニュウムとベリリウム

 エメラルドの成分は、ベリリウムとクロムとバナジウム

 これって銅合金の、しかもベリリウム銅合金の配合的な、

 それにベリリウム銅合金は徹甲弾にも使われるもっとも硬い銅合金よ。

 つまり、オリハルコンて、これのこじゃないかしら」


そういって美香は、斧を指さしたのだった。


「「「え!」」」


この斧、伝説の金属オリハルコンってこと?


「まっ、まじかぁー」


「あくまで可能性よ」


そんな会話をしているとレナが戻ってきた。


「レナ殿、なにか分かった事は」


「かなり早い段階で、王女ナール様達は危機を予見して北へ移動したらしいわ」


「じゃあ、私達もそちらに向かってみましょう」


魔物を呪文で火葬して、今夜はここで過ごし明日北へ向かう事にした。


とりあえず、斧はガナシュが担いでいく事になった。


「片手に持ってみても、けっこう軽いですね」


ガナシュが斧を片手で振り回して見せる。


なんか様になっててカッコイイような気もしなくもない。




次の日、私達は、予定通り森を北へと進んでいた。


「ねぇ。美香。黄銅って、こんな色なの?」


ガナシュに抱えられている美香と逆に担いでいる斧を見ながら聞いてみる


「ああ、違うわ。黄銅は新品の5円玉みたいな色よ」


「5円玉ですか?」


「私たちの世界の貨幣よ」


「そうですか、こちらの銅貨は赤ぽいので、異なる成分なんでしょうね」


「そうね。それと似ているのは10円玉かな」


「銅貨が複数あるんですか」


「んー。あっちは銅貨しかないけどね。

 500、100、50、10、5の5種類。

 あっアルミもあったわ、1円玉」


「あれは合金なの?」


「1円玉はアルミのみよ」


「そうなんだ」


「おお。巫女っち、見なよ」


マユ姉が先行していたが、戻って来て前方を指さした。

見ると少し先に岩場から白い線があった。


「滝かな?」

「そろそろ、あたい等としても水浴びしたい頃だろ」

「助かります~」


レナがクンクンと自分の匂いを嗅いでる。


「そうだ美香。風呂作ってみない」

「いいかも」


滝の側に来た私達は、レナが業火呪文を使い、ちょっと高めの位置の

岩を溶かして、露天風呂並みの風呂釜を作り出して高熱で溶けた岩が

隙間を埋めて、まるでガラス細工のような滑らかさを作り出す。


そこへ美香が水を川から術で移動させ、水で岩が冷やされ、お湯に変わる。


「さすがに、まだ熱そうですね」


「もう少し、水を入れて全体的に冷ましましょう」


数度水を足して温度を調整した女性陣はお風呂へと

服を脱ぎ棄て始める。


気になって、上から下を見ると男性陣は、岩の下に座って焚火を

作って何か焼いている様だった。


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