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シャラル・プリャ

シャラルは隣国であった小国プリャ国の王女として生まれながらオーディスに

嫁ぐことが決まっていた。

幼いころから、教養を学び祖国の為、捕虜的意味が強い政略結婚であった。

しかし、彼女は生まれの不幸を呪うことなく、まだ見ぬ大国の王子との

謁見を義務ではなく、好意的に承諾していた。


初めて互いが顔を合わせたのは、王子18歳。対して彼女が14歳であった。

側室が集まる男子禁制の赤薔薇宮殿に入る事になる。そこで働く奴隷に至るまで

女性のみとされていた。


プリャ国の王女とは言え、小国であり正妃になる事はないとされていた為

あたえられた部屋も、王女としては狭く一番奥の隅であった。


シャラルの側付きとして同行を許可された者達は不満を上げたが

「こんな狭い部屋に」

という側付きに、

「この部屋に飾る品々は祖国プリャの税金です。

 無駄に広くなくて助かりますね」

といい。

「こんな奥に」

という側付きに、

「入り口から一番遠いと言う事は、

 有事の際、一番安全な場所で良かったですね」

と言ったという。


正直いってシャラルへの待遇は悪く、王子の童貞卒の為に集められた

3人の一人という認識でしかなかった。

万が一、王子の子をなしても公妾として白薔薇宮殿に入る可能性が

あるかもしれない。その程度だった。


しかし、多くの予想を裏切ってシャラルは王子の心を射止め正妃となった。

だが、王子が王となっても、なかなか子が生まれず、仕方がなく王として

側室からの夜伽を受け入れる事になる。


そして何人もの側室からの夜伽の中にローラがいた。

ローラは平民の出で仕来りも作法も分らない、ただのメイドだった。

正確には夜伽の為のラッシュ子爵家の長女に付いてきただけの使用人である。


それが、なぜ第一王子を産む事になるかは、まあ・・・そういう事である。

体裁を保つために、元々子爵家の養女だった事にして第2夫人となる。


その年、シャラルは王室の一室に呼ばれた。

一度正妃になったからは、正妃は正妃の死亡いがい他に移る事はない

もしや、子を産めなかった私は、ここで・・・と覚悟を決めて待った。


そこに現れたのは、当時の神子であった。すでに70を超え

一人で歩く事さえままならぬ老婆がだった。


「そなたの第一子は神子となる定めじゃ」

「そ、それはいつでしょうか」

「もう、そこにおるよ」


この国では、神子の力を受け継ぐものが生まれると、神子は神子の

力を失い。次の神子を産む母を保護する為に知る事がでるという。


子が産めないものと諦めていたシャラルにとって、子が成せる事と

すでにお腹にいる事は神子の力受け継ぐ我が子の生末よりも

単純に喜んだ。


しかし、産んですぐに神子は彼女の手から奪われ神殿へと渡る

王妃はせめてもと、何度も何度も神殿に通う事になる。


謁見こそ叶わぬ立場成れども、神殿ないでは女中に扮して

紛れ込み、草葉の陰から我が娘の成長を見たりもした。


そんな王妃を哀れに思い。王は神殿と直結する宮殿を作り

神子様の寝室をそこに置くことを命じた。


それが、現在ミりス王女の宮殿であり、王宮内部から奥に位置する

薔薇の庭園の先に存在する理由であり、庭園内にある休憩場所から

ミりス宮殿が一望できるようになっている。

薔薇の庭園から娘をそっと見る事が出来る様にとの配慮だった。


そして数年後、王妃は王子を産む。

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