Sunday
あーあ。つまんないの。
フリックフリック。
こんな三文芝居につき合わされていたと思うと............。なんか損した気分。
どれだけ、そう書いたって。
どれだけ、それを観たって。
それが現実になることは無いのだから。
「だってほら、実際SNSだって通じるんだし」
返ってきた返事は、何時も通り。他愛無い与太話だ。
土曜日は終わった。今日は日曜日だ。
一週間の物語、都合数ヶ月に紡がれた物語。三流のオチ。描いた悪意に潰されてしまう、虚構の作者の物語。
一週間の終わりの土曜日に、幕は下ろされた。
そして6日間は幕を閉じる..................。
はて。日曜日はどこへ行ったのだろう?
一週間の、最後のページは?
気になって、聞いてみた。
「一週間の終わりは、どうなるの?」
────1分。
────────5分。
既読すら付かないまま、時間だけが過ぎていく。
後味悪い待ち時間。
「おーい?」
コツン、と頭に何かがぶつかる感触。
と共に、知らない声がした。
唐突なのに、私はそれが元々当たり前にあった物だとでもいうような錯覚に襲われた。
『私は笑っていたかった』
明るい、底抜けに明るい声。
『私は、自由になりたかった』
凛とした、ただ舌ったらずな声。
後ろに、誰か居る?
『私は、認めてほしかった』
呑気な、だが憎悪に満ちた声。
『私は、選択したかった』
嘲るような悪意の声。
『私は、ただ見てもらいたかった』
どこかで聞いたような、平凡な声。
いや、幻聴だ。
『あの子は、笑いたかった』
それでもなお、耳から離れない声。
『あの子は、自由が欲しかった』
なぜ、この声がするのか。
『あの子は、認められなかった』
夢だ。悪い夢だ。
『あの子は、選択する勇気も無かった』
嫌だ。嫌だ。三文芝居に、名を連ねるのは。
『そしてあの子は、どこまでも空虚だった』
カチリ。乾いた金属の音。
終わりにしよう、もうこんなのは。貴方達が誰なのかは、私が一番分かっているから。
『あの子』が誰なのかは、私が一番知っているから。弱くて、弱くて、あぁ耳障りだ。嫌だ。
耳をふさいでも、その声は内側から聞こえるんだ。
『なのに君は、どうしてそんなに幸せに笑っているのかな』
アナログテレビを切ったように暗転する世界。
『私たちはいつも、貴方の側に』