1-1 迷子系少年
必殺!初日ブースト!
「まいどありー!」
肉屋で今日最後の買い物を済ませて夜の街を歩く。
活気に溢れたこの街の至るところから会話や店員の声が聞こえてくる
ああ…今日も平和―
「だーかーらー、足りねーんだよそれじゃあ!」
「でも…これしかなくて…」
―と思ってた時期が俺にもあった
トラブルの類いはまあいつもの事なのだが、なんとなく気になったので足を止めて声の方を見てみる
「一泊相場は銀貨15枚!5枚足りないんだよ…」
「でも…」
一人は店員、だんだんイライラしてきたのか声が荒い
もう一人は少年…11ぐらいだろうか、荷物は持っておらず服も良いものとは言えない。
「でもじゃねーよ。冷やかしならさっさと帰れって」
「…だけど」
「だけどじゃねーよ!」
マズイ…止めた方が良いかもしれない
急いで近づいていて少年の肩を叩く
「君」
「っ!?だ、誰ですか?」
「宿を探してるのか?だったら狭いけど家に来ないか?」
「い、良いんですか…?」
「ああ、構わない」
このままほっといてその辺で襲われたりしていても目覚めが悪い。だったら俺が少しだけ面倒見てあげた方が良いだろう。
店員も願ったり叶ったりといった感じでもう何も言って来なかった
「…ありがとう、ございます」
彼はそう言って、わずかに目を伏せた
…夕飯の材料、足りるかな