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11@思い

「……ん、ふわぁ~……」

 外から人々が活動している声が聞こえてきて目が覚める。

 あくびをしながら体を起こし、ボクを挟むように寝ている千秋とシーナを見て昨日の出来事を思い出す。


―――――ユーリの不調を治すには性行為が必要なのよ


 千秋のこの言葉を聞いたときはあまりにも現実味がなさすぎてどこのエロゲーなのさなんて思っていたけれど、これは現実で、既にボク達の容姿は変わってるし。魔法も存在し、更に異世界も存在するという非現実的なものまでも現実だ。

 そう言ったあとの千秋の行動は早くて、千秋はシーナにこう言った。


―――――ユーリはね男の子よりも女の子が好きなの

―――――シーナちゃんは嫌かもしれないけれど愛玩奴隷の仕事を果たして欲しいの


 千秋がボクが男よりも女の子の方が好きといった時シーナは驚きながらも頷いていた。

 確かにシーナからしたら女の子が女の子を好きっていうふうに見えるけれど、ボクは元男だ。いくら体が女になったとしても、心がだんだん女っぽくなっていったとしても、男を好きになることはないと思う。


 シーナが頷いたあと千秋は、シーナにそういう経験はあるのか尋ねて、シーナはありません、と答えたあと千秋はこう言った。


―――――私もしたことはないけれど、知識はあるから私とユーリがしているのを見て覚えて欲しいの


 それからボクがなにかを言う暇もなく、シーナが見ている中で千秋とした。


 そして、千秋に抱きしめられながら告白された。


―――――私ね、ずっと優のことが好きだったの。例え優がユーリになったとしても私の思いは変わらないよ。でも今まで怖くて言えなかったの。もし受け入れてもらえなかったら、今までの関係までも壊れちゃう気がして……


 そこで一旦千秋は話を区切り、


―――――でも、もう大丈夫……。たった一回だけど、この思い出ができたから……


 そういう千秋の表情はとても悲しそうで、さみしそうで、そんな表情は見ていたくなかった。


 諦めていた気持ちが戻ってくる。昔、千秋からのスキンシップを受けて春が来た!? なんて思ってて少し後に犬や猫にするのと同じようなものと気がつき、諦め、忘れようとしていた気持ち。

 

 ボクも、千秋のこと好きだよ。


 ボクがそう言うと、千秋が驚いたのを確認、してからは記憶がない。



「………ん~、……ユーリ?」


 どうやら千秋が起きたようだ。

 千秋は大きなあくびをしながら体を起こし、僕の方へ顔を向け、目と目が合う。

 ボクは千秋におはよーと声をかける。


「ユーリおはよう」


 そう言うと同時に、千秋の顔が近づいてくる。


―――――チュッ

 そんな音とおもに唇に柔らかいものが触れる。


「えへへー、私のこと受け入れてくれてありがとう」


 そう言う千秋の表情はとても活き活きとしていて笑顔が眩しかった。




 その後しばらくしてシーナも起き、朝食食べた。昨日夕食を食べずにずっとしてたから……、朝食食べ過ぎちゃっておかみさんに驚かれたのは内緒だよ。

 朝食を食べているとき、千秋が教えてくれたのだが、この世界には迷宮が存在し、迷宮内にはたくさんの魔物が生息し、なおかつ迷宮外の同種よりもLvが高いらしく、Lvが上がりやすいとのこと。

 わかりやすく言うなら、迷宮の方がエンカウント率が高く、出現するLvも高いのでLv上げにはもってこいであるということ。


 そして、ボク達AWプレイヤーがこの世界に降り立つ時期に差があるということ。

 なんでも、千秋はボクがこの世界に降り立つ二週間前にこの世界に降り立ったらしい。そして、千秋がこの世界に降り立った頃からAWのプレイヤーと分かるような噂を聞くようになったらしい。

 

 そして、朝食が終わり、宿代を払ったあと、宿の外で千秋に話しかける。


「今受けてる依頼が終わったらボク達は千秋が教えてくれた迷宮都市に行ってみるよ。少しでも早く強くなったほうがいいだろうからね」

「うん、じゃあ、私は勇者の仕事に戻るね。勇者の仕事が一区切りついたら私も迷宮都市に向かうね」


 そう言って、宿の前でボク達は千秋と別方向へ歩き出す。


 


 昨日の襲撃の教訓を生かし、今日は人通りの多いところを歩いて北門へ向かっていた。

 まぁ、今は今までのように体の動きが鈍かったりなどはなく、逆に調子がいいくらいだから、昨日の相手程度なら負けないだろうけど。


「さくっと終わらせて、明日出発できるように準備しよう!」

「はい!」

  

   

 森に入って20分程経ったとき、少し離れたところにオーガ7匹を発見した。敵はまだこちらには気がついていないようだ。

「シーナ!」


 そう言うと同時にどのくらい調子が良くなったのか確認のため、普段使わない無詠唱で『風刃』をオーガがいる方へ対象が単体から複数になるように範囲を横に広げて発動させる。


 オーガはこちらに気がついていないため、身構えることもできずに『風刃』をもろに受け、一番ボク達に近いところにいたオーガ一匹を倒し、数匹のオーガに傷を負わせることに成功する。


 いつもより、発動が早い! それに、制御もいつもより細かくできてる。


 この一撃でボクの不調が完璧に治って、逆に好調になっていることが確認できた。

 そして、こちらに気がつき、向かってくる敵。


「氷よ、すべてを貫く、槍となせ『氷槍』」

氷よ、すべてを貫く、槍となせ『氷槍』


 声に出してひとつの魔法を詠唱し、もう一つは心の内で詠唱し、二つの魔法を同時に発動させる、同時詠唱を行う。

 

 何十本もの氷でできた槍がこっちに向かって来ているオーガに降り注ぎ、ほぼ全てのオーガの息の根を止め、数本の氷の槍に貫かれながらも、運良く急所を外れ生き残ったオーガに『風刃』で止めを指す。


「す、すごいです! さすがユーリ様です!」

 

 敵を全て倒したことを確認すると、シーナがこっちへ向かって来てそう言う。


 本来、『氷槍』にはあそこまでの効果はない。しかし、同時詠唱で同じ魔法を詠唱すると、あのようにその魔法を強化することができる。


 


 その後、シーナに詠唱破棄や二重詠唱、同時詠唱、無詠唱などについて教えながら街へ戻り、ギルドへ依頼達成の報告へ行ったあと、野宿に必要なものを買い揃えたあと、宿に戻った。


 トイレに行って部屋に戻ってきたら、シーナが裸で待っており、ボクを呼ぶ声。

 すぐに服を脱ぎ捨て、シーナに抱きつく。


 そのまま、夕飯を食べずに夜遅くまでシーナと行為に浸った。



次から次章に入ると思います。


なので今回は少し短めでした。

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