村野と無礼者
エピローグ編の最終回です。
が、まだ続きま〜す♪。
こんなに気持ち良い朝は何日ぶりだろうか?川のせせらぎと共に鳥の鳴き声が聞こえる。温度良好、体温安定、血圧上昇…うん、最高だ。さぁ、立ち上がって
…人がいた
「えっ、え?なに?誰?ああッ!田中さん!?うそ、本物?え…う、うわー!!スゴい凄いすごい!田中さんだぁー!あ、まさか私の命を!?うわー!こえー!でも格好ええー!あ、サインもら…」殴られた
太陽が頂点を目指し登る昼前に殆ど人影の無い堤防の橋の下、向かい合う様にして座る二つの人影があった。
一つは愛内の物で、一つは高校生ほどの男の物だ。男の背丈は標準で、愛内よりも少し高い程度。
「…、つまり金も家も無くして、行く宛もないから歩いてたら丁度良く毛布があって、疲れたから寝た…て事、か?」
「そうなるね。」
そうなるねって…一応人の布団勝手に使ったんだから、
普通最初に謝るんではないだろうか…せっかく謝りやすい様に話の流れを調整してたのに見事その頑張りも無駄に終わってしまった。
「ねぇ君。」
女が少し声を弾ませて問い掛ける。
なんと不法侵入者に『君』呼ばわりされてしまうとは…。
幼く見えるのだろうか?少し残念…。
…いや、まてよ!実年齢より若く見られてるだと!?何という事だ、俺の青春はまだ終わってなかった!なぜって?どうしてかって?それは俺、まだ若いから!!人生長いから!自分で言うのは簡単だけど、他の人が言うんだから間違いない!←(もう古いのか!?)俺若い!俺若い!俺(以下無限機関突入)
「おぃ、」
いつの間にか女が隣に座っていた。移動にも気づかないとは、俺の集中力も大した物だ。…決して妄想壁という訳ではない。
「君の名前はなんていうの?」
そういえば人に名前を聞かれるのは久しぶりだな、と思いつつ
「…村野。」
正直に答える、嘘をつく必要はない。
「私の名前は愛内。」
「そうか。」
聞こうと思ってたのだが先に言われてしまった…。名前を聞かないのは失礼だっただろうか?いや、こいつは不法侵入した上、初対面でタメ口を使い俺を君呼ばわりした様な奴だ。礼儀は要らない…多分。
「宜しくね。」
「あ?…、あぁ」
愛内の手を取り握手する。
…この握手が今後の人生を変えてしまうなんて…
この頃の俺は考えもしなかった…
でも少しだけ予感はしていた。
今日は一学期最後の登校日である
これから愛内と村野の生き残りをかけた←(大げさ)生活が始まります。乞うご期待!