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約束

目を開く


目の前には男がいた。必死な形相で私の肩を掴み揺さぶっている。


「約束しろっ!約束だからな!!絶対に守れよ!!!」


私は真正面の男を見る。人間ってこんなに必死な顔できるのかってくらい必死な表情だった。男の顔は焦りか怒りかわからない。恐怖や悲しみは感じられない。ただとても必死だった。


「約束しろ!約束しろ!約束しろ!約束だからな!!」


私は逃げたかった。でも目の前の男は私の両肩を両手で掴んでいる。逃げられない。肩を掴む手には力が入っているのがわかる。恐ろしくて目の前の男から目が反らせない。


「約束だ!約束しろ!約束しろ!絶対に約束しろ!守れよ!!」


何を約束するのかわからない。約束の内容がわからない。わからないから怖い。目の前の男も怖い。目を離せない。


男はずっと大声で怒鳴るようにというか怒鳴りながら私に約束を迫った。私は怖くて固まって声を発することも頷くこともできなかった。


急に視界が暗転する。


再度目を覚ますとまだ日は登っていなかった。胸がドキドキして冷や汗が止まらない。


私はリビングに直行する。母が起きていた。私は約束男の事を母に話した。

それはもう恐ろしくて怖くて必死で約束ばっかり迫ってくる変な男がいたのだと。どれだけ私が怖かったのか言葉を尽くして母に説明した。


でも母はテレビを見ながら適当にしか返事を返してくれなかった


「良かったね悪い夢、人に言って。今日お盆初日だから約束しないで正解だはずよ」


「約束してたらどうなってたと思う?」


「連れていかれたんじゃない?」


私はその日は眠れなかった。

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