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 それから3日後アルフレッドさんに料理を教わることになった。

 その日は店を休んで教えてくれるという事でアルフレッドさんの店へ来ている。

 1日店を休んでまで教わるのは気が引けたが、先日の依頼料代わりになるんだから問題ないと言われたのでその言葉に甘えた。

 そして2人で厨房にいる。厨房は元の世界の飲食店の様に鍋や皿が積んであったり、コンロ代わりの魔道具があったりしたが、一番驚いたのが冷蔵庫代わりの魔道具があった。

 かなりの大きさで、中は魔石を使って氷魔法で冷やす仕様らしい。一般家庭では置く場所もないし、魔石の消費も結構馬鹿にならないので普及してないらしい。ただ飲食店には必要という事で大体どこの店でもあるとの事。

 そりゃそうだよね、食材を全部が全部その日で使い切れるかわからないし。そう言えば冒険者ギルドでも解体場にあった気がする。

 

 とりあえずアルフレッドさんにはこの辺りで良く食べられている料理を教えてもらう事に。

 教えてもらうほとんどが炒め物かスープ、もしくは焼き物だった。まぁそうなるよね。揚げ物はないのかと思ったけど油結構使うし、植物油とかって普及しているのかな。料理に使う油って基本脂身を火にかけて出てきたラードみたいなものだった。

 動物油だけで揚げ物するのは集めるのも大変だろうしね。

 使われている肉はホフラビットが多い。簡単に狩れるし、それなりの味だ。後は他の魔物肉も少しはあるみたい。

 そう言えばと思って卵や乳の事を質問する。

 するとそれなりに流通していると言われた。町の隣に養鶏所と牧場があるらしい。

 卵を見せて貰うと元の世界と同じ大きさぐらい、真っ白な卵だった。こちらの世界ではニワトリではなくコケッコという動物が飼育されているとの事。名前が違うだけで多分ニワトリなんだろうな。

 乳もギュウギュウという動物が飼育されていてその乳だからギュウ乳らしい。それは流石に・・・。

 異世界の勇者が広げたかと思ったらそれより前からそう言われていたと。本当にそうなのか?まぁいいけど。卵と牛乳がこの世界でもあって同じ名前で同じものっぽいならそれで構わない。

 詳しく知りたいなら卸してくれている人を紹介すると言われたのでお願いした。是非とも色々聞いてみたいし、可能であれば購入したい。影の中にしまえば時間経過もないからいつでも飲食出来る。

 牛乳からだとバター、生クリーム、チーズとか出来たりするはず。バターとチーズはありそう、ただ生クリームはどうだろう。生クリームは冷やして振るとか必要だったかな。

 牧場とかでも手作りバター体験とかチーズは聞いたことはあるけど生クリームは聞いたことない。

 アルフレッドさんに聞くとやっぱりバターとチーズはあるらしい。市販であるなら買えばいいかな。自分で作るって言うのも大変そうだ。


 それから僕が持っている香草や香辛料をアルフレッドさんに渡してみた。これを何か料理に使えませんかってことで。

 アルフレッドさんは驚いていた、これだけ揃えようと思ったらかなりの金額になるとのこと。僕の場合は自分で集めたものだし、一度採取したものはいくらでも取りに行ける。遠慮なく使ってもらって構わないと伝えると試すので数日欲しいと言われた。

 こちらとしては別に問題がないがまた時間を取ってもらうのが申し訳ないと伝えるが、料理人としてこれだけ材料があれば色々と試したみたいと言われた。

 なにか前考えていた通りになったな、と思いハニービーの蜂蜜も渡した。これでスイーツ系も作ってくれないだろうか。料理に使うだけでも更に美味しくなるのかもしれない。

 アルフレッドさんはもっと頭を悩ますことになった。他の飲食店の店主にも声を掛けてみると言っていた。う~ん、なんだか大事になってきた気もするぞ。ただ今更なかったことには出来なさそうなのでお任せする事にした。

 今日の時点でもそこそこの数の料理を教えてもらえたしね。簡単な工程のものを選んでくれていたのかもしれない。

 また数日後に伺うことにした。

 

 その間はどうしようかと思ったけど市場に行ってアルフレッドさんに教えてもらった料理に必要な食材を買ったり、近くで取れる香草や香辛料になる植物などを採取しに行った。

 後雑貨屋に石鹸を見に行ってみたが高価だった。他の人はどうしているのか聞くと代替品があるとの事。その名もシャボン草。その茎を切るとトロミのある液体が出て来て擦ると泡立つ。花を一緒に揉むようにすると良い香りもする。その草花が石鹸の代わりになるらしい。

 何とも出来過ぎな気もするが、元の世界でも石鹸の前に使われていたのは植物から取れる樹液というかそう言うのだった気がする。深く考えても仕方がない、現物を見たのでそれも見付けたら採取していった。

 冒険者ギルドにオークキングの討伐報酬金をもらいに行ったりもした。色々と使ってるからまとまった収入はありがたい。

 これでこの町留まる必要は無くなった。ガルのテイムも認めてもらったし。ただアルフレッドさんとの約束もあるのでそれが終わってからかな。


 数日後アルフレッドさんの店に行くと、見知らぬ顔のおじさん達がいた。聞くと近くで飲食店をしている人達らしい。アルフレッドさんが声を掛けて皆で色々と試作を作ったみたい。

 教えてもらった料理はどれも美味しかった。煮込み料理も味の幅が広がったというかコクが出たというか、前に教えてもらったものより味は数段上だった。

 そして試作品を食べ終わってから言われたのは香草や香辛料を売ってくれ&定期的に取って来て欲しいとの事だった。そう言う事になるって考えてなかったな。

 持ってる分を少し渡すのは問題ないとして、今度も定期的にというと難しい。そもそもこの町に居つくつもりはない。

 その事を伝えると物凄くガッカリされた。だったらと持っている香草や香辛料の種を渡した。僕は木遁で育てれば手に入るから種もいくつか持っている。それを栽培してみたらどうかと渡したんだ。育つかどうかはわからないことはちゃんと伝えた。気候とか土壌が合わなければ難しいだろうしね。

 そう思ったら農業系のスキルを持っている人ならある程度育てられるらしく、その人にお願いするとの事。なるほど、そういうスキルを持ってる人がいるのか。それでも一から育てることになるから店で出せるまでの量を収穫しようとなればかなり先の話だろう。取って来てくれる人がいるなら、その方が早いよね。

 蜂蜜はかなり欲しがられた。栽培は出来ないから取りに行く以外できないし、その辺の冒険者には取りに行くのは難しいだろう。持ってる半分の量を売ることになってしまった。また取りに行かないと。

 その後はアルフレッドさんと一緒に牧場に行くことに。町に隣接してあるらしい。

 いつもと違う畑なんかに行く門を抜ける。その先にはかなり広い畑が広がっていた。かなりの規模だけど町の人が食べる分を育てようとなるとこれぐらいの規模になるか。

 畑の周りには堀や柵なんかが設置されている。それを横目に道を進んで行くとこれまた大きな牧草地が見えた。そこで草を()んでいるのは見たことのある白黒の牛そのものだった。あれがギュウギュウなんだろうな。

 そのまま道を進んでいると大きな建物が見えた。アルフレッドさんはその建物まで行って中に入り声を掛けた。

 すると1人の若者が奥から現れた。


「こんにちは、こちらが話した冒険者のクロさん。大変お世話になってこちらを見てみたという事だったから案内したんだ。」


「どうも初めまして、冒険者をやってるクロです。」


「これはこれは、私はここで働くユーグルと言います。」


 アルフレッドさんに紹介され挨拶する。

 ユーグルさんと言う人は年の頃は20代前半、黄色に近い金色の髪をしていて動き易いカッコをした好青年風。


「森とかで暮らしてたのでギュウギュウとか見たことがなかったので、間近で見させてもらうことは出来ますか?」


「えぇ、構いませよ。」


 そう言うとユーグルさんは色々と説明しながら案内してくれた。

 まずは牛舎だと思われるところを通って放牧場へ。放牧場には結構な数のギュウギュウがいた。大分のんびりとした空気が漂っている。ここだけ見ると元の世界の牧場なんだよね。

 放牧場の奥にはこれまた大きな建物があってそっちはコケッコが飼育されているらしい。うむ、完全に牧場そのものだ。


「あの、聞きたいことがあるんですが、ギュウギュウとコケッコって魔物じゃないですよね?」


 僕は疑問に思っていたことをユーグルさんに聞いてみた。ユーグルさんはキョトンとした顔をしていた。


「私は森の中で暮らしてた期間が長くて、魔物しかほとんど見たことがなかったですよね。ギュウギュウやコケッコってテイムされた魔物じゃないなら何なのかなって思いまして。」


「なるほど、そうなんですね。ギュウギュウとコケッコは魔物ではないですね。動物とされています。」


「その違いってわかりますか?」


「体に魔石があるかどうかだと聞いてます。なんでも昔の勇者が魔物を捕まえ飼いならし、子孫を作らせそれを交配していったみたいですね。そうしたら体から魔石がなくなったとか。そう聞いてます。」


「へぇ~そうだったのか。」


 アルフレッドさんが感嘆の声を出す。アルフレッドさんも知らなかったらしい。気にならない人には疑問には思わなかったのかもしれない。

 しかしあれだよね、品種改良って奴になるのかな。牛や豚なんかも掛け合わせによってブランド牛とか作ったりするし、それをこの世界でもやったってことかな。

 魔物が動物になるか。何となくだけど予想は付く。魔素なんかの成分が少ない餌を与えて、と言うのを続けて行ったのかな。多分体の中の魔素を固めたものが魔石なんだろうし。

 草食だったのも良かったのかな。肉食だと別の魔物食べようとするだろうけど、草食ならそう言う餌をスキルとかで作れるとか。

 これも僕の勝手な想像だから正解かどうかはわからないけど別にいいか。魔物と動物それぞれいるってわかったし。1つ謎が解けただけでも質問したかいがあった。

 後1つ。


「僕もギュウ乳や卵って購入することは出来ますか?」


「えぇ、勿論です。」


「大量に欲しいんですが大丈夫ですか。」


「まぁ事前に伺っていれば大丈夫だと思いますが、ただギュウ乳ってあまり日持ちがしませんよ。すぐに悪くなって飲めなくなります。」


「大丈夫です、僕以外に大量に飲む相棒がいますから。」


 ここはガルが飲むことにしておいてもらおう。実際に飲むかはわからない。後普通の牛乳ってあんまり飲まない方が良いんだっけ?元の世界の犬基準だけど。


「あぁ、あの大きさならかなりの量を飲むんだろうな。」


 アルフレッドさんがそう言う。


「こちらのクロさんは町で有名になってる大きな狼の魔物をテイムしている冒険者なんだ。」


「えっ、そうだったんですね。」


 ユーグルさんが驚きの声を上げる。


「今日は御一緒じゃないですか?」


「えぇ、ギュウギュウを驚かせてしまってもいけないと思って町の外に出てます。」


 そう、今日はガルを連れて来ていない。ギュウギュウだったりコケッコが驚いたり怖がったりする可能性があるから。それで乳の出が悪くなったとか、卵を産まなくなったとかになったら大変だ。


「そう、ですね。」


 ユーグルさんが先程と違って声が小さくなる。ユーグルさんもガルを見てみたかったのかもしれない。何となくだけどこういう所で働いてる人は勝手に動物好きだと思ってしまう。


「そういう訳でギュウ乳や卵もそれなりの量を買いたいと思ってます。いつ頃くればいいですか?」


「そうですね、出来たら3日後にでも。」


「わかりました、また来ます。後金額が分からないので金貨20枚分という事で良いですか?後先にお支払いしておいた方が良いですか?」


「そんなにですか、かなりの量になると思いますよ・・・。」


「大丈夫です。」


 影収納があるしね。


「支払いは出来れば手付金として頂ければありがたいですが。」


「でしたら半額の10枚お渡しして、残りは受け取りの時に支払いますね。」


 僕はそう言ってユーグルさんに金貨10枚を渡した。今の所そんなにお金使う事って少ないしね。色々採取したのを売って貯蓄もかなりあるし、買える時に買っておいた方が良い。次に購入できる機会がいつになるかわからない。それに大量にあればバターや生クリーム作りを試してみてもいい。

 なんにせよこれで牛乳と卵も大量にストック出来た。

体調不良などで更新出来ませんでした。

年末でもあるし、年内更新出来るかな

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