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 それから僕はガルを庇い倒れたグレートウルフの墓を建てた。土遁で穴を掘って埋め、その上に木の苗を植えただけだけど。

 ガルを庇っていたのは母親みたいだ。ガルはどこか悲しそうな目をして僕がやることを眺めていた。

 それも済みその場から離れる。ガルはもう気にしていない感じだ。魔物の死生観はちょっと分からないけど、引きずったりはしないんだろう。

 ガルが母親の魔石を喰おうとしていたのは本能みたいだ。そうするのが当然だと意識があり、後悔なんかもないらしい。そうして力を引き継いだりしてるんだろうか。母親も我が子が生きていけるように望んだはず。

 色々あって明け方近くだったので休もうという事になった。

 テントを立ててもガルが入れるほどの大きさはない。ガルは地べたで寝るらしい、今までもそうしていたし当たり前のことだって。自前の毛皮があるもんね。

 僕はそのガルに寄っかかって寝ることにした。別に重く感じることもないらしいので毛皮を堪能させてもらう。大きな動物に寄り添って寝るってあこがれだもんね。

 影の糸を周りに張り巡らせる。気配察知もあるしこれで大丈夫だろう。それでも危険を感じたらスキルが教えてくれるはずだ。

 そうして僕達は眠りについた。


 目を覚ました時には日がかなり高い位置にあった。ぐっすりと眠れた。寝てる最中気配を感じたがすぐにいなくなった。多分ガルを見たからだろう。

 この森の中で恐らくガル以上に強い魔物はいないと思う。正確な強さはわからないけど昨日戦ったヘルベアより強いはずだ。

 ガルも目を覚ましているが若干眠そうだ。夜行性なのかな。

 お腹が減ったのでご飯の準備を始める。そう言えばガルは何を食べるのだろう。魔石を食べる事は知っているが普通に魔物の肉も食べるんだろうか。

 聞いてみたら基本は魔物の肉を食べているとの事。魔石はたまに食べれるかどうかの頻度らしい。群れで狩りをするから群れの強い奴が食べるみたいだ。

 肉を調理した方が良いか聞いたが生肉でいいとの事。今まで焼いたことは無いみたいだしそれが当たり前なんだろう。

 グレイトベアの肉を出すと大喜びでかぶり付いていた。グレイトベアとグレートウルフか同じグレイトって名前でも少し違うのはわかりやすくするためなんだろうか。

 僕も自分のご飯を作る。朝と言うか昼だろうけど流石に肉を焼いてまでは食べようと思わなかった、だから鍋に野菜や肉を少し入れたスープを作って食べた。

 その後は僕が予定していたレクシアの町に向かおうと思う。色々と欲しい情報も出てきた。ガルを連れて町の中に入れるのかってのを知りたい。

 森の中をガルと一緒に歩く。背に乗せると言われたが遠慮した。木の枝が顔にぶつかるかも知れない。色々と聞きたいこともあるしゆっくり向かえばいいしね。

 

 歩きながらガルに色々と質問する。

 進化したことについて聞いてみたが当人も良くわかっていないみたいだ。恐らくだが自分より強い魔物の魔石なんかを取り込むと進化することがあるとか。

 持っているゴブリンとかの魔石を食べるか聞いてみたが特に食べたいとは思わないらしい。自分より弱い存在の魔石にあまり意味はないとのこと。

 一応体を維持するのに役に立つみたいだが、それよりも僕の魔力を貰った方が良いと言っていた。そう言えば魔力注入で他者や物に魔力を込めれるんだった。

 試しにゴブリンの魔石に魔力を込めてあげたら喜んで飲み込んでいた。定期的にこうして魔石をあげたらいいか。ただゴブリンの魔石には少ししか魔力を込めれなかった。魔石によって込めれる容量って変わるのかもしれない。それは何となくわかる気がする。魔石にもランクがあるんだろうか。

 何となく予想だけどガルよりも強い魔物の魔石に魔力突っ込んで与えたらまた進化するんじゃないかって。今でもそこそこの強さあるはず、もしそうしたらどうなることやら。

 影魔法が使えると言うのは知っているのでどんな魔法が使えるか聞いた。

 実際に見せてくれるという事で確認するとまんな僕の影魔法だった。シャドウランスやシャドウバインド、シャドウローブみたいに影の鎧を纏ったりしていた。

 それだけじゃなく爪を影で覆い強化も出来るみたいだった。なんかアレンジしてるし。

 やっぱりこの世界の影魔法とかじゃなくて僕の考えた影魔法を使うみたい。この世界の影魔法が実際どんなものかは知らないから確かではないけど。

 当たり前と言えば当たり前かも、僕が教えたというか継承したってことだろうし。僕の記憶を知ってる様だしね。そうなると使うのは当然僕の作った方になるだろう。

 そしてガルも魔法を使う時に詠唱なんてしていない。フンッ、とか吠えると影の槍が出た。魔法名さえも唱える必要ないんだ。魔力の操作だけで出来るんであれば僕にも出来て当然だよね。

 最近は影を動かしたり、糸出す位なら魔法名を唱える必要はない。自分の考えが正解だった様に思えた。

 しかし魔法まで使えるガルは相当上位の魔物になるんだろうな。MPが少ないから過度の連発は出来ないみたいだけど、それでも一撃必殺に近い攻撃だしね。

 自分の影から湧いて出てきた槍とか避けようがない気がする。遠くから火の玉や矢が飛んでくるのは訳が違う。死角から音もなく槍生やせるんだもん。

 1つガルを更に強化出来そうな案があるんだけど止めておこう。その内魔獣王とかになっても恐ろしい。 


 大分森の奥に来てしまっていたのかそれから森を抜けレクシアに着いたのは2日後の朝だった。

 町の前には僕1人。ガルには近くの森で待っていてもらうことにした。大分ガッカリしていたが仕方がない、まだガルが町に入れるかどうかはわからないんだから。

 ガルの心配はしていない。ガルに敵う魔物は周囲にはいないだろう。気配も消せる。冒険者を見付けても隠れて、襲ったりしない様に伝えた。

 町へ入る門の前には列があった。その列に並び自分の順番が来た時にギルドカードを見せれば簡単に町に入れた。冒険者になってよかった。この世界で簡単に身分証明が出来る。

 門番に冒険者ギルドの場所を聞くと真っすぐ行けばあると言われた。ミレディの町もそうだったけど冒険者ギルドはわかりやすい所に建っているのかも。冒険者は町の間を移動することが多そうだし。

 移動しながら町中を見回す。レクシアもミレディ並みに広そうだった。

 程なく冒険者ギルドに到着した。外観はミレディと一緒。冒険者ギルドの建物って統一でもされてるんだろうか、初めて来た人でもわかりやすい様にって。異世界人が冒険者ギルド作ったて言ってたし、そう意識してたのかもしれない。

 扉を開けて中に入る。ギルドの中もミレディと作りはほぼ一緒だった。若干狭い程度かな。

 朝だったからか冒険者ギルド内は結構人が多かった。もう少し時間をずらして来ればよかった。しばらく依頼書なんかを眺めて過ごした。ミレディとは少し違う依頼がある、当たり前と言えば当たり前か。

 受付カウンターが空き始めたので待ってる人のいないカウンターへ行った。見た所ここも受け付けは女性だけで明るい栗毛の女性がカウンターにいる。


「あのすいません、ちょっと聞きたいことがあるんですが。」


「冒険者の方ですか?それでしたら先にギルドカードの提示をお願いします。」


「あぁ、すいません。これです。」


 僕はそう言ってギルドカードをカウンターの上に置いた。


「Dランク冒険者のクロさんですね、それで聞きたい事と言うのは?」


 ギルドカードを手に取って確認してから受付の女性は聞いてきた。


「えっと、その、魔物って使役するというか、仲間にするというか、そう言う事って出来るんでしょうか?」


「それは魔物をテイム出来るかという事ですか?」


「あぁ、はいそうです。たまたま仲間が魔物の子供を拾ったみたいで、どうしようかと思いまして。」


 やっぱりあるんだ。これも異世界人の知識からかな。テイムって元の世界の言葉っぽいもんね。


「そうですか。可能は可能だと思います。ただ特殊なスキルが必要になるとか。使える人は少ないかもしれません。

 ですのでその拾ったという魔物をテイム出来るかはわかりませんね。」


「万が一テイムできたとして、魔物と一緒に町に入っても問題ないんでしょうか?」


「魔物をテイム出来た場合冒険者ギルドに申告が必要です。こちらでちゃんとテイム出来ていているか確認後問題なければ町に入ることが出来ます。」


「なるほど。」


 そこもやっぱり冒険者ギルドが管理しているのか。何か問題あったら冒険者が対応することになるだろうしね。


「その魔物は今どちらに?」


「町の外にいます。」


 何となく仲間が面倒見てる風な雰囲気を出す。実際にはガル一匹でいるんだけど。


「そうですか、しかし気を付けて下さいね。テイム出来て大丈夫だと思っていたらいきなり牙を剥いてくることもあるそうです。」


「この冒険者ギルドに魔物をテイムしている冒険者はいらっしゃらないんですか?」


「そうですね、今の所は居ませんね。昔はいらっしゃったようですが、テイマーと呼ばれる冒険者はどうしても周りの人に怖がられがちですから。」


「テイマーギルドとかはないんですね。」


「えぇ、聞いたことはありませんね。テイマーの集団として有名なのはブルガランド王国の天空騎士団でしょうか。騎竜士と呼ばれ、ワイバーンをテイムして乗っているそうです。

 テイムのスキルがある人はその騎士団に憧れて集まるそうです。」


 天空騎士団、騎竜士って。ゲームで良くありそうな騎士団名。これも勇者が付けた名前なんだろうか。割と何でもかんでも勇者とか異世界人が関わってる気がする。

 

「わかりました、ありがとうございます。」


「よろしいんですか?こちらにその魔物を連れてくるとかは。」


「はい、一度相談してみます。」



 ガルとだけど。ただ僕としてはもうちょっと王都から離れた所でした方が良いような気がする。恐らく目立つだろうし。ガルは拾った魔物にしてはデカいし強そうだからな。

 元々誰かの使役していた魔物を譲り受けたとかの設定が良いかな。

 それから冒険者ギルドを出て商店が並ぶ通りに行く。野菜を買い込んだり、塩や調味料を見たり買ったりした。香草系は確認さえすれば自分で見付けることが出来る様になる。

 そこで胡椒を見付けた。そして物凄く高かった。やっぱり物流網がそこまで発達していないからか、嗜好品なのか高額だった。胡椒がなくても料理は出来るもんね。

 悩んだ結果少量だけ胡椒の実を買った。試したいこともあったし。それなりにお金を使ったからそろそろ何かしらの依頼を受けようかと思うけどガルを待たせているし。

 買った物を人のいない所で影にしまい町を出る事にした。一日も滞在していないけど仕方がない。買い物をしている時ここから東に町はあるのかと聞くと、馬車を走らせて7日位行った所にあると聞いた。次はその町を目指そう。

 町から出てガルの気配を探すと居場所が分かった。普通に気配察知を使うよりもわかりやすい。獣魔契約を結んでるからだろうか。

 無事ガルと合流出来た。ガルは寝ていたらしい。やっぱり夜行性なんだよね。

 それから東に行くことを伝える。ガルは僕の行くところに付いて行くだけと言うのでまた1人と1匹で早々に旅立った。

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