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今日から神様のペットです②

なにやら様子のおかしい自称神こと、ご主人様によって李空は姿を変えられてしまった。とにかくいろいろと気になることはあるのでご主人様にいくらか質問してみる。しゃべり方も少し変えられてしまったみたいだがこの際気にしては負けだと思ったのでもういっそのことスルーすることにした。内容自体は伝えられるので・・・


「ご主人様は私をどのようになさるおつもりなのですか?」


「ん~、それはね。私のペット兼使用人みたいな感じになってもらおうかなと思うんだよね。そのためにステータスとかも少し弄ったからさ、ほら。あ、ちなみに名前のところも少し弄っちゃったけどご主人様の命令は絶対!だっけ?だからいいよね、うへへ」


などと言ってさも当たり前かのように空中にステータスを表示させる。王国ではわざわざ道具を用いてやっていたが道具なしでも出来るなら早く言ってくれと李空は思ったが、実際は道具なしで表示できるのはカリナぐらいだというのを後々知った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

リナ  職業 メイド


Lv 20 (EXP 0/120)


HP 6740/6740  MP 23/110


ATK 20  DEF 8520


RES 30  SPD 120


適正魔法系統 水 炎 光 


所持スキル 翻訳 魔法アシスト 家事 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんか色々とステータスが書き換えられてしまっている。なんだ名前のリナって・・・。他にも職業が書き換えられていたりスキルが何やら変化していたり、一部のステータスが減少していたり防御力がとんでもないことになっている。


「名前はとりあえずリクだからリナちゃんに変えちゃった。他にも合体したときにレベルとかが減っちゃった。あと攻撃力はリナちゃんには不要だから減らしちゃった。あとリナちゃんがケガすることが無いように体力と防御力を適当に上げといたよ?リナちゃんに怪我があったら私が困るからね!」


などととんでもないことをあっさりと、さも当たり前かのようにご主人様はしてしまったようだ。力なく項垂れてがっくりとしているとご主人様から話の続きを言われた。


「まあそんなわけでリナちゃんは今日から私のメイド兼ペットということで。私がこの世界で生活するのを手伝ってね?」


「・・・はい、わかりましたご主人様」


恐らく抵抗する意味もないと思ったのでとりあえず了承しておいた。突然異世界に呼ばれ勇者として旅に出たら、なにやら勇者の話自体王族の罠だったようで、いざ旅に出たらご主人様に大敗し勝手に犬っ娘にさせられる。いくらなんでもあんまりである。


「それとリナちゃんにはメイドとして我が家で働いてもらうから!ふくりこーせー?とやらは問題ないから安心して働いてね!そして、うへへww、やっぱりメイドとして働くからにはメイド服を着てもらわなきゃね・・・」


などと言ってもご主人様が指をワキワキさせながらこちらへ近づいてくる。いくらなんでも不審者というか犯罪者極まりない。しかし私に逃げ場はあるはずもなく、成す術もなく着替えさせられてしまった。


「うぅ~、ぐすん。ご主人様は酷いです・・・」


一応着せられていた服を脱がされ下着まで丁寧につけられた。元男としてブラとパンツは全力で拒絶したが、神様から「私のメイドなんだから身だしなみもしっかりしてもらわないと」と言われ普通につけさせられてしまった。服も同様である。なんだかこのメイド服スカートが短いような気もするし少し胸がはだけすぎなような気もするが。しかし、ブラのおかげか胸にあるそこそこ大きな重りの負担が少しばかりは楽になったような気もする。あと着替えられているときに気付いたが少しだけ目線も低くなっているような気がする。服が持った時に少し小さく感じていたのはそのためだろうか。


「うへへ、リナちゃんえrr、似合っていますね。涙ぐむように泣くような顔つきをしていると興奮します。特注のメイド服も頼んでいて正解でしたね」


「・・・」


これからの生活が不安になる要素しかないまま李空、いやリナのメイド生活が始まった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「そういえばリナちゃんはどうして私のおうちに来たんですか?」


「いや、とあるお方を倒しに行こうとしたのですけれど、途中でご主人様の悲鳴らしき声が聞こえたので一応勇者として助けに行くべきと思いきたのですが・・・、どうしてこんなことに・・・」


「なるほど、そういうことだったんですね。実際は悲鳴というか逃げ出したことに驚いてしまっただけなのですがリナちゃんは偉いですね~、えらいえらい」


などと言ってさらっと私の頭を撫でてきます。そして耳をなぜか丹念に撫でられているような気がしますし、カリナ様がなんだかはぁはぁと息を漏らしながら不審者のように興奮してきているようなので確信犯でしょう。しかし、嫌なはずなのに私はご主人様の頭を撫でるその行為に次第と安心しきったのか、目を瞑って撫でられる心地よさを享受していました。


「ふわぁ、くすぐったいですご主人様」


「あら、リナちゃんも嬉しそうですね。私も満足です。これ以上リナちゃんを撫で続けたいですが先に家の紹介や仕事の話をしましょう」


と言われてはっと撫でられてふやけるような態度をとっていたことに気付く。それになんだか思考がおかしかったような気がする。危ない、まだ心を許したつもりは無いのに。とは思いつつもしっぽはぶんぶん降っていることにリナは気づかなかった。とりあえず仕事の話はこれからの生活に関わるので聞いておく。・・・、この生活から逃げれればそれが一番だが。


「まず仕事と言っても、部屋の掃除やご飯を作ってほしいです。ちょっと汚くするつもりはないんだけどいろいろと実験しているうちになんだか様子のおかしな部屋が出来上がっちゃって・・・、えへへ」

「あとは、ご飯だけど一応神様だからご飯無くても良いんだけど娯楽として食事を楽しんでみたいんだよねぇ。まあリナちゃんが私のために手作りでご飯を作ってくれると思うと・・・ふふふ」


なんだか様子のおかしいカリナ様にも慣れてきた。一応はこの変態主人と共に暮らさないといけなさそうなわけで若干諦めることにした。


「あとは家の間取りとかは実際に見ながら教えるよ。もし何か必要な部屋とかあったら言ってね!私が新しく作るから!一応リナちゃんのためにも、嫌がらない程度でご褒美とか上げるつもりだから期待してて!」


などと言っているが現時点でカリナ様のご褒美はなんだか嫌な予感しかしない。まあ来たらきたでその時である。すでに理不尽を受けているので諦めがついてしまったようだ。


「それと外出るのは私がいるときじゃないと禁止ね!なにかあったら困るし、リナちゃんを束縛する・・・、なんかエッチだなぐへへ・・・、まあそれはまだ早いから制限かけたくないためにもね?」


外出るのに自由が存在していない時点でほぼ軟禁みたいなものではないだろうかと思ったが黙っておく。


「とりあえず部屋を見て回ろっか」


「そうですか、承知しましたご主人様」


とりあえず受け答えだけしておく。メイドの仕草など知っているわけないが何か言われない限りは問題ないだろう。カリナ様に言われた通りにまずは寝ていた寝室から出るといきなりゴミ屋敷といわんばかりの光景が広がっていた。「ははは・・・」と少し乾いた笑いが出てしまう。なんかよくわからない素材や道具、いろいろな布などが散らばっている。


「えへへ、なんか気が付いちゃったらこんなことになっちゃってたんだよね・・・。」


「どうしてこんなことになるまで放置していたんですか?ちょっと衣服が散らかり過ぎてるのもちょっと・・・」


女性にそんな耐性ががっちりとあるわけではないので、部屋の中に女性ものの下着などが散らかった状態で散乱しているのは少し恥ずかしい。が、それを顔に出すのはからかわれそうな予感がするので表情を押し殺すことにした。


「いやあのね、わざとじゃないんだよ?とりあえず明日直そうとか思ってたらどんどんこの状態になっちゃったんだよ。だからお手伝いしてくれる生き物が欲しいなぁとか思ってたらちょうどリナちゃんが来てくれたからさ」


手を顔について溜息を吐きたくなる。そういえば外につないでいた馬や自分が所持していた道具はどうなっているのだろうか。衝撃的なことが起こっていたせいで完全に頭から抜け落ちていた。


「この部屋の掃除は早急に済ませるとして・・・、そういえばなんですけど、私が意識失ったときに外に馬とかを繋いだままだったり、道具を置いたままだったんですがどうしたんですか?」


「ああ、あの茶色い生き物ね?あの生き物が住みやすいように建物を用意してあげたんだ。あの馬はリナちゃんが私がいないときに勝手に外に出ないか監視してもらおうかなと思って。道具はよくわからないから同じ場所に置いてるよ。あとで取りに行く?」


・・・、なんか勝手に馬も所有物化されていないだろうか。まああの馬は王国からもらった(借りた?)わけで自分の馬かというと怪しいわけではあるが。ただ、道具を取りに行くという名目で外に出るタイミングがあるようだ。なんか自然とここの仕事をする体で話を進めてしまったが理想は逃げるのが一番な気がする。ここだと色々と不安しか残らない。まあ逃げたとしてこの豊満な体でいったいどうするのかという話だが。そもそも明らかに人間ではなく半獣人みたいになっているため何らかの問題も起きてしまいそうだ。


「一応取りに行きます。どこかで役に立つかもしれませんし」


「まあいったん部屋を見て回ってから取りにいこっか。といっても他に部屋はこの散乱している部屋以外だと、私の実験室と私の部屋と食事を作る場所、あとはさっきのとりあえずベッド置いてた部屋ぐらいしかないんだよね」


「なんか色々と雑ですね、ご主人様。神様とかいう人の部屋や家とは思えませんね」


「うぅ~、なんだかリナちゃんが辛辣だ!まあこれをどうにかするのがリナちゃんに託した仕事だね。もしこの部屋をどうにかする時や新しい部屋が欲しい時はさっきも言ったけど言ってね!私の力ですぐに増設してあげる」


またとんでもないことを言っている気がする。この汚部屋の問題や自分の部屋・・・、いや居座るつもりは無いのだが、などの問題はあるがとりあえず外に出る許可が汚部屋をどうにかしたらもらえそうなのでまずは整理整頓をするしかないかと心に決めた。


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