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今日から神様のペットです

「あちゃ~、やりすぎちゃったな。勢いあまって目の前にいる人間を突き飛ばしちゃったや」

「まあでも実験に失敗したものではあったけど、私のペットのお試しに傷をつけれる人間もいるのねぇ~」


などと、李空の目の前に立つ女性は独り言をぼやく。目の前の気絶している人間は多少興味があるが対してそこまでといった感じで、李空が苦戦していた彼女が作ったモンスター(彼女はペット用にしようとしていたが逃げられそうになった)をどうするかの方に興味が移りつつある。


「う~ん、人間を殺すレベルまで強いのはなぁ・・・、なんというかペットという感じがしないよね。人間がよく言うペットっていかにも強くなさそうな印象だしもうちょっと弱くするかなぁ」


などと言っているとそこにフードを被った少女が息を切らしながら出てきた。


「はぁはぁ・・・、何か戦闘が行われている音がしたので駆けつけましたが間に合いは・・・してないみたいですね。お久しぶりですカリナ様」


「ん~?君は・・・、あぁ~!あの強い子の部下の子か!ネイラちゃんだっけ?おひさ~」


モンスターと人が一人、血を流しながら倒れていて普通に見たら地獄みたいな絵面で暢気に過ごす女性。彼女こそアメリアの言うところの策であった。実際問題その策は成功ではあったがまだ二人とも倒れているのが勇者というのには気づいていなかった。


「そこの倒れている男性はカリナ様が殺ってしまったのですか?」


「いやいや、まだ殺したって決めつけないでよ~生きてるかもしれないじゃん?」


と言ってカリナと呼ばれる女性は、さも当たり前のように李空のステータスを空中に表示した。ネイラはその存在しない魔法なのか技術なのか分からないものを使ってくるカリナの様子に少しげんなりする


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

月足 李空  職業 勇者


Lv 70 (EXP 132/800)


HP 20/400  MP 18/200


ATK 270  DEF 240


RES 30  SPD 180


適正魔法系統 水 炎 光 


所持スキル 翻訳 火力全開 魔法アシスト 

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「ほら見て、ネイラちゃん。まだ死んでないよ?」


「いや確かにそうなのですが・・・、ってあれ、勇者?」


ネイラはこの男性が虫の息ながらも生き残っていることに驚いたが、ふと職業の表示を見たら勇者とあるではないか。


「ああ!この男性が勇者でしたか」


「あれ、ネイラちゃんの知り合いさん?」


「いやこのような男性は知らないですが、この男性の件でアメリア様からあなたへと用があるということで用件を伝えに来たのですがこのようになってしまったようなので・・・」


カリナからの軽い冗談に低いトーンで即座にネイラは答える。ネイラはアメリアさえいれば良いのだ。このような男など用はない。アメリアのように可愛い女の子ならまだ考えてやらないこともないが。


「あら、アメリアちゃんから。そうなの、その用件って?」


「詳しいことは私も理解していないのですが、近隣国であるヒラシア王国が私たちのアストレア領に勇者なるものを寄越しに来たのでその討伐をカリナ様に頼みに来たのです」


「えぇ~、何か面倒くさそうだね・・・。といってもやっちゃったわけだけど私この人どうしたらいいの?」


「そこで本題です。アメリア様が勇者をどうにかしたらお望みのペットにでも何にでもするといいとのことでした」


「”え”、ほんと!さっきこの人にお試しでペットにしようとしたワンちゃんが傷ついちゃったからどうしようかなぁって思ってたんだよね。せっかくだし、この子とワンちゃんで色々と試してみようかな?」


どう見てもワンちゃんではなく狼に見えるし、「えへへ、どうしようかなぁ~」などと言いながら何だか不穏なことを言い始めるカリナに軽い恐怖を覚えるネイラであったがとりあえず用件は伝え終わったので帰ることにした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ネイラがいなくなった後、女性は「ゲヘヘw」と見た目にそぐわない笑い方をして目の前の自分が原因で死にかけになった李空のことをどうしようか悩んでいた。


「とりあえずは、ワンちゃんと一緒に我が家に持っていこうか。どういう風にしちゃおっかなぁ~。やっぱ可愛い感じで私の手伝いしてくれる人がいいよね?えへへ」

「お手伝いの人かぁ~、空から見てた時に何か参考になりそうなのは何かあったけなぁ~、そういやあれがあるか。ワンちゃんみたいな感じで私についてくるような感じにしちゃおう!」


などと女性はぶつぶつ言いながら家の中に入っていった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


なんだか不思議な感覚がする。

自分は目のすごく強い狼と戦っていたがそのあとの記憶があやふやである。まだ体の感覚がはっきりとはないが、なんだか体が少し違和感を感じる。そう、まるで自分の体がまるで改造されたいるのかのような・・・


「うわぁ!!!!!」


がばっと急に目が覚めて起き上がるとそこは、布団の上であった。さっきまで森の中にいた気がするのだがここはどこなのだろうか。ふと立ち上がろうと思ったがなんだか体の感覚がおかしい。全身の体が柔らかいと言ったらいいのだろうか。そういった感触がある。他にも、なんだかお尻のあたりによくわからない感触がある。何かお尻に敷いていたか?さらに頭も少し重い。なんというかさっきまでより少し後ろにものがある感覚がある。頭にもなにかあると重いって手で跳ねのけようとした。その手は男の手の割にはあまりにも色白で、華奢で・・・?頭のものを跳ねのけようとしたが完全に跳ねのけられていないようでサラサラとした絹糸のような髪が目の前に流れてきた。髪?自分の髪は目にかかるほど長くはなかったのだが。


「何だこれ?・・・んっ?!」


と、ふと声に出したら鈴のような声が聞こえた。まるで自分の声じゃないような。


「あー、あー。・・・やっぱり自分の声みたいだ」


再度試しに出してみたが自分の知っている声ではないが、自分が言っている声で間違いないようだ。


「どういうことだよ」


と頭に手を伸ばして悩もうとしたところ、頭の跳ねのけられなかったものがふとふにっという擬音がなりそうな感じで触れた。とても柔らかい。触り心地が良くてずっと触っていたくなるようなぬいぐるみのような感触だが、その感触が自分の頭からも感じるのだ。


「????????」


頭の中が疑問でいっぱいになったころそいつは突然扉を開けて倒れるように入ってきて、そして勢いよく倒れた・・・、なんだかこの慌て方は先ほどの戦闘の時に見たような気がする。この慌てっぷりとコケてる割には汚れが一切見当たらない白のTシャツでだらしない感じの服装は・・・。


「いてて、よかったぁ~。日は跨いでしまいましたがなんとか目覚めてくれましたね。私の新しいペットさん!」


「ペット?ってお前はさっきの!」


そうだこいつは・・・、思い出したぞ。先ほど自分を吹き飛ばした張本人じゃないか。そう思い魔法で攻撃しようとしたが、微かに火の粉がぷすっと出る程度で何も起こらなかった。


「も~、攻撃的過ぎですねぇ・・・。少し前に強めの魔法を撃ったのでおそらく魔力切れに近い症状を起こしているんだと思いますよ?ちなみに体力も少なくて危なさそうだったのでワンちゃんと合体させてみました!!どうです?すごいでしょ?」


「は?これお前のせいかよ!犬ってもしかしてあの狼のことか、もしや頭の感触や尻の感触って・・・」


「はい、もちろんそのピンとたった耳や布団で隠れて直接は見えないですけどそのふさふさとした大きなしっぽはそうですよ。えへへ、今すぐ触りたい・・・、じゅる」


何だかやばそうなやつだが、命の危機を救ってくれたのは確かなようだ(そもそも命の危機が訪れたのはやつが原因だが)。だとしてもこれは受け入れられない。抗議しようとしたその時ふと、とんでもないことを告げられる。


「あと、合体させるときに隷属のバングルがあったんですけど邪魔だったんで壊してしまいましたが大丈夫でしたかね。ん?今気づきましたがもしや、私のために隷属を誓うために付けててくれてたんですか!?えへへ~、そうならそうと言ってくださいよ、ヘヘ」


そう言われて左腕に付けていてはずのバングルを見てみれば跡形もなくなっている。国王にさりげなく渡されたバングルは隷属の呪いが入った呪いの道具だったようだ。気付かずに付けていたがもしかしたらとんでもないことに巻き込まれてしまっていたのかもしれないと気付いた。


「あ~、いや。お前が助けてくれたのは抗議するがどうしてこんな姿にしたんだ!」


「ん~、主人に対する口調がなっていませんね・・・、まあそれは後でいいとしてなんでかって言ったら可愛い女の子が欲しかったからですね」


と言われ、「女・・・?」とつぶやく。ふと下を見るとそこそこご立派な物体がついていた。


「?!?!?!」


さらに下の方に手を伸ばせば今まで確かにいたはずの棒がいなくなってしまっていた。


「ない・・・、いや胸は要らないけどあるが・・・」


などと絶望していると、女性がふと思いついたかのようにしゃべり始めた。


「そういえば人間は初めて会ったら自己紹介するんでしたっけ?私は(自称)神様です!元々は天界で空から皆さんを見ていたんですけどいろいろとやらかしてしまいまして・・・、地上で謹慎処分を下されたのでここで一人で暮らしてます。呼び名は~、そうですね、カリナとでも呼んで・・・、いやカリナ様か御主人様って呼んでいただけると」


「かっ、神?あとその呼び名は断固として否定する!」


「むぅ~、強情ですね。ならばこうしちゃいます!」


などと言って自称神が何かを唱え始めると急に目の前がぱっと光り、一瞬頭の中がズキンと痛んだ。やがて光がやみ、文句を唱えようとした。


「一体何をするんですかご主人様!って、うん?!」


自分が言おうとしていたことと、実際の発言が書き換えられていて思わずびっくりしてしまっていた。カリナ様はいったい何をするんだと思ったがそこで頭の中まで呼び方を書き換えられていることに気が付いた。


「うんうん、いいですねぇ~、私が求めていたものはこれですよこれ!くぅ~、興奮してきました!やっぱり使用人といえば敬語でご主人様というのがセットですよね。わざわざ書き換えの力を使って正解でした。しばらくは使えませんが問題ないでしょう」


目の前にいらっしゃるカリナ様・・・、もうこの際呼び方はなんだっていい。とにかくご主人様が本当に神様のようなお方だということは理解してしまった。わざわざこんなことに謎の力を使う神様に呆れつつ、自分はこれからいったいどうなってしまうのだろうか若干恐怖に震える李空であった。

やっとここからが本題みたいなものですね。

とりあえず1日で100PV行きました。ありがとうございます!次は1日500PVぐらいを目標に読んでもらえるように色々と内容を思考錯誤していきますのでまた次回以降も読んでくださると幸いです

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