始まりの町③
この話までがあらすじの冒頭部分みたいな内容です。
村に入ったは良いものの本当に何も特徴といった特徴がなさそうな街だ。少しばかり老人が多そうで働き盛りの若手が少なさそうな町である。元の世界でも超高齢化社会だなんだとあったが、地方でさびれた町があるのはどこの世界や時代でも一緒なのだろう。とりあえず情報収集がてらいろいろと情報を聞いて回ろう。その間は馬の休息にもなるしな。とりあえず小さな屋台を営んでいる元気そうな女性に声をかけよう
「申し訳ない、少し訪ねたいことがあるがいいか?」
「おぉ、いいよ。私はあんた見ない顔だね。外から寄り道かなんかできた人間かい?最近は国同士が仲が悪いらしくて人が少ないから珍しいものだね」
やはり人が少なかったのは王国と魔王とやらのいざこざに違いない。その被害みたいなのは通ってきた道にはなかったが。まあ道が整備されている以上、他の場所で被害が出ている感じなのだろう。しかしこの人からは言い方的にもあまり情報は望めなさそうな感じか。まあ期待するだけしてもしょうがないしな。
「一応名前は李空という。魔王とやらを討伐するように王国から言われてな」
「リクね?よろしく。それと魔王ねぇ、あの女王様のことかしら。でも討伐されるようなことしていたかしらねぇ?私が見ていなかっただけかしら」
? 魔王というから悪印象なのだろうと思ったがそうでもないのだろうか。まあとりあえずは向かってみないことには変わりはないだろう。程よく休息を済ませてまた再度出発の準備をするか。
「そうか、ありがとう。気になることはあるがとりあえずは質問に答えてくれてありがとう。このあとどの道を進めばいいとかあるか?」
「いやぁ?これといってはないよ。道なりに進んでいけばあるはずさ。ただ最近通りに新しい家が建ったようでそっちと間違えないようにね。誰だって勝手に家の敷地に侵入されたら困るからね」
「そうか、助かった。では自分は出発の準備をすることにするよ」
「そう?せっかくなら何か商品を買っていくかい?ちょうどみずみずしい旬の果物が入っておいしいよ?一個ぐらいどうだい?」
などと言われ食べ物を買わされそうになったが食べ物は、城の門番からある程度もらっており買っても腐らしかねないので相手に降りてもらうことにした。現地の食べ物は気になるが、リンゴっぽい見た目をしていて元の世界と同様に食べられそうであったが、がっつり青色で食欲が湧かなかったからというわけではない、決して。・・・、それはさておきとりあえず再度出発する用意は出来た。話をした感じ変な寄り道さえしなければ大丈夫だろう。
村を出るにあたってまたあの門番を見かけたがまた眠っているようだ。これで仕事になるのだから少々羨ましいような気もするがとりあえずはもう起こさなくてもいいかと思いスルーして村を旅立つことにした。
馬を再度連れて村を出たころフードを被った如何にも不審者然とした見た目の少女がキョロキョロと周りを見渡していた。さすがになにか鉄だろうべきだろうか。と軽く思っていたがこちらが話しかけに行く前にどこかへ行ってしまったようだ。・・・さっきまでそこにいた気がするのだがどこにいったのやら。とりあえず進んでいこう、ということで先へ進む。先ほどの少女は若干気になるが恐らくこのあたりは地元の人たちのほうが詳しいだろう。
もうしばらくすると少しだけ道が整備され切っていないのか若干草木が生い茂り視界の悪そうな道路になってきた。道に迷わないかが心配だが、ワニカタ村とやらの女性が言っていた通りにうっすらと見える道のりを進んでいこう。
・・・、しばらくしたが少し草木が生い茂り過ぎなような気がする。恐らくこの辺りは例の魔王とやらの住処の近くなのだろう。王国の手が行き届かず人の手が加えられていないみたいな状況になっているのだと推測した。すると少しだけ手の加えられている(とはいっても、誤差の範囲内程度だが)分かれ道が出てきた。どちらに行くかと思っていたらその分岐として出てきているような道から僅かに声のようなものが聞こえた。あまりよくは聞こえなかったが若干叫び声のようなものが聞こえた気がする。さすがにこれは助けに行ったほうがいいだろう。仮にも勇者として繰り出されたものが途中の人々を見捨ててきたというのがあると印象が良くないように感じる。なにかあればせっかくの力を確認する機会だと思ってその道を進むことを決めた。
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「はぁ、このあたりだとは思うのだけどどこら辺に家があるのかしら。転移魔法が優秀で行ったことない場所にも一発でいければアメリア様からの仕事にも文句も出ないのですが、無茶ぶりもいいところです。まあ私だからすぐに探せるでしょうが・・・」
ネイラはアメリアから押し付けられたような仕事をこなしていた。転移魔法は一度行ったことある場所にならすぐに行けるが言ったことのない場所では使えないのである。ところで、途中珍しくここの道を通る人間がいたが面倒なので相手がこちらへ関わってくる前に早めに転移で場所を離れておいた。
「しかし、どこにあるのでしょうか・・・」
「私も大人しく道を歩いて探すことにしましょうか。その方が時間は掛かるかもしれませんが確実でしょう。とりあえず勇者とやらよりは先につかないとですね。どうせアメリア様の対策も碌なものではないような気がします」
などと思っていると突然キーンと、金属がぶつかる音が聞こえてきたのでメリアはそこに向かうことにした。
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僅かな声が聞こえた方向を道のりに進んでいくと家らしきものが見えた。おそらくここが音が聞こえた場所なのだろう。途中で馬から降り一人で見に行くことにした。馬がいても家の中に突っ込むとかいうことはしないので留守番することにしてもらう。家の様子を観察していると、家の中から若干煙のようなものが出ており何かがあったことは明白である。そう思い、家の前に進もうとすると突如横から嫌な予感を感じとっさに後ろに下がった。刹那、狼のようなモンスターが爪を突き出して襲ってきた。あのまま立っていたら首を掻っ切られていただろう。いきなり命を狙われ、軽い実戦などと言ってスライムレベルしか倒していなかった李空は戦々恐々する。
「いきなりやばそうなやつが来たな。道にはモンスターらしきモンスターがいなかったのに急にここにきて出てくるか。とりあえず目の前の敵に対処しないと」
などと思っているとすぐさま次の攻撃が飛んでくる。そこで先ほど家に来る前に念のために用意しておいた剣で対処する。狼の爪と剣がぶつかり、ガキンと鈍い音が鳴る。受け身のような形をとることにはなったがなんとか攻撃を防ぐことに成功し、剣を薙ぎ払って狼から離れると狼は何か驚いたような反応でこちらをけん制するように見つめてきた。さて、どうしたものか。魔法はスキルによりなんとなく使い方は分かるがこの世界の魔法は攻撃魔法は種類分けされているわけではなく、MPの多さが火力に直結するようで基本は攻撃魔法はワンパターンしかないようだ。そこから攻撃回数や攻撃速度を調整することでバリエーションを増やしていくようである。というわけで自分が魔法を使うと狼の後ろにある家まで巻き込んでしまうかもしれないという疑念が払拭できずに困っていた。試し打ちぐらいするべきではあったがまだしていなかったのが仇となった。とりあえず魔法はいざとなったら打つようにしようと考えそうなると必然的に剣で戦う必要があるが、あの狼はこの一瞬でも分かったが王国で優秀と言われた自分のステータスにも負けないぐらいのパワーとスピードがあると実感したためどうしたらよいか分からず攻めあぐねていた。狼はそれを見てこちらを手数で押していくようにしたようで相当なスピードから繰り出される攻撃に一部ダメージを受け傷跡が付き始めていた。
「くそ、勇者がこんなところで苦戦してどうするんだよ・・・。この狼強すぎるだろ」
グルルと唸りそろそろ仕留めるぞと言わんばかりの様子で狼が攻撃の準備を始める。
「でもよ、そろそろその攻撃も見慣れてきたんだ。スキルもあるしな。一撃で仕留めよう」
ということで相手が攻めてくるところでスキル火力全開を発動し一撃必殺を狙うようにした。そして狼がいざ飛び掛からんとしたそのタイミング。家の玄関がガチャリと開き、慌ただしそうに一人のなんか凄いラフな服装の女性が「うわわ!待ってぇ~!」などと言いながら飛び出してきた。思わず色んな意味でびっくりしてしまい、その隙を狼が見逃さないとばかりに狙ってくる。しかし、そこで火力全開を発動した自分は急に体が軽くなったような感覚に陥り目の前の狼の斬撃に対処した。しかし、びっくりした影響で少し体勢が崩れていたようで狼にカウンターの一撃を食らわせるも明確に切り裂くとまではいかなかった。しかしかなりがっつりと切りつけたため相当大きなダメージが入ったように見える。すかさず止めを刺そうとしたその時であった。
「待ってって言ってるでしょーが!って、あ」
と言ってなんか場違いなぐらいラフな格好をした女性が間合いに入ってきて、ふと急に自分の体が軽くなった。何が起きたか分からずにいるのも瞬間、木に激突し自分が飛ばされたことと飛ばされた時の痛みと激突した痛みに気付き思わず悶絶を超えて意識を手放しそうになった。
「かはっ・・・!な、ごほっ、なんだ今のは」
「あちゃ~、やっちゃった。その~ごめんね?」
見えなかった。突如女性が入ってきたと思ったら自分の体が吹き飛ばされていた。脳が迷いなく危険信号を送っており非常に危険だということを示してくる。すかさず身の危険を感じた自分は何を思ったか危険を排除しようと魔法を自然と打っていた。高水準のMPから出された一撃は非常に大きな火球で当たらずとも地面に近づくだけで火災をいとも容易く引き起こせそうなレベルで目の前の女性に襲い掛かっていった。
「わわ、ごめんってばぁ!吹き飛ばしたのは謝るからさぁ!そんな魔法危ないよ!」
と言って大火球を消滅させた。
「は?」
目の前の意味の分からない光景と、激突した衝撃で内臓付近が大きなダメージを受けていたからか李空は意識を手放した。
次回以降から本題みたいなものになります。是非続けて読んでいただけると幸いです。
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