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土地は切り拓くもの!

朝目覚めると昨日みたいな地獄は繰り広げられておらずちゃんといつもの手のままであった。さすがにあれは生活するうえであまりにも不便というのもあるし、あれを他人に見られるのも何だか恥ずかしいものである。とにかくいつも通り・・・、いやこの姿ではなく理想を言えば元の男の体に戻してもらえるならば戻してほしいものである。いつものようにカリナ様を起こすと今日はすんなりと起こしてくれた。何やら今日もすることがあるようである。怪しい予感がする。


「カリナ様、今日はやけに起きるのが早いですね」


「ふっふっふっ、今日はやるべきことがあるからね!ちなみに変なことじゃないから安心してね?」


「昨日の今日でそれを言われても・・・。といっても具体的に何をするんですか?」


「何をすると言ったら家の周りを広げようかなって。リナちゃんは何かそこでしておきたいことはある?」


「はあ、周りの木でも伐採するんですか?そうですね・・・、特にこれと言った要望は今は浮かばないので今度またあったら伝えます」


「分かった。じゃあ少し広々とした空間に作り替えちゃおう!!と言っても木を切るだけだけどね」

「という訳でせっかく木材が出来るから何かを作りたいけど今必須の家具無いよね~」


「そうですね。かろうじてアーモンドの小屋をもう少し大きくするぐらいかなと。今でも十分ありますがもう少し大きくても問題ないかなと」


今の現状で必要な家具はそこまでない。そもそも2人でしか暮らしてない家で相当デカイ家なのだ。実質物置と化している部屋も多い。自分の部屋も僅かながら使っているが、ものが無いためあまり居座ることは無い。という訳でただただ周りを広くするだけである。せっかくなので大きい分に損は無い。


「じゃあリナちゃんはアーモンドくんを外に出て様子を見ててもらおうかな。遊んでても良いけど遠くには行っちゃ駄目だよ?」


そんな小学生みたいなことをするわけないだろう。カリナ様は一体自分をなんだと思っているんだ。どちらかと言うとカリナ様の方が逆にどっか行ってしまいそうである。


―――――――――――――――――――――


アーモンドを見に行くとこちらを見ていた。ただこちらの様子を見るとまるでため息をつくかのような行動をしてきた。・・・なんなんだこいつ。そんなことはさておき、とりあえず小屋から出す。小屋から出すといっても正直何もしなくても出れるようには元々なっている。元を辿ればヒラシア王国から借りた馬なので逃げたければ逃げるようには出来ているのだがアーモンドは逃げずにここに居座るつもりのようだ。懐いてくれているのだったら非常に嬉しいものである。小屋から出すと、感謝のつもりかぺろぺろ舐めてくる。最近はアーモンドの世話が心の癒しのひとつになってきているかもしれない。小屋の外に出るとカリナ様が木をバッタバッタと切り倒していた。切り倒した木はどうしているのかと思ったら木材のように加工してまとめて置かれていた。既に10本ぐらい切り倒されている。ただアーモンドを小屋から出しに行っただけなのにもうこの状況である。周りを広くすると言っていたがどのぐらい広くするつもりなのだろうと見てみるとざっくりと周りの木を一周分ぐらい刈り取るつもりのように見える。こう見ている間にもカリナ様が二本ぐらいなぎ倒している。一時間程度もかからずに終わるのかもしれない。待っている間はアーモンドに久々に乗って待っとくことにした。ちなみにアーモンドに跨ろうとしたら、体勢をわざわざ低くしてくれて乗りやすくしてくれており、最初のころに比べてどんどんお利口になっていることが確認できた。ちなみにカリナ様にはあまり懐いていないような気がするのは気のせいだろうか。

しばらくアーモンドに乗りつつ家の周りをぐるぐるしたりして走らせているとカリナ様が一通り切り倒しえ終えたようであった。ちなみにもうアーモンドからは降りて一緒にカリナ様の作業を眺めていただけであった。さすがに数十分も馬の上に乗っておくのは体がきつくなってきたのでさすがに大人しくやめた。


「ふぅ、これで全部かな。あとはこれをどこか適当にまとめて置いておこうか」


「まとめて置くと言ってもどこに置くつもりですか?さすがに家の中には置けませんが」


「せっかくだからこの木で外にも物置小屋を作ろうかなって。といってもまずはアーモンドくんの小屋を改築する方が優先だけど」


というと4mはゆうにある木を軽く二個担いで小屋の前にドスンと置く。ここからどうするのかと見ていると、かつて家の改築をした時のように木を自由自在に変形させたり加工したり切り刻むことによってパーツをあっさりと作り上げてしまった。さらに元々の小屋とその弄った木が突然白く光り、眩しさに目を閉じてしばししたのちに目を開くとそれはもう小屋が変わっていた。何というか元の世界の馬用の厩舎並みかそれ以上はあるだろうというサイズになっていた。なんだかよく分からないすごい力だなとリナはしみじみと実感した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


出来た小屋に、さっそくアーモンドを戻すと想像以上に広くこれだけでも動き回れそうだ。人間の住む家の敷地ぐらいの広さの数倍はあるのではないだろうか。ちょっと広すぎる気もするがまあ周りは何もないので文句を言う人もいないだろう。アーモンドも満足したのか小屋の中をぐるぐると走り回っている。一通り走り回って満足したのか走るのを止めると、感謝を伝えるためなのかまたこちらに来て顔をぺろぺろと舐め始める。


「あーーー!!!!またこいつ私のリナちゃんに!!!」


「ちょ、ちょっとアーモンド?これを作ってくれたのはカリナ様だからカリナ様にも感謝してあげて?」


と言ってもアーモンドは知らん顔をしているような感じだ。気にせずカリナ様の方を向かないでこちらだけに向いている始末である。それによってカリナ様が怒ったためさすがにアーモンドも引いたようだが、せっかくならカリナ様にも懐いてほしいものである。でないと自分に何か矛先が飛んできかねない。結局カリナ様がぎゃーぎゃーアーモンドに対して軽い説教をして、アーモンドがなんだか項垂れているような感じで事は収まり、結局今日もまた騒がしい一日となったのであった。その後の夜、カリナ様が「リナちゃんは、アーモンドじゃなくて私のものだから!!」とか言ってブラッシングの後にめちゃめちゃ抱き着いてきて、やっぱりこちらに矛先が向いてくるのであった。

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