何も起こらないはずもなく②
「そこのメイドちゃんおっきいね、メンタルがやられたから触ってもいい?」
唐突に用事があるように言われて来てみたら、目の前の女の子から頭のおかしいことを言われて帰りたくなるのは普通じゃなかろうか。隣にいる自称神様もそうだが変な奴二人目が出てくるのはやめていただきたい。サラさんに押し返してもいいだろうかと思って振り返ると既にいなかった。まさかあなたも押し付けてきた?もはや何を信じたらいいのだろうかと頭を抱える。
「駄目だよ!!リナちゃんのおっぱいはご主人様である私だけのものだよ!!」
この神様はこの神様で何を言っているのだろうか。意味が分からない。いやまあ思い出したくは無いが、確かに揉まれたことはあるが。
「私のことで争わないでください!!」
「いや、私のこのどうしようもない気持ちを収められるのはそのおっぱいだけよ、私に渡しなさい」
「駄目です!リナちゃんは私のものです!!!絶対離しませんから!」
「いたた、腕を引っ張らないで・・・!!!」
などと言いながら二人が自分の腕を引っ張り引き寄せようとしてくる。痛いし状況がよくわからないし助けてくれ。と、そこに救世主が現れる。
「あらメイドちゃんが人気のようね、私も混ぜてもらってもいいかしら?あら、メイドちゃん冗談よ?」
アメリアさんがこの騒ぎに気付いたのか様子を見に来たようであった。とにかくどうにかこの状況を収めてほしい。
「とりあえずこの状況は何かしら?メイドちゃん説明してもらってもいいかしら?」
なんだかアメリアさんの口が笑っている気がするが気のせいだろう。分かってて送り込んだとかないよな?
「はぁ、まあ見ての通りこの方々が私の・・・、その・・・胸をどうこうとかで・・・」
「これは私のものよ、今すぐ離しなさい」
「駄目です、私のものです!!」
「・・・とまあこんな感じです、どうにか出来ませんか?」
「ふふふっ、面白いからこのままでもいいのだけれど二人とも話をするために一旦離れてもらってもいいかしら?」
となんとかアメリアさんが催促し、二人がなんだか火花を散らすように離れていく。どさくさに紛れて女の子が触ってきた気がするが気のせいだ、多分・・・。とりあえず話を聞いてみよう。
「あの、あなたはなんでここに?何か用でもあったんですか?」
「今更だけどあなた呼びされるのが少し残念だから名乗っておくと十六夜 亜里沙よ」
「ああ、それと何の用の件かということね。私この国の国王に色々と用があったのだけれど聞いてみたら昨日死んでしまったとか言われたもの。私のしないといけないことが出来なくなって困ってるのよ。それでメンタルがやられたから揉ませてくれない?」
と言ってさらっと触ってこようとする。なので手で胸を隠してじりっと一歩下がる。なんで元男なのに胸をいちいち隠さなければいけないのか。
「あなたのそのメイド服がエッチなのがいけないのに、誘ってるのかしら」
そして名乗りの時にふと思ったがもしかして名前がこの世界の人と少し違うような気がする。ふと思いついたことを聞いてみる。
「あのもしかして、イザヨイさんこの世界の人じゃなかったりします?」
「??ええ、そうよ。それで国王に用があったの、だというのに・・・はぁ」
予想が当たっていたようだ。名前が元の世界にいそうな名前だったので聞いてみたら当たりだ。そこでアメリアさんから補足が入る。
「軽く話をしてみたら元勇者だって言うの。だからメイドちゃんが適役かなと思ったのよ」
「ああ、そういうことですか。なんとなく呼ばれた理由に察しがついてきた気がします」
「何よ、何を話しているの?確かに私は勇者だったけどもうとっくにやってないし、そこの犬っ娘メイドであるあなたと何が関係あるって言うの?」
何だかすごく詳細を話したくないので触れたくないので軽く目をそらす。仕方ない、内容をかいつまんで話そ・・・
「リナちゃんも確かに元男の勇者でしたよ!私がこんな姿にしちゃいましたがね!!!!」
あっ、余計なことを言う自称神様が隣にいることを失念していた。手を顔に当ててため息をつきたくなる。
「えっ?あなた元男なの?その大きなおっぱいとその見た目で?元勇者?」
「まあハイ・・・、あまり触れたくはないですが元勇者でした。詳細は省かせてください・・・」
「なんだ、あなたも勇者なら言ってくれればいいのに。ということで勇者なら私の気持ちも理解してくれるはずだから揉ませなさい!」
「いや、聞いてました!?元男ですし、それとこれと全く関係ありませんし揉もうとするのをやめてください!!」
「元男だからよ!!色々と気になってしょうがないわ!!」
ああもうなんでこの世界に呼ばれて同じ勇者を見つけたと思ったらこんなことになっているんだ。ちなみに十六夜さんには話がまた進まなくなるのでアメリアさんに止めてもらった。・・・話を再開しよう。
「ちなみに国王に何の用があったんですか?」
「え?この国王がキナ臭くて一度勇者を捨てて逃げてたのだけれど腹が立つのと元の世界の帰り方を聞こうかと思って洗いざらい吐いてもらおうと思ったのだけれどまあ国王は知ってのとおりね」
あれ?怒りの原因は自分たちじゃなくて同じく召喚されてそうだった男の人が悪いのでは?
「う~ん、一応私はやろうと思えば送り返せるかもしれないんですけど上から同じ時期に数人送り返すのは怒られそうですねぇ」
「え?あなた元の世界に返せるの?いつになったら出来るのかしら?」
「う~ん、何時ごろでしょうねぇ。最近色々と手を出し過ぎてるので少し待たないといけませんねぇ」
「はぁまだ分からないのね」
「あ、ちなみにリナちゃんは私のペットなので送り返さないですよ」
「え?」
さらっとえげつないことを言われた。話を聞いていて自分も元の世界に帰れるのかなぁとか思ってたのだが・・・。
「まあ戻しても姿は変わらないのでそれでもいいなら考えてあげなくもないですね」
「ふ~ん、そこのあなたはこの世界に残る感じなのね。なら私もそれまで待とうかしら。あなたと一緒にね」
「だからぁ~!!リナちゃんは私のです!!一緒にいるのは私の特権です!!」
「いえ?同じ元勇者としてこの悲しみを分かり合えるのは私のはずよ?」
「ああもう!!二人ともややこしくなるから黙っててください!十六夜さんはたまになら会ってあげるぐらいはしますから!!」
ぜえはあと息を吐きながら渋々言う。なんで話しているだけなのにこんなに疲れるのだろうか。
「まあそうね、そういうことならイザヨイさん?私の部下のネイラちゃんの力を使えばたびたび会いに行けるから私のもとに来ないかしら?」
「はぁ、まあ放浪しているだけなので私は構わないですが、その約束は絶対ですよ?」
なんだか面倒くさいことを取り付けてしまった気がする。アメリアさんは笑いをこらえきれていない感じがするのは気のせいだろうか。まあこの件はこれでいったん終わりだろう。・・・あれ、自分が損しただけでは?
「じゃあそこのメイドはリナっていう名前だったっけ?リナ?次会ったときは触らせなさいね、今日は約束を取り付けただけで勘弁してあげる」
なんでこう昨日バタバタしていたのに今日も変なことが起きるのだろうか。なかなか大変だとリナは感じた。
書き方が悪いのですが、リナに対してメイドちゃん呼びするのがアメリアで、リナに対してあなた呼びしているのは十六夜ちゃんです




