表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/25

始まりだった町⑤

「カリナ様が戦っているけど自分も可能な限り離れておこねば・・・」


と、さっと戦いに巻きまれないように自分は下がっておく。そして、槍をサッと構えた男はカリナ様にふと問いかける。


「女だと思って舐めていたが強そうだなァ。お前名はなんだ?ちなみに俺は」


「うるさい、私はあなたの名など興味ないです」


などと言って言葉を遮る。カリナ様がゴミを見るような目で男を見ていて怖い。なんで自分はこんなところにいるのだろうか。しばらく睨みあうかのような状況になると、男がイラっときていたようで槍で切りつけにかかる。早い。勇者だった時の自分よりも早いかもしれない、がそれでも男は急に吹っ飛ばされる。カリナ様が男の位置に立っていて、手をグーにして突き出しているのでおそらく殴ったのだろう。男は陣にあったいろんなものに引っ掛かりながら止まる。だいぶ怒り心頭といった感じで男の手元にある武器を投げつけて牽制してくるが急に重力を失ったようにカリナ様の近くで落ちていく。


「なんだこの化け物はよォ、クソが」


と男が言うが、カリナ様はそれをただ見ているだけだ。さも興味ないといった風で、挙句の果てにゴミを見るような目つきから一転、急に笑顔でこちらに振り向き手を振ってくる始末である。まさか自分の活躍を見せるためだけに残したとか言わないよな????ちなみに普通に戦闘から逃げたい。さっきまでの戦は遠くから眺めていたし直接戦っていたのを見ていたわけではないがいきなり生々しくなってしんどい。などと思っていると男がまたカリナ様に突っかかっていくが吹っ飛ばされる。男は既にボロボロでもっていた槍も破壊され既に使い物にならない。最初の威勢は何だったのかというぐらいのレベルだがさすがにカリナ様が強すぎるだけだろう。


「くそ、こうなりゃ・・・」


と一言男が言うと何かを持ってカリナ様に向かう。男が魔法らしきものを撃とうとする。が、カリナ様はかつて自分が炎魔法を撃った時のように特に何もせず撃ってきた魔法を打ち消してしまった。八方塞がりでやけくそになったのか男がカリナ様にまた突っ込んでいく。ただ効果は無い。また吹き飛ばされていく。・・・あれ?こっちに飛んできてない?と思ったが案の定こっちへ男が飛んできた。


「ぐっ、クソ・・・が、このアマぐらいは道連れにしてやる」


急にヘイトがこっちに向いてきた。まずい、男は自分に対して憎しみを込めた目でこちらに持っていたボロボロの槍を突き刺してきた。急に殺意を向けられ声も出せずに思わず目を瞑る。


「へっ、ざまぁ見やが・・・れ?」


ただ男の槍は突き刺さることは無かった。何かが当たった感触があったので思わず目を開けると男の槍は自分に届いていた。ただ、刃が当たっていたが自分の体というか服すら貫けずに押し返されるような状況になっている。なんというか男には申し訳ないが槍で服の上からタッチされたような感触である。


「ああ、リナちゃんに手を出さなければ殺すつもりはなかったんですけどねぇ~。念のためにリナちゃんの防御と体力は昔適当に上げときましたしそこら辺の道具じゃ攻撃にもならないですよ。そしてリナちゃんに攻撃したこれは殺るしかないですね~」


「ま、待て!」


と男が言い切る前にカリナ様が目で見えない速さで目の前まで来ていた。そして男の上にたつと何かを唱え始める。すると男の体が急に光のようになって消えた。・・・もしかして存在ごと抹消した?


「ふぅ~、まあ殺すと言っても実際にすると怒られちゃうので元の世界に送り返しただけですけどね。それよりリナちゃん私の活躍見ててくれてましたか!!」


と言ってこっちに近づいてくる。ついでに撫でてくる。やっぱり自分に見てほしかっただけでこの場に置いてきた可能性がある。


「カリナ様!こんなところで撫でるのはおやめ下さい!!見られちゃいますぅ・・・」


今はアメリアさんによって周りの人は避難しているからいいけれどもこれを誰かに見られるのは恥ずかしいので止めるように催促する。


「あらカリナちゃんとメイドちゃんは相変わらず仲良さそうね」


・・・案の定アメリアさんが戻ってきてしまった。


「と、とにかく!カリナ様はいったんやめてください!!この後のことがあるでしょう!?」


「う~んそうだねぇ、私としてはやることないからどちらでもいいんだけど」


「まあまあカリナちゃん、メイドちゃんと仲良くするのは結構だけどこのあとの処理があるから巻き込まれないようにね?」


「う~んそういうことなら私たちは少し遠くへ退却しておきましょう。というわけでリナちゃん、はい」


と言って手を突き出す。とりあえずその手に手をのせると、瞬間景色が変わった。といっても少し離れただけのようだ。ここら辺に来た時の場所に戻ってきたようである。


「なんかこう今のって、お手させてる感じがして非常にいいね!!ワンちゃんって感じがいいよ、ほれ~よしよし!」


「はぁ~?カリナ様は何を言って、あ、あの撫でるをやめ・・・ふわぁ・・・。」


といって意味わからないことを発しながら頭をわしゃわしゃと撫でてくる。戦いが終わった直後にこれなので戦いに参加していた感じがしない。まあ参加と言っても元より見ていただけだったが。とにかくなんとかしてカリナ様の撫でる手を払いのけて事の顛末を見守る。急にことが過ぎ去ったが、国王が亡くなったのは確からしく、続々とヒラシア王国の兵士らしき人たちが降参していく。ただ、国王を殺した原因がカリナ様の手によってどっかに行ってしまったためどうするか困っていそうだったが、事情によると勇者を召喚しようとして起きた事故らしく誰が罪に問われるといったことは無く事故死ということになったようだ。結局、アストレア国の大勝ということで事が進んでいそうだ。アメリアさんたちがこの後のことはどうにかしてくれるだろう。自分たちはとりあえずアメリアさんたちの諸々のことが終わるのを待つことにした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


しばらくすると完全に終戦が宣言された。わずか一日で戦に決戦がついてしまったようだが元より短期決戦が予想されていた戦いでお互いにそう動いていたため順当な結果となったようだ。敗けたヒラシア王国は国王の急死により急激な国の崩壊が予想されることからアストレア国の支配下に入ることとなった。普通なら跡継ぎなどがいてそこが対応するはずなのだがあの国王は相当欲深いらしく基本的に自分一人でどうにかしようとしていたため、現在城の中は大慌てだろう。・・・まあ自分にも何かしようとしていたみたいだし同情はしない。結局ヒラシア王国は、アストレア国に対して友好的な態度をとることにして支配されることにするようだった。ただアメリアさん側も支配するとはいっても大きな干渉はせず反抗しなければ手出しはしないということで締結が結ばれたようだ。


「まあアメリアちゃんにすべて任せてもよかったんですけどリナちゃんを連れて行ったのは間違いでしたね。これからは大人しく家で過ごしましょう。まあ時々外にはいきますがね」


「はぁ、まあ私としても勇者としてどうこうしようとしていた国が無くなったので心の中にある僅かな縛りが無くなった気がします。・・・今のカリナ様のペットという縛りの方が大きいですが」


「まあまあ細かいことはいいじゃない!とにかく明日からはまた町が平和になるはずなのでまたゆっくりしましょうね」


「まあそうですね、とりあえずは今日も休むことにしましょう」


ヒラシア王国が負けたことで自分が勇者だ何だということは完全に消え去った。明日以降はまた平和な日に戻るのが一番だと思った。なかなか激しい一日だったが明日は何もない日だと信じてベッドに向かおう。・・・カリナ様がいると何かしでかしそうな気もしなくもないが。

学校が再開するので少しばかり投稿ペースがゆっくりになる予定です。一応二日に一回か、相変わらず一日一話ペースを維持できるように書き続けていこうと思います!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ