表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/25

始まりの町

初投稿です!

拙いところはあると思いますがぜひ読んでいただければと思います!

なんとか投稿が続けられるように頑張ります

まだ主人公は男です(意味深)

 ・・・?


 おかしい。自分がなぜこんなところにいるか分からない。今日も、少し遅刻気味ではあったがいつものように会社に行くために今朝は車の鍵と家の鍵を手にもって玄関を開けたところまでは覚えているが、玄関を開けると外というか、ドアを開けた瞬間から周りがまぶしくて目を閉じたらそこから見知らぬ景色の場所に突っ立ていた。


「これはこれは、勇者殿の召喚になんとか成功しましたな」

「急で申し訳ないが勇者殿、ぜひ我々の話を聞いていただきたい」


 目の前の壮大な部屋の中でいかにも偉そうなおっさんやその他甲冑を被ったやつらが何か喋っている。これは異世界転生とかいうやつだろうか。このようなジャンルがあるというのは知っていたがまさか自分が実際に召喚される側になるとは。急に呼び出されるこちら側の身にもなってほしいものである。話を無視して下をちらりと見れば魔法陣のような幾何学的な図形が書き込まれており、目の前に自分を取り囲むかのようにいる人間?は例えるならば中世の欧米の貴族や騎士を彷彿とさせるような風貌だ。室内も如何にも偉い人の部屋です。みたいな見た目をしており、金で装飾されており高級そうな部屋である。・・・、若干話を聞いていなかったがなんだか話が終わりそうな雰囲気だ。


「・・・そのようであるため、そなたには我々と敵対しておる魔王を討伐してもらいたい。頼まれてくれるか?」

「国王様もそのようにおっしゃられている。当然受けるであろう?」


 なんで後から付け足してきた騎士っぽい人はそんな上から目線なんだ・・・。まあ魔王討伐だなんだ言われて気にならないことはない。よく聞くような物語のように、魔王を倒せばヒーローのように自分を扱ってくれるのだろうか。このいつも会社に出て、夜8時ぐらいに家について諸々を済ませてから寝て、また起きて・・・といった特に代わり映えのない人生に華を持たせてくれるのだろうか。まあせっかくの機会だ。他に出来ることもないし、周りに大量の騎士に囲まれている現状では逃げ出すなんてことも難しく受けるしか選択肢がほぼ残っていないのだろう。勇者に対する扱いにしては少し警戒しすぎなようにも思えるが。


「魔王がどんな人かは知らんが受けさせてもらおう」


「おお、ではよろしく頼むぞ」

「魔王については先ほど述べたとおりであるが我々ヒラシア王国、ましてや人類に卑劣な行いをしておりぜひとも早急な討伐をお願いしたい。ところで、まず勇者殿には勇者の証としてこれを身に着けてもらいたい。これがあれば町に入るときに門番に勇者の証拠として提示できるようにしておる。他にも手助けになるようにいくつかの品を見繕っておいた。これらで旅の準備をしていただきたい」


・・・聞いていなかったことがばれたような気もするがまあいい。


「ああ、わかった」


 そういって勇者の証として渡されたのはバングルだった。特にこれと言って変哲もなさそうな一品である。こんなもので証になるというのだろうか。しかし、国王らしき人が言うんだから恐らく間違いはないのだろう。ここで贋作を出すような意味もかなり低いようには感じる。他にも出された見繕われているらしい品々は、いかにも切れそうな剣やthe防具みたいな品々が数多く並べられている。好きなモンスターを三匹の中から一匹選ぶぐらい少ないほうがありがたいのだが・・・。自分に武器に関する知識はないのでとりあえず目についた切れ味のよさそうな剣と動きやすそうな防具を選んだ。重い防具だと動きにくそうだし、視認性も悪そうだ。あとギラギラしすぎていて若干悪趣味に感じてしまった。ただ多分どれでも大きく変わらないだろう。もともと戦なんてしたことないし、武器を触ったことも見たこともないのだから。


「ちなみにそなたの名前は何と申すか?」


「俺の名前は月足李空だ。李空とでも呼んでくれ。とりあえずこれから魔王のところに向かえばいいのか?」


「リク殿か。リク殿には、とりあえず魔王のところへ向かってもらいたい。道のりなどは出発時に教えよう。もし何か困ったことがあればそのバングルが勇者の証として役立つだろう」


「ちなみに魔王を倒したらあとはどうするんだ?」


「・・・、その後は勇者殿が望む褒美を王国のできる範囲内でしてやろう」


・・・?一瞬の無言があった気がするが気のせいだろう。もう自分が旅立つための準備をしてくれているようだ。準備がもたつくことなく進んでいるため非常に楽である。まるで自分を中心に動いてくれているかのような錯覚を覚えたが自分には魔王を討伐するというやることがあるのだ。自分から動いていかねばならない。手渡されていたバングルもとりえず左腕にはめたので特に問題なければあとは出発するだけだろう。一応出発する前に聞きたいことを聞いておくか。せっかくの異世界なのだからこれは外せないだろう。


「ちなみにこの世界は魔法とかは存在するのか?」


「もちろん存在しておる。勇者殿が何の魔法が使えるか出発前に調べれるようにあらかじめ準備もしておる」


 ちゃんと魔法もあるようだ。一応使い方などは聞く前から朧気ながらそれっぽいのが浮かんではいるが念のための確認である。そう国王のような人が言うと、如何にもな水晶とステータスでも表示されそうな板が出てきた。これに手でもかざすのだろうか。占い師の人とかが使いそうな水晶である。


「これに手をかざしてもらえれば鑑定版に表示されるはずである」


予想通りのようだ。いわれたとおりに手をかざしてみると、しばらくして鑑定版とやらに文字が浮かび上がってきた。それと同時に見ていたいた周りの人間から「おぉ~・・・」と声が上がる。


ーーーーーーーーーーーーーーーー

月足 李空  職業 勇者

Lv 70 (EXP 0/800)

HP 400/400  MP 200/200

ATK 270  DEF 240

RES 30  SPD 180

適正魔法系統 水 炎 光 

所持スキル 翻訳 火力全開 魔法アシスト 

ーーーーーーーーーーーーーーーー


恐らく魔法の使い方がなんとなくわかるのはこの魔法アシストとやらのスキルの影響だろうか。非常に助かるものである。あと今更だが普通に会話できていたのはこの翻訳スキルの影響だろう。生まれた国でもそうだが翻訳は便利なものだと実感した。Go〇gleに感謝である。火力全開というのも恐らく文字通り火力ブーストみたいなことをするのだろう。スキルは少々物足りないような気もするが比較的有用だし、贅沢は言えないだろう。


「さすがは勇者殿ですな。レベル70は王国でも聞いたことがありませぬ。我が国の騎士団長ですらLv60止まりですからな。それに合わせて魔法系統が三種類使えるのも滅多に聞いたことがありませぬ。50~100年で一人のペースでに属性持ちは生まれると聞きますが三属性持ちは流石ですな。これならば魔王討伐も夢ではないでしょう」


なんだか自分のステータスは勇者なだけあって優秀なようだ。やけにRSI(抵抗力)が低いのが気になるところではあるが・・・。それ以外は周りの反応から見るに恐らく高水準らしい。魔法系統は他にも土 雷 風があり、他にも消えた魔法や最近確認されている謎の魔法系統もあるようだ。質問したら気になることが増えたがまあいい。目の前の問題である魔王を討伐したあとにでもこの疑問を解消していくとにしよう。



ここまで点々拍子で進んできたがそのおかげか問題なく出発できそうだ。近くの従者らしき人にそろそろ出発する旨を伝えるか。


「そろそろ出発しようと思うんだがいいか?」


「ええ、問題ありません。ちなみに魔王の住処への行き先はこの城から城門に向かって道なりに進んでいくと、数日はかかるやもしれませんが姿が見えてくるでしょう。移動用の馬や食料品なども手配しております。城門を出る際は、門番に左腕にはめられているバングルを提示すれば伝わると思いますので。ご健闘をお祈りしています」


わざわざ説明をしてくれてありがたい限りである。移動用の馬があるのもありがたい。じゃじゃ馬じゃなければ大きな問題はないし、多少乗馬の経験が元の世界であるため蹴落とされることも少ないだろう。そして相当な距離があるようだから徒歩で行くにはきつそうらしいからな。


「ああ、なら出発しよう」


そういって城を出ることにした。これ以上城の中にいる用事もない。せっかくなのでいろいろと見て回ってみたいものだが騎士に囲まれるような状況になっておりなかなか自由がなさそうなので早く城を出るほうが得策だと感じた。あとは早く魔王を倒したほうが楽だろうという若干、楽観的な考えもあっただろう。


一方で城の中で国王らしき人物が怪しい笑みを浮かべていることを知ることもなく・・・。




城門に着き、門番に例のバングルを提示したところ馬や配給品が支給された。支給品の軽い説明や、魔王の住処までの道のりの説明を再度受けた後、大人しそうな馬に乗り門番に見送られながらゆっくりと魔王討伐に向け旅立つことにした。ここから自分の第二の人生が始まると信じて。





























ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


城内では国王とその部下が旅立った勇者を見て一安心していた。


「旅立ちましたな」

「ああ、これであとはあの憎き魔王さえ倒せば都合の良い奴隷の完成よ。先代のと同じく、さすがの能力の高さには驚いたが、今回こそは念のために隷属のバングルを最初にはめさせておいて正解だったの。先代は後僅かのところで消息を絶ってしまったが・・・。まずは、此度の魔王との戦に勝ち、我が帝国の安寧を勝ち取り領土を広げていけるよう二人目の勇者・・・、いや未来の奴隷には頑張ってもらうとするかの。はっはっはっ!!」


そういって大きな声で笑うと国王はかつて奴隷のような境遇に落とされかけ、急に逃げてしまった先代の勇者のことを思い出しながら、新しい奴隷候補に哀れみの目を向けるのであった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ