エスカール王国に国王追って攻め込みました
私たちは王都を完全に制圧した。
そして、直ちに、国の運営を始めたのだ。私ではなくて、イェルド様たち文官が・・・・。
私はあっさり蚊帳の外に追いやられたんだけど、どういう事? 私は女王なのに。
なんでも時間がないので、邪魔な方はとりあえず出ていって下さいって言われたんだけど。
何か女王よりも宰相の方が偉いみたい・・・・
まあ、基本的に政治の基本は小さいことの反復と文書管理だ。
そう言うことは私よりはイェルド様達の方が圧倒的に適任だ。
私が余計なことをぶち上げて皆の邪魔をするよりは、文官の方々でやったほうが余程早く出来るとは思う。
でも、私は女王なのに・・・・。完全なお飾りなんだけど・・・・。
まあ、今はエスカール征伐が控えているから仕方がないのだが。
本来ならば、私も政治の方を手伝うのだが、エスカールを征伐すると決めた限り、そちらもやらねばならない。
というかそちらの方がまだ得意だ。
というか、いると邪魔だから、征伐に行ってほしいって言われたんだけど、私は本当に女王何だろうか?
攻め込まれるエスカールはいい迷惑ではないかと思うんだけど、どうなんだろう?
まあ、私は書類仕事よりも戦闘の方が圧倒的に役に立つけれど。
でも、本来ならば、今は絶対に征伐するよりもあれた国土を治める事に力を入れるところだと思うんだけど。
「まあ、戦には潮時というものがあるからな。今ならば、逃げるエスカール国王を追いかけて、攻め込むチャンスなのは事実だ」
クリスティーン様がそういうのならばそうなんだろうけれど。何か納得できない。
私の不満は無視されて、わが軍はロヴァミエ伯爵の軍など一万を王都に残して、一路逃げる国王を追いかけてエスカールとの国境に向かった。
エスカールの国王は元新エスカール王国の首都だったカヤーニの城塞都市に三万の軍とともに篭った。
流石に天然の要塞だ。
湖の畔に建つ城塞都市は難攻不落に見えた。
クリスティーン様の率いる3万が城塞都市の前面におり、二クラス率いる上陸部隊3万が船で向かった。
「では、行くわよ。出でよ、火の玉」
私は城塞都市の対岸の湖岸から放射状に次々に火の玉を射出した。
ポヨンポヨンポヨンポヨン
ゆっくりと火の玉が飛んで行った。本当にゆっくりだ。
そして、1時間後。
「者共、行くぞ、突撃」
クリステイーン様が叫んだ時だ。
ピカッ
という凄まじい閃光と供に、城壁に火球が次々に出来た。
そして、爆発する。
その粉塵の消え去った跡には城壁は跡形も無くなっていた。
そこへ我軍6万が突入したのだ。
防御壁が無くなったカヤーニはイチコロだった。
防御できるわけもなく、6万の軍の敵では無かった。
あっという間にカヤーニは我が兵士で埋もれて、敵兵は這々の体で逃げ出したのだ。
そして、そのままの勢いで、我軍は一気にエスカール王国に攻め込んだのだ。
軌道に乗った内政のお仕事を他の文官の人々に任せてやって来たイェルド様は、エスカールの貴族たちに次々に降伏勧告を送り出したのだ。
そして、受諾の返事が来るや否や、同じ爵位で、サウザン帝国の爵位を送り出したのだ。
私の名前でだ。私の代わりにせっせとイェルド様がはんこを押していく。知らない間に私は女帝になっていた。
サウザン帝国って何?
スカンディーナ・エスカール連合国では呼びづらいので、南の帝国、サウザン帝国にしたんだとか、勝手に名前を決めるなと思うんだけど、もうエスカールを併合するのは確定したらしい。
新たな国の名前を作ってどんどん爵位を発行しているんだけど・・・・
返事が遅いと爵位を取り上げられるとか、クリスティーン様が攻め込んで何も残らない焦土とされるだとか、もう、メチャクチャな噂を流して、エスカールの貴族たちを翻弄しているんだけど。
でも、さすがにエスカールは古くからある大国だ。
そう簡単に降伏はしてこない。
降伏を言ってきたのは、我々の進路にある貴族だけだ。
そして、王都の手前で我々を5万の軍勢が待っていたのだ。
最後の決戦が始まろうとしていた。
明朝最終決戦です。




