表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/69

戦い前に愚痴だけ伯爵を吹っ飛ばしました

戦いは我軍の大勝だった。


我軍は潰走した敵兵を追って、そのままオウルの町になだれ込んで、これを占拠した。

街に入った時にはクリステイーン様はハウキプダス伯爵を追って既にいなかった。

南部のキーミンキへはフィル様が伯爵軍3千と本領軍500を率いて出撃。

ロヴァミエ伯爵には近隣の伯爵家の降伏をお願いした。


1日後にはハウキプダスも占拠、直ちに本陣をハウキプダスに移した。


クリスティーン様はハウキプダス伯爵を探して次々と近くの伯爵領を占拠していった。


そして、1週間後にはハウキプダス周辺の10伯爵領が我が方の支配下に入ったのだ。


最初は1%だった支配率が20%まで高まり、我軍は稀に見る高揚していた。


今回はできる限り迅速に支配を確立するために、ハウキプダス伯爵以外は全て許す方針で挑んだのだ。


ただし、直ちに伯爵自らがハウキプダスの招集に応じればだ。


応じない2伯爵家はクリスティーン様とフィル様が占拠してくれた。


ハウキプダスの館は王城のように立派だった。有名な絵画もいたるところに飾られており、前に行ったオースティンの王宮のようだった。王宮よりも有名な絵画は多い気もした。


いかに、ハウキプダス伯爵が領民を搾取していたかだ。


妾も10名を越えて、全てが取り潰された貴族出身の娘や妻だった。希望者は侍女として雇うということで、統率はルンド先生にお任せすることにした。




そして、全ての伯爵家と私の配下というか協力してもらっているスタッフが会議室に集まった。


私は座りたくないのに、一段高い席に豪華な椅子を置かれてそこに座らされたのだ。


横にはフィル様とイェルド様が並ばれて、反対側にはクリスティーン様とガーブリエル様とヴィルマル様の戦闘部隊が並んでくれた。


そして、私の前には16の伯爵が一同に揃っていたのだ。


「なんだか、おままごと政権みたいですな」

大声で叫んでいるの男がいた。確かケミン伯爵だ。


新たに加わった伯爵で、先生によると愚痴が多いとのことだった。愚痴ケミンとして有名らしい。


「皆さん若々し過ぎて、こんなのでブルーノ様に勝てるのですか」

椅子にふんぞり返って叫んでいるんだけど。


「ケミン伯爵、王女殿下の御前ですぞ。口が過ぎましょう」

ロヴァミエ伯爵が言ってくれた。


「おお、これはロヴァミエ伯爵。あなたがこちらの陣営に加わられたと聞いて、私は参加することにしたのですが、ここは本当に若造の集団のようだ」

ケミン伯爵の減らず口は減らなかった。


「そこの口だけ伯爵」

じろりとクリスティーン様が睨みつけられた。


「おおおお、これは女だてらに大将軍と名乗っておられる女伯爵様ですかな」

それを聞いて、クリステイーン様は思いっきり宝剣を地面に突き刺した。


ピシーーーーン


大理石の床にヒビが走る。

「ほおおおお、口が減らないならば閉じさせてみようか」


じろりとクリステイーン様が伯爵を睨みつけたのだ。


さすがの伯爵もやばいと思ったのか口を閉じた。


「これより、全軍で王都に攻め込む」

クリスティーン様が宣言された。


「全軍と言われても我軍は2万と少しなのでは。王都にはなお10万の兵がおりましょう」

ケミン伯爵がそれ見たことかというのだが、


「ブルーノは新スカンディーナの攻略に5万の兵を出しています。残りは5万。それならば何とかなりましょう」

イェルド様が話された。


「しかし、向こうには史上最強の魔道士ブルーノ様がいらっしゃるのでは」

「なにかブルーノを恐れているそうだが、ここにいらっしゃるアンネローゼ殿下は2回もブルーノを撃退されている」

イェルド様が言ってくれたんだけど。


「本当でございますか。のほほんとしていらっしゃるようにしか見えませんが」

ケミン伯爵は相変わらず嫌味だ。


「お主は目が節穴なのか。先のハウキプダス伯爵との戦いにおいても、ハウキプダス伯爵を抹殺したのは殿下のファイアーボールだぞ。かやつめは本陣ではなくて端の方に隠れて対処しようとしたいたのが、殿下の目に写って殿下が攻撃されたのだ。5千の敵兵とともにな」

クリスティーン様が言ってくれたけど。ええええ! そうなの? クリスティーン様の獲物を奪ってしまったの?


「あの爆発は殿下が攻撃されたからか」

「さすがアンネ様の血を引き継がれている殿下」

「あれならば、十分にブルーノに対抗できましょう」

この前まで敵対して私の攻撃を見ていた伯爵達は驚いて口々に賛同してきた。


「ふん、このような小娘にそんな事ができかねよう。おおかたオースティンの大魔術師のガーブリエル様がされたに違いない」

ケミン伯爵は更に言ってくれた。


「アン、なんだったら伯爵に攻撃してやったらどうだ。伯爵もアンの偉大さに気付こう」

ガーブリエル様が不敵な笑みを浮かべて言われるんだけど、そんな事したらこの部屋だけではすまないだろう。


私を知っているものはぎょっとした。


「ガーブリエル様。下手したらこの屋敷諸共消滅します」

ヴィルマル魔術師団長が慌てて指摘してくれた。


「何を仰るのやら。こんな、やわな体で、そのようなことが出来るはずもなかろう。胸もないお子様ではないですか」


私はその毛みん伯爵の言葉にピキッと切れてしまった。


本来ならば絶対にやらないことだ。


「伯爵、何かおっしゃいました?」

私はニコリと笑った。


そして、私は伯爵の前に行くと私なりに思いっきり机を殴りつけたのだ。

私なりに・・・・

でも、周りにはのんびり叩いたようにしか見えなかった。


「ほらほら、全然だめ・・・・・」

次の瞬間だ。ニヤついた笑いのケミン伯爵が座っていた机が木っ端微塵にくだけたのだ。ケミン伯爵はその衝撃で、吹き飛んだのだった。


周りに粉塵が舞って大変だった。


「アン、あの机100万以上する年代物だったんだけど」

イングリッドに後で言われて私は後悔したのだが、後の祭りだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
私の

この前のお話は

はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』

https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

アンがこの地にアンネローゼ王国を建てる前の物語です。ぜひともお読みください。

私の

一番の

の人気小説はこちら

『悪役令嬢に転生してしまいましたが、前世で出来なかった学園生活を満喫することに忙しいので何もしません』

https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第2部

終了しました。

第一部の紹介は
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。

しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

この次のお話は

はこちら

『推しの悪役令嬢を応援していたら自分がヒロインでした』

https://ncode.syosetu.com/n2714ht/

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ