斬られそうになった時に暴虐令嬢来臨し助けてくれました
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「わっはっはっは」
私を馬鹿にしたようにパパランダ伯爵は大笑いをすると
「それがどうしたのだ」
冷めた目で私を見下してきた。
「ブルーノ様にしい逆された国王の血をひいているのがどうしたと言うのだ。貴様は今は所詮無位無冠の反逆者でしかないわ」
舌打ちしたいほど、この伯爵、言うことが憎いくらい的を得ているわ。
「な、何を言う。アンネローゼ様は俺達の命を救って頂いた、聖女様だ」
でも、なんと、伯爵の言葉にこの村の兵士の一人が反論してくれたのだ。
「そうだ、貴様ら、聖女様の前で何を偉そうに突っ立っているんだ!」
「お前らみたいな下衆の人殺しと違って、アンネローゼ様は尊いんだよ。跪け!」
「えっ?」
後ろの兵士達が次々に庇ってくれたのだ。
嘘! 冗談でも私を援護してくれている。
そうか、ヒールで疫病で苦しんでいる人たちは私が治したから、彼らは王女としてではなく聖女としてはちゃんと遇してくれるらしい。
「アンネローゼ様はな、俺達農民の血と涙を食い物にする貴様ら貴族よりも、余程ちゃんとした王女様なんだよ!」
私はその言葉が嬉しかった。そうか、私は聖女としてだけではなくて、王女としても少しは認められているらしい。
「ギャッ」
しかしだ、次の瞬間、そう言った私の兵士は、傍にいた騎士に叩き斬られていた。
兵士が血を吹き出して倒れる。
そんな馬鹿な! 許さない!
私は完全に切れていた。しかし、ここにいる全ての味方の兵士を、この大軍から、守ることは私の魔術では難しい。
火の玉も威力は大きいが何しろ遅いのだ。水鉄砲も全員を一瞬で弾き飛ばすのは難しい。
どうしよう! 私は焦りに焦ったその時だ。
フィル様が私の目の前にいきなり私の目の前に現れたのだ。
「ギャッ」
そして、フィル様は私の前の騎士を上段から一気に斬り下げてくれた。
「フィル様!」
「アン! 勝手に転移するな!」
私の声にフィル様が怒りの表情で私を見た。
「ほんに、出たとこ勝負じゃの」
そして、次の瞬間にはぶつぶつ文句を言いながら、私の後ろにガーブリエル様が多数の騎士を引き連れて、転移してきたのだ。また、フィル様をおいてきてしまった・・・・
怒り顔のフィル様と呆れ顔のガーブリエル様。
「いやあ、申し訳ありません」
私は敵は無視して二人に謝った。
「たかだか千人の雑魚に何をてこずっておるのじゃ」
並み居る騎士達を全く無視してガーフリエル様が呆れ顔で言ってくれたんだけど。
「そこのクソジジイ。何を言ってギャッ」
粋がって、斬りつけようとした騎士の1人が瞬時にガーブリエル様の魔術で弾き飛ばされていた。
「ふんっ、雑魚のくせに口だけ一人前じゃの」
呆れてガーブリエル様が言う。
「貴様、これだけの戦力で我々に勝てるというのか」
伯爵が馬鹿にしたように言ってくれた。
確かにガーブリエル様が連れてきたのは20名くらいだ。数的に大したことはない。
でもその中にはガーブリエル様とクリスティーン様がいるのだ。私のちゃちな魔術と違って、この二人なら千人の軍勢など十二分に対処できるはずだ。
「ふん、さすがブルーノの部下よの。偉大な大魔術師の儂に、そのような無礼な口を聞くとは。全員爆裂魔術で燃やし尽くしてやろうか」
ガーブリエル様が不吉な事を言うんだけど、止めて! 後には廃墟しか残らないから。
「まあ、ガーブリエル様。ここは私目にお任せ下さい」
クリスティーン様が前に出てくれた。
「ふんっ、また女か」
馬鹿にしたように伯爵は言った。
「叩く口だけはでかいな。我らに負けたあと、全員で回してやろうか」
下卑た笑みを浮かべて伯爵が言った。
「それは良い」
どっと兵士達が笑う。
こいつら馬鹿だ。クリスティーン様にこんな無礼な態度を取るなんて! 殺してくれって言っているようなものだ。私は少しだけ下がった。
「ふん、威勢だけは良いのだな。愚か者ども、よーく聞け 私は剣聖クリスティーン!
戦の女神が我が枕元に立たれて我に指示されたのだ。可哀想なアンネローゼを助け、悪逆非道なブルーノを倒せと。貴様らそのブルーノに与するとは神をも恐れぬやからどもよ! 今すぐ悔い改めて降伏すれば良し。さもなければ神に代わって成敗してくれるわ!」
クリスティーン様は威勢良く言われたのだが、最初に聞いた時は枕元に立ったのはオースティン王国の始祖だったんじゃなかったっけ? それが今度は戦神にグレードアップしてるんだけど。
さすがだ。私も夢で神に命じられたって言えば良かった。
私は変な所に感心して聞いていた。
しかし、敵はそうではなかったようだ。
「おのれ。その言葉そのまま後悔させてやるわ。皆の者皆殺しして構わん」
伯爵が叫んだ時だ。
「やむを得ん。天に代わって成敗してくれる」
そう言うや、クリスティーン様は聖剣を抜き放ったのだ。
周りを凄まじい、光が照らす。
「えっ」
恐らく、伯爵は何も判らなかったろう。
クリスティーン様は剣をそのまま伯爵に向けて振り下ろしたのだ。
凄まじい、光の筋が、一直線に、伯爵の方に伸びた。
そして、その光の筋は伯爵に触れると閃光を発して一瞬で伯爵を蒸発させていた。
そして、光が収まった時、光の筋が伸びた所に立って居たものは1人も残っていなかったのだ。




