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爆誕!

こんにちは。感想をまた頂けました!

ありがとうございます

 私、スケスケボディの幽霊ちゃん。今日からホローちゃんを名乗ることにするよ。


「いやー。ガチで良い名前じゃないか?」


 うんうん。うんうん!


「ずいぶんシンプルだけどね。辺に凝った名前よりは良いと思うわ。貴女……ホローちゃんもそれでいい?」


 こくこくと頷く。今まで名前がなくて、思い出せなくて、しかもスケスケボディの幽霊になってしまったから自分がどういう存在かわからなくなってきていたけれど、やっぱり名前はいいね。自分が自分なんだって自信を持てる気がする。


 あ、でも二人は別に私に名前を付けにきてくれたわけじゃないよね。何のために来たのか聞いてみた方がいいのかな。


「え? アタシたちがここに来た理由?」

「そりゃあ冒険に決まってるだろ!! 俺たちは夢を追い続ける冒険者だ。まだ見ぬ場所があるならそこに行かずにはいられないっ!」

「まぁ、こういうことね。やれやれだわ」


 二人に聞いてみるとこのように答えが返ってきた。どうやら二人は冒険者という職業についているらしい。そして話を聞いてみた感じ、私が思う冒険者とあまり変わらないみたいだ。私みたいな幽霊がいることも含めて、ますますファンタジーな感じがするね。


 でもランドさんが言うみたいな冒険を主に行っている人はあまり多くなくて、ほとんどの人はその日暮らしをするためのお金を稼ぐために様々な雑用とかをする何でも屋的な存在らしい。


 夢があるのかないのかよく分からないけど、実際に冒険して金銀財宝を手に入れて億万長者になった人もいるらしいから、やっぱりロマンはあるんだろう。そういう人たちは常に危険と隣り合わせだから死亡率も高いらしいけど。


 ファンタジーにも楽して稼げる仕事はなかった。残念。


 ……あ、そうだ。名前を付けてもらう流れで話が強制終了しちゃっていたけれど、今はアンデッドの特徴について聞いてたんだった。臭い以外の情報が知りたい。


「えぇ、そうだったわね。アタシもあんまりアンデッドと戦ったことないからそこまで詳しいわけじゃないけれど、それでも有名なのは物理攻撃への耐性かしらね」

「あぁ、昔話に聞いた不死の王リッチは身体を剣やハンマーで全て粉々に砕かれても復活し、逆に倒しに来た敵を呪い殺したって話だぜ。どんだけ強いんだろうな。……ま、最後には最強の魔法使いにやられたって話だけどな!」


 話に聞くだけですごい。でもまぁ、本当に強いのなら粉々にされる前に抵抗してほしいものだ。私は絶対無理。粉々にされる前に逃げ一択だね。自分の能力に自信とか余裕があったら舐めプをしてしまうものなのだろうか。


 というか、物理攻撃への耐性ということは、ファンタジー的な物理攻撃以外の攻撃があると考えても良いのだろうか。……精神攻撃(口撃)魔法とかじゃないよね。


「えぇ、そうよ。アンデッドには魔法がよく効くの」


 ま、魔法キターーーーーー!! あるんだよね? 本当にあるんだよね? おとぎ話の中だけのお話でした。……なんてオチはないよね? ね?


「あぁ、魔法はあるぞ! 俺たちは魔力が少ないから戦いには使えないけど、それでもこれくらいならできる!」


 そう言ってランドさんが何やら集中したかと思うと、手のひらを前に突き出した。


「ウォーター!」


 ランドさんがそう叫ぶと、手のひらにだいたい五センチ程の水のかたまりが現れた。凄い! カッコイイ!


「へっへー。いいだろこれ。この魔法のおかげで遠くに行く時でもほとんど水の心配をしなくてもいいんだぜ?」

「本当はランドみたいに叫ぶ必要もないんだけどね?」


 そうだったのか。……でも、私のよく想像する魔法には呪文というか詠唱というか、何やら唱える必要があったような気がするんだけど、この世界ではそんなことはないのだろうか。


「よく知ってるわね、詠唱なんて今時知ってる人の方が珍しいわよ。昔は魔法を使うときにはそうしてたらしいんだけど、あまりにも非効率で、しかも魔法を使うときにすぐに唱えられないのが原因で、今では無詠唱が主流になってるわ」


 へぇ。まぁ、そうだよね。不便なら何とかして解決しようとするのが人間よね。よくある異世界ファンタジーみたいに無詠唱で無双するみたいなのは無理なわけだ。無双なんてするつもりも予定もないけどね。


「だから悪いことはしちゃだめよ、ホローちゃん。アタシたちに貴女を討伐させないでね。アタシたちは魔法がそんなに得意じゃないけど世界には強い魔法使いもいっぱいいるわ。それに、アタシたちも対抗できないわけじゃないわ」


 本当に私のことを想っての言葉だとわかるので、素直に頷いておく。それにしても、やっぱり私はこのままじゃいつかは討伐されちゃうよね。何か手段はないかな。……そうだ!


 しっかりと閃いた。私がこの屋敷を脱出できるように力を蓄えつつも、それでいて討伐されなくなるであろう最高の作戦を!


 早速二人に話すと、二人は明らかに疑問を浮かべている様子だった。でも大丈夫。きっと大丈夫。


「お化け屋敷大作戦だ!! ……あ、報酬はこちらです」

面白いと思ったらブクマと評価よろしくお願いします!

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