私、悪い奴です
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ビリビリビリ! っと私に衝撃が走る! 突然過ぎて全然理解できないけれど、何故かその衝撃が私にとって悪いものではない、そしてそれは私に何らかの変化を与えるものであると理解ができる。
そしてその衝撃が収まったとき、そこには見た目的には何にも変わった様子のないノーマル幽霊である私が浮遊していた。……あ、元から浮遊はしてたよ、うん。
では何が変わったのか。その謎について、どうしてなのかは分からないが私には理解できた。まぁ、自分自身についてなのだから当然といえば当然なのだけれども。
え? 引き延ばしてないでさっさと教えろ? じゃあお披露目しますか。
私は先程自分がすり抜けた壁に向かい、透けて奥が見えている自分の手を壁に向かって差し出した。
ピタ……。
それは、先ほどはしなかった音。すり抜けるばかりで干渉することのなかった壁に触れた音だ。
すごくない? やばくない? 最強じゃない?
そう、私はものに触れることができるようになったのだ! テレテッテッテテーン! はい、拍手! パチパチパチ。……はいそこ、しょぼいって言わない!凄いでしょうが!
……さて。突然の変化に喜ぶのはここまでにしておこう。ここからの議題は、何故突然こんな風に私の幽霊ボディがパワーアップしたかについてだ。
と言っても話し合うまでもなく、何となく私にはその原因が分かっている。確実とは言えないが、私に衝撃が流れたといの状況を思い出して見てほしい。
あの時私は、ねずみに話しかけようとしていた。そしてねずみに話しかけた時、うんうん、正確にはねずみがびっくりした時に衝撃が走ったのだ。
……え?噛んじゃったことが原因じゃないかって? さ、流石にそうじゃないと思いたいけれど……というか、その事はもういいの!
私が思うに、おそらく原因はねずみが……というより私が誰かをびっくりさせたことなんじゃないかなって思う。
だってねずみがびっくりした瞬間、私は心のどこかで『楽しかった』と感じていたから。子供が友達を驚かせて満面の笑みで喜ぶ様に、確かに私は驚いたねずみを見て楽しんでいた。
アレ?私、悪い奴じゃね? ちょっと人類の敵っぽくね? うそうそ、違うよう。そんな悪いこと考えてないよう。
……なんて言ってみたところで。もしかしたら元々の人だった時と比べてちょっと精神が変化してるのかもしれない。まぁ、人のまんまだったら狂ってしまってもおかしくない訳で。
まぁ、このことについては考えても仕方ないので考えないようにしよう。それよりも大事な議題はなぜ私がパワーアップしたかについてだからね。
私がパワーアップした原因は先程ねずみが驚いたことだと思うけれど、それだったら何をエネルギーにして私はパワーアップしたのだろうか。
古今東西、何かを成すには対価が必要であることは知れ渡っている。それはゲームにおいても変わらないことで、ゲームですら敵を倒して得た経験値でレベルアップする。
なら、私がパワーアップしたことについても何かしらのエネルギーや作用が働いた筈なのだ。そこで現状から推測するに……私に働き掛けたのは恐怖ではなかろうか。
何を馬鹿なことを……と思うかもしれないけれど、私が幽霊という非科学的で意味の分からない存在になっている以上、そういうよく分からないエネルギーが私の力になっている可能性は否めない。
それに、人間は体に害のある物を苦手だと捉えたり、自分に撮って利のある物を嬉しいと感じたり美味しいと感じたりする。
油たっぷりの体に悪いものも美味しいと思うじゃないか! という意見もあると思うけれど、アレは油を体が大量のエネルギーだと感じているからであって、体に悪いから美味しいと感じている訳では無い。
だから、私がねずみを驚かせた時に感じた快感とも言うべき愉悦が私にとって利であることを示していたのだとしたら、この恐怖が私のパワーアップに働きかけたというこの仮説は正しいのではないだろうか。
だから……うん。ええと……うん。どうしようか?
次くらいから話を動かす感じかな?たぶん。
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