空き地を探そう~瘴気の森。
「何処か行きたい場所はあるか?」
食事を終えて、リガルド様に促されるままに魔王城を出てきたんだけど・・・。良いんだろうか?
「問題無い」
「準備期間の数日があったはずでは?私物は鞄で持ち歩いているから良いんですけど、クマちゃんズとサラマンダーを置いて来ちゃっているのが気になります」
それに、黒ちゃんと森ヤギ達も置いて来てるいんだよね・・・あれ、意外とアニマル率が高いね?
「クマと火竜の面倒は黒が見る。森ヤギ達は勝手に草を食うだろう。俺達の新しい住処が決まったら、全て移動させれば良い」
「なるほど。リガルド様の私物とかは、魔王城に置きっ放しでも良いんですか?手ぶらですけど・・・」
動物たちの件は解決したんだけど、リガルド様が手ぶらなのが凄い気になるんだよね。
「俺は空間魔法で必要なものが取り出せるから、手荷物は無い。魔王城に有る物は歴代の魔王から引き継いだ物ばかりだ。捨て置いて良い」
「おお~・・・」
豪華な調度品も、広いお城もポ~ンと捨てて来れる身軽さが、何かカッコイイな!せっかく新居を構えるなら、リガルド様と私で相談して、家を作っていくのも良いかもしれないね。
「う~ん・・・一先ず、土地を見つけないと駄目ですよね?所有者が居ない空き地って、この世界に有りますか?」
「瘴気が湧き出て使い物にならない森、冥府に繋がる渓谷の枯れた土地、融ける事の無い氷山地帯、火山地帯などは明確な所有者は居ないな」
「語感が人の住め無さそうな場所ばかりですね?!人間の私が住めそうな場所が良いんですけど・・・」
魔族のリガルド様と違って、私はか弱い人間なので!
「お前がか弱いか・・・ふっ」
リガルド様が、ニヤニヤと笑いながら見下ろしてくるんだけど・・・何が言いたいのかな?!
「お前もそろそろ自覚した方が良いな。瘴気の森に行くぞ」
「何を自覚するって・・・っ?!」
2人で並んで歩いていたんだけど、リガルド様に引き寄せられたかと思ったら、そのまま抱き上げられて転移したよね!行先を告げてから、移動するまでが早すぎるよ!!
「うわぁ・・・?!」
転移した先は鬱蒼とした森の中で、時間的にまだ午前中のはずなのに、光がほとんど差し込んでいなくて薄暗い。鋭利な刃先の草が生え、木々は歪んで育っているのか、枝も根元もうねっていて何か怖い。
「それにこの霧・・・靄?が何か臭いし、空気が不味いですね?!」
「これが瘴気だ。普通の人族なら瘴気の毒にやられて、既に死んでいるだろう」
「えっ?!けっ、結界!!」
リガルド様の、もっと早く教えて欲しかった一言を聞いて、慌てて結界を張ったよ。はぁ~・・・悪臭が遮断されたけど、結界内の空気は美味しくない。そうだ、ウンディーネを呼び出して、結界内の浄化をしてもらおう。
「うん!狭い範囲の浄化なら、魔力がほとんど減らなくて良いですね!空気が美味しくなりました!」
「・・・瘴気を不味いで片づけられる、自分に違和感は無いのか?」
「え、無いですけど?」
はぁ・・・とリカルド様が深い溜息を吐いた。私は抱っこから下ろされて、手を引かれて歩き出した。足元に生えた鋭利な葉が、結界に当たってカリカリと音を立ててる。この葉っぱは、どんだけ固いのかな?!
「結界が無かったら、足が怪我しそうですね」
「ここの植物は瘴気の毒にやられて、半魔物化しているからな。自我は無いが、動くものに反応して襲うぞ」
ひえ~っ?!植物の魔物なんだ?!確かによく見たら、ぶつかっているというより、自ら葉先をぶつけに来ているみたい!
「瘴気のせいで魔物化するのか~・・・瘴気って毒だって言っていましたよね・・・あれ?普通の人族は瘴気の毒にやられて、即死って言っていました?」
「今か・・・瘴気の毒は猛毒だ。魔物化した植物や、毒に強い魔物以外は即死だ。周りを見てみろ」
「周り・・・うわっ?!白骨死体が!!・・・あれって、木の根に吸収されてます・・・?」
私達が歩いている場所から、少し離れた所に生えた太くて立派な魔木の根元には、大きな魔獣の白骨死体があった。普通に見たら、お腹が空いたか怪我で死んだ魔獣の体が経年によって白骨化したのかな?って思うんだけど・・・何か、明らかに魔木の根から出ている樹液に、骨が溶かされている様に見えるんだよね・・・。
「ジュウジュウ~って音もする気がする・・・怖っ」
「理解できたか?この場所では、生物は即死だ。空気が猛毒に汚染されているからな」
「わかりました、とっても危険な場所ですね?!」
「・・・はぁ。お前はどうだ?」
私?今日のリガルド様は、質問が多いなあ。私は全然、元気ですけど?
「本当に鈍い女だな。お前はどうして、猛毒の瘴気を吸って元気なんだ?本当に人族か?」
「はっ?!人族に決まって・・・ますよ、ね?」
そう言われてみれば、この森に来て結界を張るまでの間に、私は瘴気を結構吸っているよね・・・?何で生きてるんだろう・・・?!
ご無沙汰しております^^;
魔王を辞めたリガルド様とホノカの新居候補地を探すお話です。
リガルド様が、なかなか話を理解しないホノカに呆れております^^;
ブックマーク、評価、読んで下さってありがとうございます!とても嬉しいです!^^




