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全てを与え、与えられること。

「・・・るか」

「え?」

「俺の嫁になるか?」

「・・・ええ?!」

リガルド様が言い直した言葉に吃驚して、勢い良く顔を上げたら・・・私の方に顔を下げていた、リガルド様の顎を強打しちゃった!!

「・・・っまたか」

「ご、ごめんなさい・・・」


「返事は“承”一択だな」

「えっ?!はい・・・あ・・・えっと」

動転してあわあわしている私の顎を持ち上げて、深緋色の目が覗き込んできた。その目は笑っているけど、何時もと違う真剣さがあった。

「私の家族になってくれるんですか?冗談じゃ無く?」

「言葉での約束が必要か?お前を愛している。俺の側に居ろ」

「~~~っ?!」

リガルド様がド直球できたから・・・体中の血が沸騰しちゃったみたい・・・違う、完全にのぼせちゃったんだ。


「わ・・・私も・・・」

ここで私の意識は途切れちゃったんだ・・・リガルド様・・・返事はまた後で・・・。


*************


「ホノカ」

「・・・」

「ギャウ?ギャギャッ・・・」

俺を見上げていたホノカが、糸の切れた人形のようにガクリと崩れた。後ろに倒れそうになる体を支えて覗き込めば、顔が酷く赤い。体温も温まり過ぎている・・・まさか、のぼせたのか?

黒を見れば、半目の状態で何か言いたげに俺を見ている。何が起きているのかわからずに、ギャアギャアと騒ぐサラマンダーの子が煩い。


「部屋に戻る」

気を失って力の抜けたホノカを抱き上げて、ホノカの部屋に飛んだ。濡れた体を乾かして、ホノカをベッドに寝かせた。のぼせた時にはどうするんだ?俺には経験が無いからな・・・。

ホノカの額に掛かった髪を整えてやると、瞼がピクリと動いた。目が覚めたかと思ったが、小さく唸っただけだった。

「いや、何か言っているな・・・何?水?」

ホノカの小さな唇は閉じたままだが、心の声が聞こえるのだから問題は無い。ホノカの部屋にあったグラスに、魔法で冷たい水を満たした。ホノカの唇にグラスを寄せたが、中には入っていかないな・・・。


ホノカの上半身を持ち上げて、唇に口づけた。舌先で閉じた唇をこじ開けて、ホノカの口内に侵入すると酷く熱い。

開いたままになったホノカの唇に、冷たい水を含んで口付けた。口移しで飲ませた水をコクリと飲み込む音が聞こえると、この女を俺の好きにしたいという欲が膨れ上がってきて笑えた。

この細い首を捩じ切ることも、柔らかな体を犯すことも容易い事だ。それでも俺はホノカの心が欲しい。俺に向けて緩み切った顔で笑って欲しい。長く生きてきたが、そう思えた女は初めてだった。

「早く目を覚ませ、ホノカ」

頬を軽く撫でれば俺の気も知らずに、気の抜けた・・・俺の好きな顔でホノカが笑った。


*************


「んはっ?!」

何だか顔がくすぐったくて目が覚めた。目に飛び込んできたのは、見慣れた天井だ。いつもの部屋だね・・・。

頬に掛かった髪を摘まんでみたら、私の髪じゃなかった!この黒く艶やかな髪は・・・リガルド様の?!

「起きたか」

声の方を向けば、白磁の肌に甘く緩んだ深緋色の瞳・・・横向きに寝ていても重力に左右されない、美しいお顔のリガルド様が微笑んで私を見ていた。

「ちょっ・・・寝起きに破壊力がやばいんですけど?!」

リガルド様と同衾・・・添い寝は初めてじゃないけど、今日はいつもとなんか違う。私に向ける顔が・・・すごい甘い気がする!!


「何をしている」

慌てて両手でリガルド様の顔を隠したんだけど、手首を掴まれて簡単に外されちゃったよ。あ、止めて・・・手の平にキスとか・・・指を甘噛みするの禁止ですから!!

「体調はどうだ?」

「あっ・・・はい、元気です!」

指先をやわやわと撫でられるのが、くすぐったい。リガルド様が私の目を覗き込んで、意地悪な顔で笑った。腰を掴まれて態勢を変えられたかと思ったら・・・。

「ちょっ・・・やだ!」

リガルド様の腰の上に、私が馬乗りになる体制にされちゃったんだけどぉ?!!


「リガルド様、下ろして・・・いやっ下りますから、手を離して下さい!!」

焦って真っ赤になっているだろう私を、リガルド様が下からニヤニヤと笑いながら見上げてくる。私の腰はリガルド様にがっちり掴まれいてるから、振り解いて下りることは出来ないんだよ!!

「温泉での答えをまだ貰っていないだろう。ホノカ、俺に返事をくれ」

「・・・・・っ!あっ・・・その・・・」

「ホノカは俺を焦らして楽しむのが好きか。意地悪だな」

「んぅ・・・っ」

意地悪なのはどっちなのかな?!リガルド様が下から腰を・・・腰を・・・その・・・ゆるゆると押し付けてくるから・・・何か・・・。


「俺が嫌いか」

「・・・好きです」

「俺の全てをやろうか?」

「えっ?!・・・くれるんですか・・・?」

こんなに綺麗で意地悪なリガルド様を?全部私にくれるの?・・・そんなの、欲しいに決まっている。

「下さい・・・リガルド様の全部・・・んっ」

自分で言ってて、恥ずか死ねると思う!心臓はドクドクいってるし・・・体が熱くて、息も・・・浅くなっている気がする。何より・・・跨いでいるとこの・・・何か固いのが当たって・・・えっと・・・。


「俺もホノカが欲しい」

「っ・・・はい」

「俺に全てくれるか?身も心も全てだ」

「はい・・・」

もうこれ以上は無理だ。リガルド様の目を見ていられない。リガルド様の厚い胸板に顔を押し付けて、私は完全降伏したんだ・・・。

あんれぇ・・・?キス止まりで、軽~いお話を目指していたはずなんですが・・・。この先、年齢制限掛けるべきか迷っています。終盤から序章へ逆行しているような、ホノカの異世界転生は、この先どうなることやら・・・私も不安になってきました^^;


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