スライムと魔石のお話し。
食後のお茶を飲みながら、さっき出てきたスライムについて聞いてみた。
「私の世界では空想の話ですけど、スライムって有名な魔物だったんですよ。この世界ではどんな感じですか?」
栗羊羹を咀嚼して飲み込んだリガルド様が、私の分をジッと見ていたので・・・おかわりを出してあげた。
「スライムはどこにでもいる、低級魔物だな。火山地帯には火のスライム、氷山地帯には氷のスライム、エルフの郷の手前の森にもいるぞ。緑のスライムだ」
「え?!何回か行ったあの森ですか?魔物に出会わないから、安全な森だと思ってました!」
「あの森にも低級から中級までの魔物はいるが、俺が一緒に居るから近づいて来ないだけだ」
は~ん、リガルド様が魔物除けだったのか・・・心強いけど、スライム見てみたいな。
「スライムって何かに使えますか?魔石とかこの世界にありますか?」
ゲームなら魔物を倒したら魔石かドロップ品を落とすんだけど、現実世界ではどうなんだろう。
「高位の魔物は長く生きている分、魔核に魔力が溜まりやすい。稀に魔石を落とすこともあるな」
そう言って何処かから大きな魔石を出して見せてくれた。リガルド様の手の平くらいの大きさの魔石は、海の深い青から氷みたいな薄い青への美しいグラデーションだ。
「はわ~?!とっても綺麗ですね!ていうか、その何もない所から取り出すのは、空間魔法ですか?!」
「知っていたか。空間魔法で∞収納が可能になるぞ?」
「やり方教えて下さい!そして、私も魔石欲しいです!」
リガルド様が手に持っていた魔石をくれたんだけど・・・そうじゃない(もの凄く嬉しいけどさ!)自分でも、魔石ゲット~ってしてみたいんだ!空間魔法も覚えたいし、スライムも見たい。
「お前はやりたい事が多いな。そうだな・・・先ずは火山地帯のスライムを見に行くか?火のスライムが落とす魔石を水に入れると、熱くなるぞ」
「それって、温泉なのでは?!」
「何だそれは」
私は温泉の効能と日本人にとっては命の洗濯だということを、熱く語って聞かせた。伝わったかな?伝わったよね?!
「何となくわかった。火山地帯に行くぞ・・・結界で火傷は防げるが、気温は熱い。肌を出さない服を着ろ」
リガルド様の指示を聞いて、部屋で着替えてくることにしたよ。厚手過ぎてものぼせるし、薄過ぎても熱いのね・・・難しいね。下手に水魔法で体を冷やそうと思っても、直ぐに水が熱せられて火傷するらしい。
「リガルド様、準備できました!」
私は帽子付きの薄手の長袖に、浅緑色のツナギを着ている。足元はブーツ、手には軍手。首にタオル代わりのスカーフを巻いた、完全防備だ。
「蛹か・・・その格好で良いだろう」
リガルド様が鼻をフンと鳴らして笑った。むうっ・・・もしかして、バカにしてます?
「リガルド様はいつも通りですね?」
「俺は魔王だぞ?熱になど影響されぬ」
意味が分からない顔されたんだけど・・・リガルド様がチート過ぎて、こっちが意味わかんないんですけど!
「チートとは何だ」
「万能過ぎてズルい人の事です」
私が頬を膨らませてそっぽを向いていると、リガルド様に抱き締められた。頬をつんつんと突かれて、空気を抜かれる・・・。
「俺は万能ではない。ホノカには叶わないだろう?」
私と額を合わせて覗き込んできたリガルド様が、深緋色の瞳を赤く揺らめかせて・・・ニヤッと笑った。
「そういうとこですよ・・・ズルいなぁ」
「ズルい俺は嫌いか?」
~~~っ顔に熱が上がって隠したいんだけど、額をつけてるし抱き締められてるから・・・逃げられないよう!
栗羊羹とリガルド様・・・物語に出てくる食べ物って、書き手が食べ物に興味持ってないと、思いつくのが大変ですね。この物語に出てくる食べ物は、私の好物とたまに嫌いなものも出てきます^^;
栗羊羹は大好物です!
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