リガルド様に魔法を習おう!2
一旦お昼休憩を挟んでから、午後も魔法のお勉強だ。
「何が知りたい?」
最後のひと口を放り込んで、指を拭いていたリガルド様が私の分をジッと見た。今日のお昼は、薄くスライスした魔牛のローストビーフとレタスを挟んだサンドイッチ。卵マヨとハムのものもあったよ。
私だってまだ食べたい・・・うう視線が痛い!しょうがないから、一口・・・二口だけ食べさせてあげたよ。
「う~ん・・・転移とかって、私でもできますかね?」
「転移か・・・長距離の移動になると、転移先の地形や障害物の有無等を正確に把握していないと危ないぞ。座学が必要だな」
「なるほど・・・じゃあ、瞬間移動はどうでしょうか?例えば戦闘時のフェイントに使ったりとか」
「お前はいったい何と戦うつもりなんだ?」
胡乱気な顔のリガルド様が溜息を吐いてます。
「何ってそりゃ・・・ドラゴンとか?」
せっかく異世界に来たんだから、大物と戦ってみたいという気持ちも、多少はある。基本はのんびり美味しいものを食べて、人に振り回されないで、自分らしく楽しく生きていきたい。
「・・・種族についての勉強も必要だな。ドラゴンは意思疎通ができる上位種族だ。通常は戦闘を避けるものだが・・・どうしても食べたいなら、俺が狩って来てやろうか?」
「いや?!大丈夫です!食べたいわけじゃないので!」
「ふむ・・・視認できる範囲での移動なら、高速移動を限界まで早めれば可能だぞ」
「加速はできますけど・・・。やり方を教えて下さい!」
リガルド様の説明を聞いて、やっぱり頭に入らなくて(私ってバカだったのかな?!)地面に絵を描いて説明してもらった。リガルド様って、絵がすごく上手なんだよ!驚いちゃった。
「わかったか?やってみろ」
「はい!」
即実践スタイルのリガルド教官に、やる気だけは十分な新人隊員の私です!
「遅い。もう一度」
「はい!」
リガルド様に先読みされて頭をコツンとされたり、鼻を摘ままれたりしています・・・。
「もう一度」
「は、はい!」
「・・・目線で移動先が予測可能だ。もう一度」
「は~い・・・」
リガルド様が無表情になってきたぁ・・・私もヘロヘロだし、次が最後かなぁ・・・。
最初に空間把握しとかないと駄目だね。リガルド様の動きを予測して移動場所を決める・・・。目で見ない。反撃される前に安全圏に移動できるように、常に細かく加速で移動を続ける・・・?
「来い」
あわわ?!リガルド様が手の平から赤い剣を出して、私を挑発するようにニヤリと笑った。
加速!ああ~!こんなことなら神にチート仕様で頼めば良かったな・・・ありったけのスキルを頼んだけど、完全に私のイメージ力頼みなんだよね。苦労して育てるのも楽しいかなって、あの時は思ったからさ。
「経験と学習でコツコツやるしかない!」
あ!良いこと思いついた!私はリガルド様に向かいながら、水・火・風魔法を使って陽炎をイメージした。
光の屈折を操って、私の分身みたいな幻影を見せる!どうだ?!
「ふっ面白いな」
わ、笑われた!リガルド様の背後に回った瞬間に肩に触れようとしたんだけど、赤い剣が私の眼前に迫って来て、慌てて飛び退いたよ!!
「いったあ・・・」
着地に失敗して、お尻を思いっきりぶつけちゃったよぉ。尻もちを付いて涙目の私の首元に、リガルド様が無情にも剣を突き付けた?!鬼!!悪魔!!優しくな~い!!
「剣を避けたまでは良かったが、後が悪い。最後まで気を抜くな」
リガルド様が呆れ顔で溜息をつくと、剣はリガルド様の手の平に吸い込まれるように消えていった。何それ?!
「か、かっこいい!!それ教えて下さい!!・・・っ痛ぁ~・・・」
思わずリガルド様の手に飛びついたんだけど、お尻が痛くて・・・へにゃへにゃと力が抜けちゃった。
「何をしている・・・魔力の使い過ぎか?」
「い、いえ!これはその・・・着地に失敗して・・・お尻が・・・」
私がもにょもにょ言っていたら、深緋色の目を細めたリガルド様にお姫様抱っこされちゃった!その状態で魔王城の私の部屋に転移して、ベッドにそっと下ろされた。うつ伏せで・・・?!
「あ・・・あの・・・?」
私が戸惑って見上げると、リガルド様が意地悪な笑いを浮かべていて、何か嫌な予感がしたんだあ?!
「え?!・・・んきゃあ?!」
グイッと下着ごとズボンを下ろされた?!お・・・っお尻が見えてるんじゃ?って振り返った時には、冷たくてヌルッとしたものをお尻に塗られていたよ?!!
「やっ・・・何?!やあん!」
リガルド様の大きな両手で、お尻にすり込むみたいに・・・やわやわと揉まれているぅ!ぶつけたとこが痛かったけど・・・だんだん気持ち良く・・・ちっ違・・・?!
「リ・・・リガルド様ぁ・・・やめっ・・んんっ」
「痛みは治まったか?・・・お前の尻は柔いな」
そういう感想は要りませんからぁ!!お尻を隠そうと思って、寝返りをうったんだけど・・・何も履いてないの忘れてた・・・。
「「・・・・・・」」
「あ・・・いやああああ!!!」
羞恥で涙がぽろぽろと零れる。一気に熱が頭まで上がった私は・・・視界が真っ白になって、意識を手放したんだ・・・。
チート仕様の主人公なら、無条件で転移も使えるんでしょうかね。ホノカは理論を何となくでも勉強して、嚙み砕いて吸収しないとイメージできないタイプです。生活魔法やラノベで読んだことある簡単な魔法はイメージして、すぐ使えます^^;
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