初めての狩りは、けっこう上手くできたと思う!
リガルド様に意地悪をされている間に、地上はもう目の前だ。ケルちゃんは高くそびえる氷山の麓に降り立った。
誰も立ち入らない場所なのか、足元の雪はふわふわで足跡一つ・・・ついてるね。もの凄く大きな蹄の跡が!
「私の足と同じ大きさ・・・これって、魔牛の足跡ですか?!」
「そうだ。まだ跡が付いて間もないな・・・近くにいるぞ」
私達はケルちゃんに跨ったまま、足跡を辿ったよ。暫く走ると・・・前方に、白い毛に覆われた小山が見えた。
「小山が動いてる・・・?あ、あれが・・・魔牛とか言わないですよね?!」
「魔牛だぞ。こちらに気がついていない今が狙い目だが、どうする?狩れるか?」
魔牛は私達に背を向けて、何かを夢中で食べている。距離は10・・・5mくらいかな?“身体強化”に、“俊足”で近づいて・・・。
「ちなみに、リガルド様ならどうやって狩ります?」
「魔牛の背後に転移して、首を狩るな」
「む~・・・転移ずるいなぁ。わかりました、私なりにやってみますね!」
走って近づく間に逃げられたら悲しいから、確実に狩るには・・・走れなくすればいい!
「“風の刃”!」
まぁ、ウインドカッターだよね、うん。風の刃で魔牛の後ろ脚を切断。魔法発動と同時に駆け出した!
「ブモオオオオオオ!!」
痛みで顔を上げた魔牛と目が合った気がした。おでこに目が付いてる…3つ目なんだねぇ。口許が食べていた実で真っ赤なの、ちょっと怖いねぇ。
「苦しませないように・・・一息で!」
私は魔牛の首を掴んで、両腕に身体強化を重ね掛けした。暴れる魔牛を持ち上げて、捻る様に叩きつけた!
骨が砕ける音がして、魔牛は動かなくなったよ。
「お前・・・」
近寄って来たリガルド様とケルちゃんが、ドン引きしてるのはなんで?
「結構うまく狩れたと思ったんですけど・・・違いましたかね?」
「・・・まぁ、いい。血抜きと捌くのは出来るか?」
「やったこと無いので、やり方教えて下さい!」
魔法でやると早いそうなんだけど、基本的な捌き方も知りたいから、ナイフを使って毛皮を剥いだり血を抜く方法を教えてもらった。捌いた後の要らない部分は魔法で燃やして、土に埋めたよ。
「うう・・・お肉がいっぱい!美味しそう・・・」
「口の周りを拭け。熟成させた方が美味いと思うがな。他にも狩るか?」
呆れ顔のリガルド様が、私の涎をハンカチで拭いてくれた。うう・・・高そうなハンカチで・・・すみません。
「さっき狩ったのは魔牛の変異種なんですよね?普通の魔牛も美味しいんですか?」
「知らん。俺はこれ以外、食べたことが無いからな」
「え、変異種の魔牛以外を食べたこと無いんですか?他の動物とかお魚も?」
「前にも言ったが、食べなくても魔力でエネルギーは維持できるからな、以前までは必要なかったな」
「今は必要なんですか?」
「・・・ホノカに餌付けされてから、食い意地が出てきた。責任取って美味い肉を食わせてくれ」
私の頬っぺたをやわやわと揉んで・・・リガルド様が薄く笑った。
お肉はいっぱいあっても困らないから、この辺にしかいない角の生えた白毛の兎(牙が凄いけど、たぶん兎)と鹿に似た6本足の魔物も狩ったよ。魔物の肉はこの世界の魔力を体に馴染ませるのに、手っ取り早いから食べると良いんだって。いっぱい食べようねぇ。
「リガルド様、期待してて下さいね!美味しいもの、いっぱい作りますからね!!」
お肉はリガルド様が魔王城に転移してくれたから、また2人でケルちゃんに乗って景色を楽しみながら、帰ったよ!
ホノカの狩りの仕方が、神にスキルを沢山貰っている割に荒々しいですが、ド素人の女の子なら、こんな感じかな・・・と思いながら書きました。
次回はきっと、スキルを活かしてスマートに狩れるようになっていると思います!
魔王様も呆れる雑な狩りでしたからね^^;
ブックマーク、評価、読んで下さってありがとうございます!嬉しいです^^




