魔牛を狩りに行こう!
「外は寒いぞ。羽織るものは持っているか?」
魔王城が目的地に着いたみたい。狩に行くのは氷山地帯だから、温かくして行かなきゃね!
「大丈夫です。全天候型を考慮して、服は用意して貰ったので・・・じゃ~ん!防寒着~!!」
秘密道具を出すイメージで変声してみせたら、リガルド様が、私の事をすごく可哀そうな子みたいに見たよ?!
「わかったから、早く着替えろ」
「いや、全然わかって無いですよね?!」
今日はスキニーパンツ履いてるから、上に重ね着するだけで完了だ。ブーツに防水スプレーも忘れないよ。
「何だそれは?」
「これですか?これは靴に水が沁みないようにするスプレーです。リガルド様も掛けますか?」
「要らん。雪を直接踏まなければ良いだけだろう」
「え・・・それはどういう?」
城の外に出たリガルド様が私のわからない言語で呟くと、地面に赤い魔法陣が現れた。チリチリと魔力が火花を散らしている。
魔法陣の中から地響きみたいな獣の咆哮が聞こえて、漆黒の毛並みの巨大な魔犬が飛び出してきたよ?!
こ・・・この子は?!鋭い牙に、強そうなかぎ爪!3つの頭は独自の自己を持った・・・ケッ
「ケ?」
「ケルベロスちゃあああああんん!!!!」
私が大声で飛びついたから、ケルベロスちゃんが一瞬ビクッとしたんだけど、直ぐに気を取り直したのか噛み付いてきた?!
「どわっ?!」
「何をしている・・・食われたいのか?」
ああ?!リガルド様のこの顔は、初めて見るね・・・呆れと、驚きと・・・諦め??
リガルド様が私の襟首を掴んで引っ張ってくれたから、齧られなくて済んだよ!えへへ・・・ありがとです!
「お前はケルベロスを知っているのか?」
「はい!私の星でも伝説とか、ゲームとか・・・とにかく、有名で人気のある魔物だったんですよ!」
私も大好きです!と言って、もう一度飛びつこうとしたら、また襟首を引っ張られた。
「はぁ・・・待て。良く聞け。この女に怪我をさせたら、消すからな」
リガルド様がケルちゃんに注意をしてから、私を離してくれた。もう、行っても良いんですよね??私はケルちゃんに飛びついた!
「うわあ~!もふもふ!!あははっよじ登っても、びくともしないねぇ?!!」
今度はジッとしたまま動かないのを良い事に、ケロちゃんの背中に跨って、3つの頭を順番に撫でていくよ。
首元をわしゃわしゃして、耳の付け根も優し~く撫で撫で。くふふ・・・だんだんとケルちゃんが蕩けてきたよ!
「ワフッ・・・クウウンッ」
「・・・・」
お腹を出して甘えるケルちゃんを、わしゃわしゃと撫でまわしていたら、リガルド様から尋常じゃない殺気が漏れてきた!
「いい加減にしろ。いっそケルベロスを肉にするか?」
「ひえっ?!ごめんなさい・・・行きましょう!魔牛を狩りに行きましょう!!」
「キュ~ン」
慌ててケルちゃんから飛び降りて、リガルド様の手をギュって握った。冷や汗を流す私をジト目で睨んでから、溜息を吐いて殺気を仕舞ってくれたよ・・・ほっ
「行くぞ。手を離すなよ」
「は、はいいい?!」
リガルド様と2人でケルちゃんに跨った。ケルちゃんが空を駆けて氷山の麓へ向かうんだけど!凄い早いし!けっこう揺れるんだよおお?!!
「リ、リガルド様!!すみませんっ私をしっかりと!抱き締めて貰っても良いですかああ?!!」
「クククッ・・・嫌だと言ったら、どうする?」
「今?!そういう問答は要らないですからあ!!」
目的地が近いのか、上空から地上へ駆け下りて行くのがジェットコースターみたいで、本当に怖いんだよ!!
「お願いっします?!」
風圧で体がぐらついた時、リガルド様がしっかりと抱き締めてくれた!お、遅いよぉ・・・。
「怖かったのか?風魔法で風圧を押さえてやろうか?」
「そ、その手があった・・・?!最初から、そうしてくれたら良いのに・・・」
リガルド様を見上げたら、ニヤニヤと意地悪そうに笑って、私を見下ろしていた。あ、単純に私に対する意地悪だったのかな?!
「これは仕置きだ。お前は俺以外に触り過ぎる」
「ええ?それって・・・ケルちゃんですか?え~・・・」
大きいワンちゃんがいたら、触りまくるに決まってるのに・・・?!そんなんで、意地悪しちゃうの?
「・・・ヤキモチ・・・妬き過ぎじゃないですか?」
「お前が悪い」
不満気な私の声を鼻で笑い飛ばしたリガルド様が、私の耳にカプッと噛み付いた。や、やあ~・・・?!!
ケルベロスはやっぱり出したい・・・^^;
氷山地帯の魔牛はどんな感じなのかな?ホノカは捌けるのかな?
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