甘い林檎みたいな日。
「クッキーとアップルパイです。紅茶はレディーグレイを淹れましたよ」
地上の様子が眺められる場所に敷布を敷いて、そこにお茶とお菓子を並べた。リガルド様は私の横にぴったりとくっついて座っている。ふふ・・・黒い大型犬みたいで、可愛いなあ!
「誰が犬だ」
ムッとしたリガルド様に、口を軽く噛まれた・・・!考えを読まれちゃうと、思考の自由が無くなっちゃうんだよね。考えてる事を読まれないようにできないかな?
「駄目だ」
「じゃあ、私が何を考えても、いちいち怒ったりしないで下さいよ」
「・・・・・・・・・」
ムッとしたまま黙り込んだリガルド様に、アップルパイとクッキーを切り分けて渡した。返事がないけど、心底嫌なわけじゃないから・・・いいよ、もう。
「・・・・美味い」
「蜂蜜で煮た林檎が入っています。好きですか?」
アップルパイを食べている口元が、ほんの微かだけど緩んでるから、きっと好みの味なんだと思う。
「む・・・リンゴとは何だ?」
おかわりを受け取りながら、リガルド様が真剣な顔で聞いてきた。これは・・・蜂蜜の時と同じ反応だね!ていうか・・・蜂蜜といえば、クマちゃんズを忘れていたね?!
「林檎っていうのは、これですね。この世界にはありませんか?樹に生る果実なんですけど」
鞄から真っ赤に熟した林檎を1つ取り出して、リガルド様に渡した。じっくりと観察していますね・・・真っ黒いリガルド様に、真っ赤な林檎ってなんか似合うね。
「見たことが無い果実だ。香りが良いな・・・このまま齧れと?・・・美味いな」
尖った犬歯が林檎を齧るたびに溢れ出す蜜を、じゅるっと舐め取る姿が・・・何かエッチで、私の顔は林檎みたいに真っ赤になっていると思う。切って渡せばよかったかな。
「な・・・苗はあるので、上手く育てられたら・・・魔の領土でも収穫できるかもしれませんよ?」
ノームのお爺ちゃんに手伝ってもらったら、地球の樹木系も育てられるかもしれない。神への要求で、いろんな種類の種や苗も鞄に入れて貰ったからね!
「良いな。今日はホノカの魔力が減っているから、数日後に植えよう」
リガルド様がノリノリだなぁ。畑の苗も一緒に植えてくれたし・・・食への労力は厭わないんだね。そういうとこ、好きだな・・・。
「俺が好きか?」
「もう!心読むの禁止にして下さいよ?!」
深緋色の目を細めて笑ったリガルド様が、私の頬にすりっと触れてから、優しいキスをした。私ばっかり、心の中がバレバレで・・・ずるいな。
「リガルド様は・・・私の事、どう思ってるんですか?!」
「俺か?・・・」
リガルド様の唇が私の耳に近づいて、低く囁いた。囁かれた言葉が甘すぎて・・・全身がカッと熱くなる。
「~~~~っ!!!」
「ククッ・・・まるでリンゴみたいだな?」
可笑しそうに笑ったリガルド様が私を抱き締めて、甘い甘いキスをしたんだ・・・。
なんか、チャーミーグリーンのCMみたいな空気感でしたね。古すぎて、知らないかな?
のんびり育つ愛情も良いものですね・・・^^
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