地底の国へ行こう 2
「そろそろ落ちるぞ」
「落ちる?」
視界が土色から変わって、広い空間に文字通り・・・落ちた?!
「にょわああああ??!!」
髪がばさばさと巻き上がって、視界を遮る。リガルド様にしがみ付いたら、何とかしてくれるって信じてるから!!だって、私まだ転移も飛行も出来ないですからああああああああ!!!!
「頭の中で叫ぶな。煩い」
「ひ、ひどっ!」
足元は底が見えない暗闇だし。光源は私達の周りに纏わりついてる、光るキノコだけだし!怖いんだもん!!
「ふむ・・・俺に縋ってみろ」
「縋っ?!~~~ったっ助けて下さい!リガルド様!!」
こんな状況で、意地悪しないで欲しい。でも、状況に応じてプライドを捨てられるのも、私のプライドなんだよ!!
「もう少し寄こせ」
「?!・・・あ、・・・てます」
「もう一度」
「あっいしてますからあ!!私を守ってください?!」
ブワッと巻き上がったリガルド様のマントが、私を抱き締めるリガルド様ごと包み込んだ。
「フッ・・・俺に愛を囁くか。お前から求めるのなら、仕方が無いな」
ギュッと目をつぶっていた私は、態勢に違和感を感じて、そっと目を開けたんだけど・・・?!
「っ~~~?!!」
腰と背中にリガルド様の手が添えられていて、体を後ろに反らされている。わ、わわ私の股が、リガルド様の太腿を跨いでいるうう~~??!!!
「どどどどどどっういう状況ですかあああ??!!」
「ふむ。お前が俺に(助けて)欲しいと言っただろう?」
「ちっ違っ・・・そんなこと言ってないです!!」
ニヤニヤと意地悪そうに笑う、リガルド様の顔が近づいてきて・・・私の唇をべろりと舐めたあ?!
血液が体中を凄い速さで昇りつめた私は、パニックと熱さで頭がボンッと弾けて・・・・・・・。
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「む?気を失ったのか?・・・ホノカ」
ホノカの顔が真っ赤に染まり、首が後ろにガクリと落ちた。細く白い両手はだらりと垂れて、脱力しているのがわかる。
「少し虐め過ぎたか?」
ホノカを抱き上げて、黒を見上げた。俺と同じ色の目を細め、ジトリと睨んでくるこの使い魔は、随分と自我が育っているようだ。もはや俺とは別のものだな。
妙な気分だ。嫌ではない笑いが薄く漏れた。
「行くぞ」
腕の中で眠るホノカにそっと口づけた。ホノカがくれた言葉が胸を熱くする。次は、自らの意志で言って欲しい。
俺は黒を連れて、ゴツゴツとした岩の道を歩き出した。ホノカが望む、地の精霊のを捕まえに行こう。
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「・・・っんば?!」
カッと開いた私の目に飛び込んできたのは、茶色い岩の天井?と・・・私を覗き込むリガルド様と、黒ちゃんの赤い目だ。
「あ、あれ・・・?」
此処はどこ?私は穂乃花。あ、記憶は大丈夫そう。リガルド様の手と、黒ちゃんの小さいお手手が、私を引っ張り起してくれた。あ、両手に黒い・・・花?
「此処はドワーフの宿だ。・・・大丈夫か?」
「あ・・・はい?!大丈夫です!」
リガルド様が大丈夫かって・・・分かりやすく言葉で、私を心配してくれたのって、初めてじゃない?!
胸の中がじわあ~っと温かくなって、嬉しくて胸をギュッと押さえた。
「胸が痛むのか?見せてみろ」
「ちっ違っ!!ぜんっぜん、痛くないですから!!」
真顔で聞いてくるから、たぶんエッチな意味で聞いてるんじゃないよね?!
「え~と・・・あ!そうだ!ノームじゃなくて・・・ドワーフの宿なんですか?!」
無理やり話題を変えた私を、怪訝な目で見つつも、リガルド様が説明をしてくれた。ここは地底にあるドワーフの国の外れで、採掘場なんだって。この周辺のどこかにノームがいるらしい。
「その場所がどこか、リガルド様は知っていますか?」
「知らんが、ドワーフを締め上げて聞けばいいだろう」
「いやいや?!もっと平和的に聞きたいなって!その方が、私は嬉しいです!!」
優しくなってきたなって思ったんだけど、やっぱり魔王様だった!暫く黙っていたリガルド様が、頷いた。
「ホノカがやってみろ。お前の平和的な会話に興味がある」
その顔は絶対に、私の“平和”を力技と勘違いしている気がするな~?!違うんだけどなあ?!
リガルド様の誤解を解けぬまま、とりあえず宿を出て、採掘場を探索することになった。
余談だけど、私が寝ていたベッドは、小さいベッドが3つ並べられた状態だったよ。白雪姫の気分だった!
さ、寒い・・・でも、ピスタチオアイスが美味しい・・・。
落ちるか、引っ張られることが多いホノカです^^;
リガルド様は、自覚があるのか無いのか?微妙ですね。
ブックマーク、評価ありがとうございます!嬉しいです^^




