休めと言われたので、本を読みます1
黒ちゃんについて行くと、着いた先は大きな図書室だった。天井まである本棚が、ぐるりと部屋を囲んでいる。
サークル状に配置された本棚が3列あって、その中央にゆったり座れそうな、ソファとテーブルが置いてあった。
「ふあああ~凄い!何か、日本にある図書館と違った雰囲気で、素敵すぎる!」
え~?!何読もうか、迷うなあ~!ていうか、好きに読んで良いから、連れて来たんだよね?!黒ちゃんを見ると、縦に頭を振ってくれた。
「そうだなぁ・・・う~ん・・・先ずは、この世界の創世記の本とか、あるかな?」
黒ちゃんが小さなお手手で、私の手を引っ張った。連れて行かれた先は、創世記や、歴史書の本棚だ。
「おおっ?!黒ちゃん凄いね~!本の場所がわかるんだ?!お勧めの本とかあるかな?」
黒ちゃんが一冊の本を、トントンと指し示した。ん、一冊目はこれにするね!その本を引き抜いて手に持った。
「あとは、ノームとか精霊に関する本はあるかな?」
黒ちゃんが、また手を引いて案内してくれた。有能すぎるよ!黒ちゃん!!
精霊に関する本も一冊選んで、ソファに腰掛けた。うわ?!ふわふわなのに、しっかりと支えてくれるの、しゅごい!!
創世記の本から読むことにした。なになに・・・
“始めに神は世界の入れ物を作りました。球体のその中は闇だけが有り、神は光を与えました。”ふむふむ・・・地球で読まれる聖書に似ているね?それからどうしたのかな?
“光に照らされた空洞を、神はつまらないと思いました”まあ、そうだよね・・・。
“神は命有るものを望み、自らの身を削り生み出したのです。左の眼球から魔族を、右の耳からエルフを、左手の小指から人族を、右の足からドワーフを、背中の羽から獣人が生まれました。”
「お・・・おお?神様、体張ってるな?!」
どこぞの神と、大違いだよ!“初めは上手く住み分けていた命たちも、やがて争いを始めました”あちゃ~。
“神が咎めても、命たちの争いは終わりませんでした。神は調整者として魔物を生み出しました。”
「え?!魔物が調整役なの?!」
“魔物達はそれぞれの命が治める国を襲いました。共通の敵である魔物を憎むことによって、他の命との争いが治まったかのように見えました。”
「治まらんのか~い!」
私のツッコミに、ビクリと震えた黒ちゃんに睨まれたよ。ごめんね!静かに読むからね!!え~と?
“神が生み出した調整者としての魔物を、人族は利用しよう考えたのです。”ああ~・・・残念な人族よ!!
“魔物を自分たちの有力な武器にするために、人族は魔物の繁殖、混合を繰り返したのです。やがて、完成した合成魔物を解き放ちましたが、従えることが出来ず、自らの作り出した魔物に食い荒らされ、人族の人口は半数以下に減少したのです”
「ちょっ・・・本当に?!これ、史実に基づいた創世記なの?!」
黒ちゃんが迷惑そうに眼を細めているけど、頷いてくれた。嘘でしょ?!人族が愚かすぎて・・・何だか・・・
私は異世界の人間だけど・・・どこの人間も変わんなさ過ぎて、情けなくて!ソファに倒れ込んだんだ・・・!!
魔王城の図書室で、お勉強です。読書の回が何回か続く予定です^^;
ブックマーク、評価ありがとうございます!嬉しいです^^




