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溺れる先の藁なら・・・貴方がいい。

暗闇の中、ぐんぐんと底に向かって・・・落ちていく・・・。


この感覚・・・前に嫌っていうほど・・・味わったような・・・?


・・・?!底に着いたのか、ブニョブニョに柔らかい闇の中に、私は沈み込んでいった・・・。


「んぶっ?!ぷっはあああああ??!!!!」

沈み込んだ先で、空気が一気に肺に入ってきて、溺れそうになった。空気で溺れるって・・・

「あはっ!ぶくくく・・・っ!久しぶりに会ったのに、君って・・・w相変わらず汚い顔だねぇ!!」

目の前に、私を指差してゲラゲラと不躾に笑う男がいる・・・忘れたくても、忘れられない・・・神だ。

「何で・・・?もしかして・・・私、また死んだの?」

涙と鼻水と・・・たぶん、涎も出ているかもしれない顔を押さえて、思いの丈を叫んだ!!


「こんの、似非!神があああああ~~~!!!!」

もう一回死んだショックより、先ずは言いたい事が沢山あるんだ!夢と希望をいっぱいに詰め込んで、異世界転生したのに・・・!あんな荒地に落としてくれちゃってさ!!!

神の胸倉を掴もうと伸ばした手は、ひらりとかわされたっ・・・ぐぬぬ!!

「そんな怖い顔してないでさ、笑いなよぉ?君が言ったんじゃないか!」

ほら!って、神が指さした所にモニターが現れた。映し出されたのは、あの日の私・・・?


『「っく・・・ふぅ・・・」

止まったはずの涙が、また溢れてきた。私だって、巻き込まれて死んじゃうモブじゃなくて、

主役になってみたい。派手な物語じゃなくて良いんだ。のんびり、日々を大事に生きるような、そんな物語が良い。

「私はっ誰かがっ・・・作った物語じゃなくてっ・・・ぐすっ誰かのための物語じゃなくてっ・・・ズズッ」

私は顔面をたれ流れるもので、ぐちゃぐちゃにしながら叫んだ。

「わっ私だけの物語で・・・命を燃やして、精一杯生きでみだいんですうう!!!!」』


「ね?命燃やしてみたいんでしょ?だからぁ一番何もない所を、わざわざ選んで落としてあげたんだよぉ?」

僕、悪くないでしょ??と笑った神の顔は・・・ニタリと歪んでいて、まるで悪魔みたいだった。

いや、本当に神は神でも・・・邪神なんじゃないの?!

全身に鳥肌が立って、思わず後ずさった。数歩下がった所で、背中が温かい何かにぶつかった?!

「・・・っ?!・・・あ、眼鏡のお兄さん!!!」

会いたかった!お兄さんには、本当に感謝してるんだから!!

「はぁ・・・おふざけも程々にして下さい。貴女も、顔を拭きなさい」

神を見て、呆れた顔をしたお兄さんが、私にハンカチを渡してくれた。うう・・・身に染みるよぉ。

「ぶっ・・・あはははは!!ウケる!本気にしたぁ?!」

のけ反りながら笑った神は、クルクルと回りながら、何処かに行ってしまった・・・嵐かな?!


貸してもらったハンカチで顔を拭うと、眼鏡のお兄さんが、虹色の液体が入ったグラスを差し出した。

「不思議な色・・・何でしょうか?これは」

「神のみそ汁です」

「ん?」

「内容物は神しか知らないものです。でも、今の貴女には必要なものです。飲みなさい」

最後は命令口調で言われた・・・拒否権は無いのかな?!お兄さんを見たら、コクリと頷かれた。

神のみそ汁・・・神のみぞ知るってか?!ええい・・・もう~!!!鼻を押さえて、一気に呷ったよ!!


味は・・・無い?!・・・喉を通り過ぎ、体の中に染み渡っていく・・・これ、何?!

不快感は無くて・・・体はたぶん受け入れ・・・てる。私の体に必要なものだってのは、わかった。けど・・・

「けどっ!気分的には、すっごおおく!不服申し立てしたいんですけどお?!!」

叫んだ瞬間、また足元がずぶり・・・と沈み始めた。私の頭が沈みきる前に、お兄さんが言った。

「鞄の中を良く確認して下さい。神の依り代の・・・が有り・・・す。困ったと・・・は・・・・」

何?!最後まで聞こえなかったよぉ?!聞き返す間もなく、私はまた真っ逆さまに落ちていった。


「っ・・・?!」

暗転から目に飛び込んできたのは、見慣れた天井で・・・。体を温かくて、力強い腕に抱き締められていた。

頬にかかる黒髪が、くすぐったい。抱き締められるのは・・・もう何度目だろうか?

覚えてしまった匂いに、その包み込まれる安心感に、ほっとして私も抱き締め返した。

「・・・リガルド様・・・おはようございます?」

「・・・・っ」

リガルド様は何も言わずに、私を抱き締める腕の力を・・・強めたんだ・・・。


「ぷっくくく・・・最後まで、言えないでやんの!」

私を指差して笑う神の、人差し指をぐにゃりと曲げてやりたいものです。

「いつまでもふざけていないで下さい。次の世界を覗いてみましょう」

「はいはい~。次は何だっけ?勇者がいるとこね。あっちはまだ、マシな人間が多いと良いんだけどね~」

ケラケラと笑った神がかざした手に、丸い星が映る。あの勇者と魔法使いは・・・。


てな感じで、カエサル達の世界を管理しているのも、この神かもしれません。

「信じるか信じないかは・・・君次第だよぉ~?」

「はぁ・・・誰に話しかけてるんですか?真面目に仕事して下さい」


ブックマーク、評価嬉しいです!ありがとうございます^^

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