海底神殿に行こう!4
「あ?・・・・はい・・・?」
驚きすぎて開いたままの私の口を、リガルド様がそっと閉じてくれた。
目の前にいる元石像の女性は、パール感のある天色の髪を揺らめかせ、光の加減で色が変わる、美しい宝石眼を私に向けている。アレキサンドライトみたいで綺麗・・・!
でも、笑顔での圧が凄い・・・私は鞄から、可愛いデコレーションのカップケーキを取り出した。
ふた口程で食べきれるサイズで、ピンク色のクリームが薔薇の花びらみたいで、凄く可愛いんだ。
「何だそれは」
「リガルド様も、どうぞ!」
リガルド様の分も出して、二人に同時に渡した。女性は宝石眼を煌めかせて、カップケーキをじっくり眺めている。リガルド様はちらっと薔薇を眺めてから、口の中にポイっと放り込んだ。
「む・・・甘い」
リガルド様には少し甘すぎたみたい。でも手を差し出してくるから、おかわりは要るんだね?!
あ、リガルド様がおかわりを食べ始めてのを見て、女性が慌ててカップケーキに噛り付いた。
慌てなくても、おかわり有りますよ・・・?
「んっ!きゃああああ~~っ??!!美味しい!綺麗で可愛くって、こんなに美味しいなんて~~っ?!!」
ピンクに染まる愛らしい頬に両手を添えて、女性がクネクネと悶えている。リアクションが、大きい人だな・・・と思いながら、差し出された女性の手におかわりのカップケーキを乗せた。
女性の周りに飛んでいた妖精さん達も、ソワソワとしだしたので、一個ずつ渡してあげたよ!
皆が満足するまで食べ終わると、口元を優雅に拭った女性が私に向かって微笑んだ。
「貴方(の出すお菓子が)気に入ったわ!特別に私と契約させてあげるわ!」
にこ~っっと微笑んだ女性の背後から、また水色のレーザービームが伸びている・・・機嫌が良いと光るシステムなのかな?!
「え・・・?あ、はい!あ、ありがとうございます・・・?」
女性の正体を確かめる前に、勢いに押されて返事をしてしまった・・・。
「私は水の上位精霊、ウンディーネ!貴女の味方になちゃうぞ!☆」
バチコーンとウインクをしながらポーズを決めた、女性の額に青く輝く魔法陣が浮かび上がった。
「う、ウンディーネええ??!!!」
ビッグネームに驚いて、思わず名前を叫んだ私の口の中に、青い魔方陣んが飛び込んできたよ?!
「ん?!・・・ぐっ・・・ごくん・・・」
の、飲み込んじゃった・・・!!暖かく爽やかなものが喉をするりと通り過ぎ、私の中に何かが染み渡っていったんだ。
「はい、契約完了~~っ!これからヨロシクねん☆」
か、軽い・・・!!女性がニコニコしながら、私に抱き着いて来た。よく見たら、浮いていたんだね?!
体重を全く感じさせない・・・。私に抱き着いたウンディーネを、リガルド様が引き剝がした。
「用事が済んだなら、城に戻るぞ。外気を洗浄するのだろう?」
「あ・・・はい!さっき、魔法陣みたいなのを飲み込んじゃったんですけど、大丈夫でしょうか?!」
後でお腹が痛くなったら嫌だな・・・。眉尻を下げてお腹を撫でていると、リガルド様がその手を掴んで、引き寄せられた。
「契約の陣を結んだだけだ。腹は壊さん」
ニヤリと笑って、頬を撫でられた!ちょ・・・っ恥ずかしいから、お腹の話はしないで下さい!!
焦る私を抱きしめたまま、リガルド様は魔王城に向かって転移した。
「あっ!ウンディーネを忘れてきましたよ?!」
「問題ない、お前が呼べば何処にいても現れるだろう」
リガルド様に手を引かれて、城の外の野菜畑に向かった。空はもう夕暮れに向かっている。
「呼んでみろ」
「え~と・・・出でよ、ウンディーネ?!」
シェ〇ロンを呼び出す時みたいな感じで、呼んでみたよ!初☆召喚!モクモクと水色の水蒸気が表れて・・・膨れ上がると、パーン!と弾けた!!
「はぁ~~い!呼ばれて飛び出て、ジャジャジャジャーン!!☆」
ノリが良すぎる・・・!!片手を後頭部に添え、もう片手は投げキッスをしている。くねった腰つきも大サービスだ・・・?!
「「・・・」」
眉間をぎゅっと顰めるリガルド様と、リアクションが出来ずにアワアワする私を置き去りにして、ウンディーネが興味深そうにふよふよキョロキョロしている。
「願い事はなぁに??」
「先ずは畑回り・・・城の周りの空気を浄化できますか?出来たら、消臭もお願いしたいです!」
ウンディーネが「ふうん?」と言って、小首を傾げた。
「見たところ、広範囲で空気が汚れているみたいだけど?その範囲で良いのかしら?」
「あ、じゃあ!ウンディーネの可能な限り浄化して欲しいです!!」
「わかったわ!じゃあ、いっただきまぁ~す♡」
「おい!待て!!」
「え・・・?」
リガルド様の制止する声が聞こえたと思ったら、体の中からごっそり何かを奪われて、眩暈がした。
傾く視界の端で、リガルド様が手を伸ばしている・・・ああ、その表情・・・初めて見るなぁ・・・
そこで私の意識は、ぶっつりと途切れたのだった・・・。
サブタイトル変更しました。思えば、森の中では無いですもんね^^;
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