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ある日、森の中できみに出会った・・・

さっき更新しようとしたら、「噓でしょ・・・こんな・・・こんなものが・・・!!」の部分しか残っておらず、書いた分が白紙になっていて、ちょっと絶句しました。

文章が状況にハマっていて、笑って良いのやら、ショックを受けていいのやら、判断がつかなかったです。

「噓でしょ・・・こんな・・・こんなものが・・・!!」

この森で出会ったその生き物に、私は驚きすぎて開いた口が閉じられなかったんだ・・・。



快晴の空を、魔王城が音も無く飛んで行く・・・。

今日はリガルド様と一緒に、エルフの森へお出かけだ。私は城のバルコニーから、眼下に流れる景色を眺めている。

何もない荒地が終わり、段々と緑が増えていく。背の高い木々が生い茂り、どこまでも続く森が見えてきた。

「ほっ本当に森がある!あ~っ!新鮮な空気が美味しい~!!」

この世界に来てから初めて感じる解放感に、私は嬉しくなって息を大きく吸い込んだ。


「こんなに緑豊かな森なら、良い土が貰えそうですね!」

今日は汚れても良いように、浅緑色のツナギを着ている。リガルド様には面白がって、じろじろ見られたけど、異世界遠足に可愛いは・・・必要ないよね?!動きやすさ重視だよ!!

綺麗なタンポポ色のリボンが巻かれた、麦わら帽子を被っているのは・・・迷子防止の目印だ。別に意味なんか無い。

「今日のお前は、虫の蛹のようだな。森で見失いそうだ」

くっくっと笑うリガルド様の為では、絶対にない・・・!頬を膨らませた私を見て、リガルド様が目を細めて笑った。

「何を膨れている?」

「別に、膨れてませんけども?!」

虫の蛹に例えられて喜ぶ女がいたら、会ってみたいもんですけどね?!


「ふむ・・・では、違うものに例えるか?」

「え?!ぎゃああ?!」

リガルド様は私を抱き寄せると、そのままバルコニーの手摺を蹴って、城下へ飛び下りた。おっ落ちる!!

私はギュッと目をつむって、リガルド様にしがみついた。

落ちていた体がふっと軽くなった気がして、そろりと片目を開けてみると、なぜが私達は森の中に立っていた。

「あ、あれ?!」

足を見たら、ちゃんと土の上に立っている。え?!


「そろそろ口を閉じたらどうだ?ふ・・・面白い顔だな。転移は初めてか?」

リガルド様の指で、ポカンと開いたままの私の口が閉じられた。そのまま、ついでに頬をするりと撫でていく。

「!!て、転移はこの世界に来た時に一度だけ。落ちると思っていたから・・・頭が理解できなくて!」

転移できるなら、あの飛び降りる動作は必要だっただろうか?!すごい吃驚したんだけど!!!

リガルド様は深緋色の目を細めて、にやにやと笑っている。あ・・・遊ばれた?!

「ついて来い。良いものを見せてやろう」

睨みつけている私の髪を撫でると、リガルド様は私の手を引いて、森の中を歩き出した。


木々の間をゆっくりと歩いていく。足元には様々な種類の草花が咲いていて、とっても綺麗・・・。

・・・気持ちが落ち着いてきた。深く深呼吸して、私は森の香りを体全体で楽しんだ。

「ん、甘い・・・香り?」

リガルド様に導かれて、甘い香りの方に歩いて行く。

リガルド様は木の陰に隠れる様に立ち止まると、私をちらりと見てから、指で何かを指し示した。

ん?指の先に目を向けると、そこには・・・そ、そこには!!

「う、噓でしょ・・・こんな・・・こんなかわっ可愛い生き物が?!」


はんわあああああ!!!!と両手で口を押えて悶える私を、リガルド様が眉間に皺を寄せて見ている。

私が熱く見つめる先を見て、私をじっと見て、意味が分からんと首を傾げている。

「だって・・・だって、あんなの可愛すぎる!!」

私達の目の前で、ふわふわ、もこもこの黄色いクマちゃんズが・・・巨大な花から蜜を集めていたんだよ?!

驚きと感動で震える私は、クマちゃんズから目が離せない。例え花の口から牙が生えていたり、うねうねと動き回る茎や葉が高速で地面を叩いていたり、それをクマちゃんズが避けながら、蜜を集めていてもだ。

「あれが可愛いのか。・・・壊れてはいないようだが」

リガルド様が私の目を指で見開いて、覗き込む。痛いです!!壊れてなんかないですよ!!!


「つまらん。蛹が気に入らないというから、お前に似ているものを見せたのだが。・・・」

「私とあの可愛いクマちゃんズが似てるだなんて・・・そんなぁ?!」

きゃ~っとなって、思いっきりリガルド様を叩いてしまった。バチンッと大きな音が響くと、クマちゃんズと巨大な花がぴたりと動きを止めて、こっちを振り向いた。

「あ・・・っ」

っという間に、クマちゃんズが散開していく。ちょっ!待ってええええ??!!!!

慌てる私の横に居たリガルド様が、一瞬消えたかと思ったら両手にクマちゃんズを一匹ずつ掴んで、また現れた。

「くっクマ~!!猫掴みが可哀そうだけど・・・近くで見ても、可愛い~!!」

リガルド様に首の後ろを掴まれて、ぶらんと四肢を垂らしている、ふわもこのクマちゃんズが可愛い。


「・・・牙を剝いて、お前を威嚇してるのが見えんのか?」

リガルド様の呆れたような声は、今の私には全然聞こえていなかった。




落ち着いて対処しようと思って、あまりカチカチやらないようにして、少し前に戻る矢印を押していくと、「噓」から一字ずつ復元していって、一言も発せず無表情だったけど、もの凄く嬉しかったです。ブックマーク、評価嬉しいです。ありがとうございます!

更新お待たせいたしました!!


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