はじまりは突然にやって来る。
はじめまして、こんにちは。ZOILIAと、申します。
初めて異世界物語を書きます。読むのは大好きですが、文章力は、これから努力していきたいです。生ぬるい目で読んでいただけたら、幸いです。
「私はっ誰かがっ・・・作った物語じゃなくてっ・・・ぐすっ
誰かのための物語じゃなくてっ・・・ズズッ」
私は顔面を、垂れ流れるもので、ぐちゃぐちゃにしながら叫んだ。
「わっ私だけの物語で・・・命を燃やして、精一杯生きでみだいんですうう!!!!」
目の前でにやにやと笑いながら、
涅槃像みたいに寝転がって私を見ている(自称)神(なんかもう、様はつけたくない)と、
私の一挙手一投足をもれなく記録し続ける、冷血眼鏡(神の補佐官らしい)二人に向かってだ。
「ぷっくくくっ・・・汚っない顔おおっ」
腹を抱えながら、私を指さして、神は笑い転げている。
「で、どんな物語を生きたいわけえ?」
「素敵な勇者と命をかけた恋物語?ぷぷっ・・・それとも、非業の死を遂げるお姫様の物語?あはっウケる」
私はぶるぶると震えながら、拳を握りしめる。
何なら噛みしめた唇から、血を流しながら。悔しくて悔しくて
なんで私がこんな目にあっているのかって言えば、一言で言えば、とばっちりだ。
どこの誰かも知らない、バカップルの痴情のもつれに巻き込まれて、死んだからだ。
そう、こんなふうに・・・・!!
「あ、回想しちゃってる?」
「してますね」
外野がうるさい!
私は地下鉄のホームで、大好きな異世界転生ものの小説を、表情筋に気をつけながら読んでいた。
物語の中で繰り広げられる、ヒロインたちによる勇者の取り合いシーン(ハーレムってやつですか)
猫耳、エルフに、魔女っ娘、はては男の娘まで出てくる始末。実にけしからん。
背後から時々聞こえる、現実世界の怒鳴り声なんて聞こえていなくて。
時々、何かがぶつかるなぁなんてどこか遠く、意識の外で感じてたくらいで・・・
異世界の恋のバトルが微笑ましくて、つい、声が出てしまったんだ。
「ふふっ・・・」
小さく、ほんの小さく笑ったつもりだったのに、突然誰かに強く背中を押されて、驚いて振り向いた。
「あんた!何笑ってんのよ!!」
強い力で突き飛ばされた私の体は、ホームに投げ出されて・・・
鬼の形相で、私を突き飛ばした女の人かな?とその後ろで泣いてる女の子と・・・
目を見開いて私を見る・・・ちょっとイケメンのお兄さん。
「あっ」
お兄さんと目が合ったな・・・と思った時には、体中が砕けるような痛みを感じて、
私の意識はそこで途切れたんだ・・・けど
「み~つけたぁ~www」
私が意識を飛ばした瞬間。私が完全に砕けて死んだ瞬間(詳細は割愛させていただきますが)
ホームの中の人々も、電車も、そこに在る全てのものの、時間が停止したようで・・・
誰かの楽しそうな声(もちろん自称、神)だけが響いたんだよね・・・
バレンタインにUPしたかったけど、間に合わず( ;∀;)