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八話

最終回です!


最終回にしようと思ったら思った以上に長くなってしまいましたw


誤字脱字がありましたらすみません<(_ _)>

俺は詩織を家まで送った後、いつも自分が収録する地下室に来ていた。


そういえば最近、LIVEをしてなかったな…

自分が有名になっていくにつれて忙しくなっていった。今度弾き語りライブでもしようかな。


今回発表することは、マネージャーさんにしっかりと確認をとり、何処まで言っていいのかを聞いていた。


噛まずに言えるかな…不安だ…

原稿は既に作ってある。暗記もした。一応カメラの奥側において置くけど、なるべく見ないようにしたい。


発表の予定は5時ジャスト。今の時刻は4時50分。残り10分だ。

もう既にLIVEの準備は出来ている。あとは時間を待つだけだ。


や、やばい…緊張してお腹痛くなってきた…



ーーピコーン


ん?こんな時にメッセージ?


スマホを見てみると詩織から、頑張れという言葉に可愛い絵文字でfight!!と書かれているのが送られてきた。


俺は手早くありがとう、とだけ返信する。


ーー緊張がほぐれていくのが感じられる。

お腹の痛みも消えた。


残り30秒。俺はヘッドホンをつける。

ーー3…2…1…


「皆さんこんにちは!WhiteCrowです!」


BGMに俺のヒット曲が流れる。

配信を始めた瞬間、閲覧数が3万を超す。

ものすごい勢いでコメントが流れていく。

「こんにちはー!」や「ファンですー」、「生だ!!」なんてのがチラッ見える。


さらにこの配信アプリでは、ギフトが出来るのですごい量のギフトが送られてくる。

俺はその数字を見てビックリしながらも平常心を保ち、原稿通り話を進めていく。


「今回LIVEを開いた目的はですね2つあります。Ywitterでも言ったんですけど、一応もう一度言いますね。1つ目は新曲について。2つ目は顔出しをすることです」


「きたー!!」「絶対イケメン!」「新曲!!」コメントがいっそう早く流れる。


「新曲の名前は『bully』意味は虐め、です。今まで私は鴉にちなんだ曲を歌ってきました。ですが今回、顔出しもすることもあり、自分の体験談を書きました。」


この新曲を書くことは詩織にも言っておいた。この曲によって詩織を傷つけてしまったら嫌だったから。


だけど、詩織は笑顔で「どこかにいる、私のように虐められていた人が助かるなら。それにWhiteCrowの曲だよ!?こんな話、もうないよ!!」と受け入れてくれた。最後には興奮していたけど…


コメントには、「ホワクロさん!虐められてたの!?」「大丈夫!?」「許さじっ!」

※ホワクロ(WhiteCrowの略称)

と流れていた。本当に有難い。


「皆さんありがとうございます。時間もないのでここらへんで、顔を見せていきたいと思います!」


俺はヘッドホンを取る。そしてもう一度、髪型などを鏡で確認……よしっ!


コメントでは忙しく「イケメン不可避!」「WAKWAK」「きたー!」等などが流れ、閲覧者は5万を超えていた。


俺はカメラにスイッチを切り替える。


「皆さん、改めてこんにちは!WhiteCrowです!」

俺は笑顔で手を振りながら改めて挨拶をした。


その瞬間、コメントが早くなり過ぎて読めないほどのスピードで流れた。

読めた中だと「マジでイケメン…」「きゃーーー!!!」「こ、こんな歌が上手くてイケメンな人間なんて認めない!!」があった。


ちょっ…そんな反応されると俺が混乱する…

俺はなんとか平常心を保って話し始める。


「僕は17歳、高校二年生で、学生やってます」


「学生!?」「わかっ!!」「年上かと思ってましたー」と反応してくれる。

やっぱりその衝撃が大きいだろう。


「住所とかは教えられませんが、学生なので多分会ったら分かってしまうかも知れませんね!」


「私も高校生だから会えるかも♪」「学生にもどりてー!」「会いたいいいい♡♡」とコメントをくれる。会ったら多分キョドってしまうかも…


「今日は発表だけだったのでもう閉じたいと思います。今度、弾き語りライブをこのアプリでしたいと思っているので良かったらまた来てください!」


最後の言葉は完璧アドリブだけど…多分いいよね?


「まじかー!」「弾き語り行きます!行きます!」「おつー!」とコメントが流れてくる。最終的に閲覧者は63253に上った。

多分この配信のためにみんなアプリをいてれくれたのかな?まじで嬉しい…


「ありがとうございましたー!!」


俺は手を振って配信を切った。


俺は一度、大きく息を吸って吐く、そしてふとコメントを見る。

流れすぎたコメントはまだ止まることなく続いている。


Ywitterを開いて今日のライブのお礼をワイートする。するとすごい勢いで返信、いいね、リワイートが増えていく。

その中にはもうニュースになってますよー!

というのもあった。


ま、まじか…ここまでとは…

ただの一介の男子高校生がこんなんなると、怖くなってくるよ…


するとスマホから電話の音が流れる。画面を見てみると詩織だった。


「はくあくん!おつかれさま!」

「ああ、ありがとう」

「かっこよかった!すんごく!!」

「あ、ああ。それはよかった」


反応に少し困る。


「そうだ。明日一緒に学校行かないか?」


俺は詩織と一緒に登校しようと誘う。


「うん!いいけど…大丈夫かな?」

「なにが?」

「だって…はくあくんもう有名人だし…」

「大丈夫だろ!学校でも髪長くて顔わからなかったし、マスクしていけば」

「そ、そうかなぁ?」


この時、俺は知らなかったのだ。

自分が世間に対してどれほど影響を持つかを…



ーーー


「あ、あのぉ…ホワクロですよね!」

「ファンです!サインくださいっ!!」

「好きです!付き合ってください!」


俺は人生最大のピンチを迎えていた…



それは朝のこと…


俺はいつもより早めにの電車に乗っていた。

詩織と一緒に登校するためだ。俺の高校へは電車で行って、降りた駅から徒歩で10分くらいの所に立地している。


なので詩織とはその降りた駅で待ち合わせしていた。


ばっちりマスクと伊達メガネを着用していた。伊達メガネは詩織がつけた方がいいと言われたので、至急買ってきたものだ。


「あ、すいません!」


後ろから女性がぶつかってきた。

俺と同じ制服を着てるから高校生かな。

この時間帯は満員なのかぎゅうぎゅうだった。恐らく足がもつれたのだろう。


ぶつかっただけなら良かった。しかし、その衝撃で、メガネが落ちてしまった。


その女子生徒と目が合う。すると彼女は俺の目をジーッと見てくる。


い、嫌な予感が…


「ほ、ほわくろ…」


彼女の声は満員電車の中に大きく響いた。


「あ、あのぉ…ホワクロですよね!」


女子生徒が興奮した様子で詰め寄ってくる。

詰め寄ってくると言っても満員電車だ。

身体を寄せつけてくると言った方が正しい。


その女子の声から波紋のように、ホワクロってあのWhiteCrow?本物!?まじ?と周りから聞こえてくる。


や、やばい!!

これじゃあすごい騒ぎになる…


俺は仕方なく待ち合わせの2個前の駅で降りる。まだ、騒ぎはそこまで広がっていなかったからすぐ降りられた。

しかし話を聞いた人達は、朝の忙しい時だというのに、追いかけてくる。


俺はため息をつきながら走って逃げた。


ーー追いかけてくる人たちをまけることは出来た。

でも、ここから歩いて学校に行かなければならない。


とりあえず詩織に連絡しよう。俺は詩織に電話をかける。


「もしもし、詩織、大変なんだ…」

「もしもし、はくあくん?Ywitterのトレンド、どういうこと?」

「え?なんのこと?」


俺は通話したままYwitterを開く。

そしてトレンドを見る。


「私…ホワクロに抱きついちゃった♡凄いかっこよくてやばい…鼻血でそう♡♡」


………ふぁ?

「え!?何これ!?」

「はくあくん、誰に抱きついてもらったのかな?」


電話ごしでもわかる。詩織さん怒ってる!


「いや、これは満員電車でな?多分目の前にいた女の子のことだと思うんだけど…」

「知らない!はくあくんに触っていいのは私だけだもん…」

「そ、そうだよな…」


俺はあまりの可愛さに悶絶する。


「と、とにかくだな。俺は騒ぎになっちゃうから途中で降りて歩いて学校行くから先に行っててくれ」

「……うん…わかった…」


通話が切れる。

最後の詩織の声、残念そうだったな…


俺はメガネとマスクをしっかりと装着し、早歩きで学校に向かった。



ーーー


それでも甘かった…


俺は学校に着くといきなり囲まれてしまったのだ。Ywitterで情報が拡散したらしい。


「サインください!」

「握手してください!!」

「ファンです!!」


俺はもみくちゃにされながらようやく教室に辿り着いた。丁度そのタイミングで鐘が鳴り、先生が来たところで周りにいた人たちは解散していった。

生徒を解散させた先生はちゃっかり後でサインくれない?せびるという始末だ。


チヤホヤされるのは別に嬉しくない訳では無い。……でも…正直、俺は内心冷めていた。


虐めを無視してきたのに、俺がWhiteCrowだと知った瞬間、いきなり態度が変わる。

もちろん、俺が虐められていたことを知らない人、元々の俺の顔を知らない人の方が多いだろう。

でもどうしてもそう思わざるを得ないのだ。


俺は教室に入る。既にホームルームの時間だから話しかけてくるやつはいなかったが、隣の女子生徒は、今まで2、3回くらいしか話したこともないのに、執拗に話しかけてくる。


俺はそれを愛想笑いしてあいずちを打ちながら考える。


ーー詩織はどうしてるかな……



ーーー


ーーキーンコーンカーンコーン♪


放課後になった。


俺は、放課後までにどれだけ知らない人に声をかけられたか…

休み時間になると俺の教室を廊下から多くの生徒が覗き見てくるし、トイレに行きたいのに、途中でサインください!って来てノート渡してくるし、ラブレターもかなりの量を貰った。


本当に…どうなってるんだ…


「おうおうー、はくあっち有名やん?」

「石山ぁ…」


俺になんの気兼ねもなく話しかけてくれる。

こんな石山みたいな存在が今一番ありがたい。


「はくあがホワクロだったのは知らなかったぜ!教えろよなぁー」

「お前口軽いからな。多分バラしてただろ?」

「そうかもなー!」


石山は詫びれる様子もなく返してくる。


「でもな…今有名はお前だけじゃないんだぜ?」

「へぇーそうなんだー」

「ああ、あっちの校舎のE組あるだろ?そのクラスでな…スッゲー美人が現れたらしい」


E組で?聞いたことないな…


「なんと!あの黒咲 詩織だったんだよ!!髪を切ってきててな?それは美人だった!」


あ、そっか…詩織はE組だったな。


「なんか反応悪いなぁ…まあいいや。それでだな、今まで虐められてたって言うから助けてあげるよ的なやつらがうじゃうじゃ湧いて、告白までする奴らが何十人もでたらしい」


……なんか、もやもやする…

俺の彼女なのに他の男が詩織に告白したりするのは。それに手のひら返しもいいとこだ。


「は、白鴉さんは、いらっしゃるでしょうか…?」


………いつも俺を呼びに来ていた川島の下っ端がヘコヘコしながらやってきた。


ヘコヘコしているわけは周りの人から睨まれているからだろう。


「はくあ、気を付けろよ」

「ああ、じゃあな石山」


俺は石山に別れを告げて、下っ端の後ろについて行く。下っ端は睨まれているのにビクビクしながら歩いている。


すると向かい側から詩織が、ヘコヘコする川島の手下に先導されてやってきた。

詩織の周りにもたくさんの人がいる。

俺の周りには女子が多め、詩織の周りには男子が多めだった。


「し、詩織…朝はゴメンな?」

「ぷんっ!はくあくんは周りの女の子たちに鼻の下伸ばしてるんだぁ」


ぷんぷんと聞こえるように口を膨らまして怒っている詩織を見ると、申し訳ないが可愛いと思ってしまう。


でも俺としてもこの状況は好ましくない。

詩織の周りに男子がいて、俺の周りに女子が侍っていることは。


詩織の周りにいるやつらに詩織は俺の彼女だから離れろ!と言ってやりたい…


「あのぉ~そろそろぉそこの教室に入っていただけないでしょうか…?」


川島の手下が申し訳なさそうに話しかけてくる。そこの教室を見てみると、俺らがあの日逃げ出したあの教室だった。


「黒咲さん!僕が一緒に行ってあげるよ」

「神谷くん!私もいるからね!」


俺たちを囲む男子、女子がしつこく話しかけてくる。少し…煩わしい。


俺らは一瞬顔を見合わせたが、詩織がぷいっとそっぽむいてしまった。悲しい…

俺は先に行ってしまう詩織を追いかけるように教室に入っていった。


「こんにちは。白鴉くん。詩織」


中に入ると部屋の中央に立っていた川島が話しかけてくる。…いつもより丁寧に。


すると、川島の後ろに並んでいた下っ端の中から、常に川島についている多少イケメン男がやってくる。


「詩織ちゃ~ん…すごい可愛いねぇ…」


詩織を舐めわますように見て舌なめずりをしている。

その気持ち悪さに、詩織は少しビクッとして俺の服の裾を掴む。


川島と多少イケメン男が近づいてくる。


「貴方って、あのWhiteCrowだったのね?びっくりしたわ。そこで提案なんだけど…私の彼氏にならない?私と付き合うなら詩織を虐めないし、この学校でも高い位置につけるわよ?」

「それじゃぁ…詩織ちゃんは俺と付き合おうぜ!楽しませてやるよぉ」


川島が俺に詰め寄ってくる。

しかし今の俺には川島など視界に入っていなかった。


俺の目には詩織に近づいていくあの男にしか映っていなかったのだ。


ーーもう…限界だ…周りの目なんか気にしてられるか。


俺は詩織の前に入り込み、詩織の腕を掴もうとする多少イケメン男の手をはたき落とす。


「なんだよ…お前さんには川島さんが…ゴハッァ………!!」


おれは男の顔面を殴り飛ばしていた。


「は、はくあくんっ!」


詩織が俺に抱きついてくる。さっきまで俺に対して怒ってたのに抱きついてくるとは…。あの男に詰め寄られるのが相当怖かったのだろう。


「なっ、な……」

「何してるの!私と付き合いなさい!!」


俺は川島らを無視して詩織の肩を掴む。


「ふぇ…?どうしたの、はくあく……んむっ」


俺は詩織にキスした。


俺は離れようとする詩織を強く抱き寄せる。


「んっ……ん…」


詩織の心音が聞こえる。

すごいスピードで動いている。多分俺も同じだろう。俺たちだけの時間が緩やかに流れていく。


キスしてどれくらいだっただろうか…

時間にすると一瞬だったのかもしれない。

いつの間にか詩織は拒むことをやめ、俺の背に手を回していた。


詩織の心音は緩やかに確かなリズムを刻んでいる。どうやら俺も落ち着いてきたようだ。


俺の唇は、詩織の桜色の小さな唇から少し惜しみながら離れていった。


「お、お前らなにを……」

「あ、あなたたち…いったい…」


俺達は目を合わせると互いにニヤリと笑った。


「俺は詩織の彼氏だ。俺の彼女に手を出すんじゃねえ!!」

「わ、私ははくあくんの彼女なんです!私の彼氏に手をだすなー!」


この後の話をざっくり。


キスした二人はYwitterをツールに付き合っていることが日本中に知れ渡ります。


白鴉くんと付き合っている女性ということで、もの凄い注目を浴びてしまう詩織。


注目が集まったことによって川島のいじめが発覚。川島&多分イケメン男(笑)も退学させられます。


暴力(殴ってしまった)白鴉は、逆に賞賛されて、白鴉と詩織はお似合いのカップルとして世の中に周知される。


そこで、二人は美男美女カップルとしてモデルをさせられる。さらに人気上昇……っとまぁこんなのをイメージしておりました。



この後少し修正を加え短編にしようと思います。

白鴉&詩織のイラストはTwitterの方で出来次第、載せます!


ここまで読んでくださりありがとうございました!


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