二話
俺の名前は神谷 白鴉、高校二年生だ。
はくあ、なんて名前すごいねってよく言われる。まぁ自分でもキラキラしてると感じる。
自分で言うのもなんだが俺は普通のそこらへんにいる男子高校生ではない。
俺は高校生だが歌手として活動している。
歌手名はWhiteCROW。
顔は出していなく、年齢も不詳。
最近はちょこちょこ有名になってきて、CDアルバムも出し、ランキングBest3に入った。
正直自分でも驚いている。
最初はネットで配信をしていて、ひっそりやっていたのだが、ある日音楽会社の方からでプロにならないか。というメッセージ貰ったので、怪しく思いながらもOKを出し、自分が作曲し歌った曲を送ったらいつの間にか有名になってしまった。
人気になっていくにつれて、やはりお金も入ってくるもので、今俺の口座には、高校生が持つようなレベルではないお金が入っている。少し怖い。
両親ともにちょい有名な音楽関係の仕事に就いてる。
そう思うとやっぱり俺にも両親の血が流れていたんだなと感じる。
その両親だが、今仕事の都合で海外に行っていて、俺はいま一人で生活することを余儀なくされた。
元々、両親が忙しかったから家にいることは少なく、家事は一通り出来る。一人でいてもいつもと変わらずに、少しギター弾いたり、作曲したりする毎日だ。
おれの自己紹介はこれくらいでいいだろう。
ーーーー
「それで、髪の長くて顔見えないレベルの女子生徒しらないか?」
「ああーあの人ねー」
俺はホームルームが終わると、早速この学校の情報屋と呼ばれている石山 悟の所へ行った。
こいつは中学の頃からの友達で、中2の時に情報を集めて記録することにハマってしまったらしい。
ストーキングはしてないから大丈夫だと言っているが…ちょっと将来が不安だ。
「名前は黒咲 詩織、隣の校舎の二年E組にいるよ。てか、お前も髪の長さのこと言えないだろ」
「まぁ…そうだけどね」
「髪切ったら結構イケメンなのになー」
そういう俺もかなり髪が長く、目が隠れるくらいになっている。
髪切るのがめんどくさいし、時間が勿体ない。だから切る時はいつも1000円カットだ。
それに俺はイケメンではないぞ。
「E組か…他に知ってることないか?」
「ああ、あの人だな…」
悟がちょいちょいと手招きして耳打ちを促す。言い難いことなのか。
「…ちょち、いじめにあってるらしい」
「……そうだったのか…」
俺は理解する。朝見せたオーバーな謝り方はこれから来ているのだと。
俺は隣の校舎の方向をむく。
少しでも助けになりたいな…
''俺の曲''を聴いてくれていた人だから
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