一話
一話一話が短くなると思いますがどうぞよろしくお願いします。
んーあのフレーズがいいかな。
あーいやでもこのリズムと合わないな。
俺はあーでもないこーでもないと考えながら、高校までの道のりを歩く。
ーーあっ、これいいかも…
俺は多くの学生が歩いている中で立ち止まってしまった。
ーーブォフッ
「いたっ」
背中に何かが当たる感触がした。
俺は後ろの人に当たってしまったのだと気づき、悪いことをしたと思いすぐに振り返った。
すると、そこには髪の毛がすごく長く、顔が隠れてしまっている女子生徒が顔を抑えて悶えていた。俺の背中に顔が当たったのだろう。
ふと少し顔が見えた。
ーーーっ…すごい可愛い…
小さい顔の中に、黒い宝石のように綺麗な瞳、すっとした鼻梁に、桜色の小ぶりな唇。
全てが完成されているように美しかった。
美人と言うより可愛い系かな。
「すいません!大丈夫ですか?」
俺はその女子生徒を心配して手を差し伸べる。
「ごめんなさいっ!」
女子生徒はすごい勢いで頭下げると走って行ってしまった。
「いや、悪いのは俺なんだけど…」
少しうるさくしてたからか、なんだなんだと周りに注目されている、俺は少し恥ずかしくなって下を向いた。
……ん?
下にワイヤレスイヤホンが落ちてる。
あの女子生徒のものだろうか。
ぶつかった時に落ちてしまったのだろう。
届けに行かないと。
もしあの人のものじゃなかったら、落し物として先生に届ければいいしね。
俺はイヤホンを拾う。
俺はふとここで興味が湧いてしまった。
あの女子生徒がどんな曲を聞いているのかを。女子生徒は正直言って髪が長すぎて貞子みたいだった。
そんな子が聴いてる曲って言うのは気になるし、職業柄というものですよ…
俺はあれこれ理由をつけて自分を正当化しつつ、イヤホンを耳に近づけた。
ーーあっ!!
この曲は…
そう思った瞬間、端末との距離が遠くなったのか、接続が切れて音が消えた。
読んでくださってありがとうございます!
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