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盗まれた絵本の妖精

作者: 湖衣

盗まれた妖精①


少し未来で少し昔ののお話しです。


この星はいつも輝いていました。

輝きの中心には妖精がいました。


妖精は子ども達よりも小さく

鳩よりも小さく

雀よりも小さく

可愛い羽が生えています。


そう、蜂のように蝶のように

羽をパタパタ震わせます。

大人達には

妖精は

虫がなんかにしか見えていないようです。


妖精が、姿を現わすと

子供たちがたくさん集まってきます。

妖精は子供たちに絵本を読んで聞かせます。

絵本を読むのが妖精の仕事です。

ある日、子どもたちの中に1人の大人が混じっていました。

普通の大人ではありません。

それはそれは美しい人でした。

聞くと他の星からやってきた宇宙人でした。


地球の輝く光に惹かれて地球にやってきた宇宙人。

彼女はは毎日こどもたちと一緒に絵本を楽しみます。


さて

今日の絵本は何でしょう。


妖精「あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました」

宇宙人「ちょっと待ってください。

お爺さんとお婆さんというのは何ですか?」

妖精は絵本の中の腰の曲がったお爺さんと白髪頭のお婆さんを指して言います。

妖精「ほらこの人がお爺さん、この人がお婆さん」

宇宙人「お爺さんとお婆さんとは普通の人とは違うのですか?」

妖精「男の人が歳をとるとお爺さん、女の人が歳をとるとお婆さんになるでしょ」

妖精は小さな羽根を羽ばたかせながら言います。

宇宙人は、その絵をジーッと見ています。

宇宙人「ああ、タロちゃんちのおうちのヤスベェさんをおじいちゃんと呼んでいました。おじいちゃんはお爺さん、ヤスベェさんはおじいさんですか」

タロちゃん「そうだよ」

宇宙人「みなちゃんちのユウコさんはおばあちゃんって呼ばれてました。おばあちゃんはおばあさん、ユウコさんはおばあさんですね」

みなちゃん「そうよ。

宇宙さんの星にはおじいちゃんやおばあちゃんはいないの」

みなちゃんは子ども達の中で一番好奇心いっぱいです。

あ、そうそう、宇宙人は宇宙さんって呼ばれいます。

宇宙人「はい、いません」

みなちゃん「どうして?」

タロちゃん「宇宙さんは何才?」

タロちゃんは宇宙さんがとっても綺麗なのでお嫁さんにしたいと思っていました。

宇宙人「多分100才くらいだと思います。

子ども達「えー!うそー」

もう、今日は絵本は読めません。



盗まれた妖精②へつづく


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