気がついて海の底
第一章
僕は目が覚めた。
そりゃぁ寝たら目が覚めるのは
当然だけど
時々ある
眠りについて
すぐに目が覚めたような睡眠だった。
寝た気がしない。
夢も見なかったが
そんなに疲れてたかな
まぁ、良いか
二度寝しようかな。
再び目を閉じて凪ぎのような快楽に
身を預ける。
しかし
突如、二度寝は危険だと脳内が騒ぎだす。
0から100へと
振りきるように
脳を無理矢理に
覚醒させて起き上がり
普段から枕元に置いてる
携帯を探す
何故、目覚ましがならなかった!?
仕事は遅刻か!?
ってか、今は何時何分だ!?
、、、あ?
ぁ、夢じゃなかったか。
目の前に広がる光景は
質素で無機質な部屋と
そんな部屋と釣り合わない台座に
フヨフヨ浮いてる光る玉。
あぁ、せっかく
気持ち良く起きたのに
変な習慣のせいで
変な汗をかいちゃった。
僕は寝起きでボッーとする頭のまま
ベッドから降りて
部屋を出て教会を出る
向かう目的地は
ファンタジーな滝だ。
世界が変わろうとも
今まで行ってきた習慣は
変わらない。
さっきの寝起きの時みたいにね。
つまりは顔と歯を洗いたいのだ
大きなため息をつきながら歩き
ファンタジーな滝に到着する。
結構すごい勢いで
水が流れ出て
水溜まりに落ちていく。
水溜まりと言っているが
そこそこの大きさだ。
5メートル×5メートルあるんじゃないかな?
と言うことは沼?池?
、、、。
水溜まりでいいか。
水溜まりの大きさも
昨日と変わってないみたいだ
ありがたい。
寝てる時に部屋に浸水して
文字通りに
寝耳に水を体験したくないしね。
そんなつまらない事を考え
水溜まりに近づき
まずは口の中を洗うべく
両手で水をすくい
口に、、、
しょっぱいぃぃーー!!
口から水を吹き出しながら
目を見開く。
はぁ?
なんだこれ海水か?
水溜まりを良く見ると
僕と同じく
逃げ場がなく
水溜まりの中を回游してる魚と
数多くの魚の骨が底に
沈んでいた。
マジか
真水と思っていたが海水だったとは
これでは顔も洗えないし
お風呂も無理だな、、、。
いや、ドラム缶が無いか
回游してる魚も
異世界産の魚だから
あんな小さいのに肉食かも
しれないし
僕の知らない寄生虫や病気が
あるかもしれない。
まぁ、知ってる寄生虫や病気は
ほとんど無いんだが、、、。
落胆してもう一眠り
しようかと
回れ右して歩きだし
2~3分歩いて
ザワザワと胸が騒ぎだし
嫌な事が頭にちらつく
もしかして
このファンタジーな滝は
ダンジョンの出入口で
僕のダンジョンは海に沈んでいるんじゃ、、
また変な汗をかいてきた
と、言うことは
このダンジョンは完全な密室で
僕も外に出て
異世界の美女や料理!
冒険者ギルドに行商人ごっこも
楽しいイベントにも出会えない!
絶望だ、、、。
ハードモード過ぎるよ
神様、、、。
こんな仕打ちを受けるほど
悪行をしたことないよ。
まぁ、善行もしてないんだがな。
肩を落として
教会へと帰るのだった。
部屋に戻り
亡者の如き足取りで
光る玉を手にとって
ベッドに倒れこむ。
あぁ、、、。
温もりが欲しい
癒しが欲しい
光る玉を撫で回しながら
無いものを求める。
棒グラフ
モンスターのメニュー
ダンジョンの製作
目の前の文字が
忙しく変わる。
嗚呼、辛いよー
もう嫌だよー
など呟きながら
飼っていた犬を思い出しながら
撫で回す。
ふと、目の前に
召喚出来るモンスター覧の
スライムの文字が目に飛び込み
撫で回していた手が止まる。
少し変わっていたのだ。
光る玉と違う色で
スライムの文字が光っていたのだ。
昨日とは違う所、、、。
僅か2日で
これから変わることない毎日を
永遠に送るんだと
絶望に心が染まり
逃れることが出来ぬ恐怖の重さに
折れそうになっていた。
そんな自分を照らし救ってくれる
太陽の光のように
眩しく見える。
輝くスライムの文字。
もしかしてと、思い
スケルトンを探す
案の定
スケルトンの文字も輝いていた。
そして
所持してるポイントは
113DPと書いてある。
僕の知ってる
ライトな小説に
ダンジョンポイントと言う概念があったが
あれは人間を殺したり
一定時間ダンジョンに
足止めしなければ貰えなかったはず、、、。
だから、小説の中の主人公達は
町を作ったり
色々な工夫をしていた
僕には町を作り上げるほど
器用じゃない
町作りのゲームで
友達との対戦し勝率は高めだけど
対戦後に
「独裁国家が出来とる、、、。」
と言われたくらいのセンスだ。
まず戦争や争いは避けられないだろう。
もはや、そこまでのイベントは
僕は求めない
ただ、、、。
ただ僕は生きていくための
支えが欲しい
頑張るための
生き甲斐が欲しい。
それさえあれば
僕は頑張れると思う。
元気な時は頑張れても
きっと途中で疲れて
くたびれてしまうだろう。
そんな時
誰かに支えて欲しい
傍にいて欲しい、、、。
僕が小学校の時に拾った愛猫は
ほぼノラ猫状態で
愛猫のみ知っている出口から
外に出て
ご飯を食べに帰って来て
外に出て
寝に帰って来て
起きたら外に出て行っていた。
だけど、
僕が辛い時や傷ついた日は
部屋のドアをジャンプして開けて
一緒に寝てくれた。
あの温もりが恋しい、、、。
前の世界でも
彼女は僕ではなく
公務員のオジサンを選んで結婚していった。
正しく硬い選択だろう。
だけど、
どうしようもなく
悔しくて
憎くて
辛くて
自分でも訳がわからない感情が
溢れだし我慢出来なくなった時に思い出す。
僕に期待されていないとわかる
あの彼女の目を。
だけど
彼女の全てを愛し
駄目な僕を愛してくれた。
また誰かを抱きしめたい、、、。
呼び出した神様にも期待されず
傷つく事を怖れて
今まで逃げに逃げてきた男の
嘘にまみれ
ずるくて
都合が良い
この願いを許して
僕の手を握ってくれる。
そんなモンスターを望んで
願いを込めて
スライムとスケルトンの
名前を指で押した。
やっと5ページ?6ページ?かな
まだまだこれからですが
頑張りますよ!
良ければ応援
お願いします!