表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は海の底のダンジョンで眠り続ける  作者: 囮のイがラム
4/19

自己嫌悪たっぷり海の底





僕は寝そべって

星空を見上げ

心を落ち着かせた。

しばらくして再び周りを見渡した。

どれくらい時間が経っただろう


見えるのは

相変わらずの


草原と花


石造りの教会


デカイ月と星空


あれ?こんなのあったっけ?

今、気づいたが僕の後ろには

人がギリギリ通れる幅の穴……か?

例えるなら

アニメで見た

青いネコ型ロボットの

タイムマシンの入り口のような

黒い穴が空中に浮いており

その穴からは

大量の水が流れ出て

小さな池を作り出していた。


現実離れした穴に

興味を持った僕は立ち上がり

穴を覗きこんだ。


穴の中を目を凝らして見ても

光は見えず闇が広がっていた。

ふと、定番の言葉が頭を過る…

人が深淵を覗くとき

深淵もまたこちらを覗いている。のだと…

誰か居たら笑い話だが

1人だとちょっと笑えないな。

鳥肌がたってきた


一刻も早く深淵から離れるために

救いを求める民の如く

教会に向かって歩きだした。


歩きながら

しょうもない思考が浮かび上がっていた


異世界に行くなら

ちゃんと勉強はしたかった、と。

神様も異世界に連れていくなら

前もって知らせてくれてもいいのに…

僕は異世界転移小説によくある

マヨネーズやら

味噌、醤油やら

様々な嗜好品の原材料を知ってるが

製造方法を知っている訳でもない。

この時点で料理で異世界交流は

到底不可能と言わざるを得ない。


でもまぁ

悪い事ばかりではない。

僕が魔王だと言うならば

ここがダンジョンだと言うこと。

だとしたら

そう遠くないうちに

魔王友達が出来て

心踊るダンジョンバトル大会とか

様々なイベントが待っているに違いない。

それに、僕は神様から直々に呼ばれているし

使命の内容も

・生き続けろ

の1つだ。

恐らく弱肉強食の世界で

生き続き強くなれ!

と、言う意味を……


…いや、無いな。

色々考えて誤魔化しているがわかっているんだ。


明らかな神様からの失望を。

元の世界に居ても

異世界に来ても

変わらない自分の存在価値。

必要とされない虚無感

誤魔化しか出来ない無力感


自己嫌悪スパイラルに

陥りながら

トボトボ歩いていく

何度も自分を誤魔化し

溜め息を吐いた





しばらくして教会に到着した。


教会は思ったより大きく

扉も両開きで細工は細やかで良い仕事をしている。

イメージ通りの教会を

少しボロボロにした感じだ



僕は片方の扉を開き

教会の中に入った。

ゲームであれば効果音が流れて

『~不思議空間の古びた教会~』

なんて出るんだろうな

自分で考え

自嘲気味に笑い飛ばした



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ