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僕は海の底のダンジョンで眠り続ける  作者: 囮のイがラム
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産まれて初めて海の底

牙は口からはみ出ていて

角は額から1本伸びていて

ワニの様な顔をしていて

腕は無く

美しい青色の鱗が蛇の様な身体を包んでいた。


その海竜がブレスを吐き終わった



僅か3分間の出来事。

声も出せずにいた3分

そう。

たった3分間でブレスが直撃した。


戦えたんじゃない

3分しか持たなかったんだ。


海竜の近くに、証拠だ!と言わんばかりの

土煙が舞っていた。




カララがブレスに直撃したのを

目撃したわけではない。

しかし、あれを受けてただでは済まないのだろう。

気が遠くなっていく、、、。


もっと考えて作戦を立てれば良かった。後悔

なぜ、僕らがこんな目に会わなければいけないのか。怒り

カララもブレスを受けては駄目だろう。悲しみ

が心の中に渦巻いて積もっていく。

僕は土煙が立ち込める

その中を見ていた


見えるはずがないのに

ただ見つめていた。



呆然と立ち尽くす僕を見向きもせず

海竜も土煙に顔を近づけて見ていた。

いや、探していた


恐らくカララの最後を見るまで

気が済まないのだろう



そう考えると

胸の熱い気持ちに

黒い感情が入り交じる

手が震え

叫びたい衝動にかられる


スラコはずっと

頭の上に乗ってじっとしていた。

動揺する訳でもなく

ずっと一部始終を見ていた


何か確信があるのか?

カララを信じてるのか?

そうだ、カララが吹き飛ばされた時も

スラコはわかっていた


まだ、大丈夫。

カララは生きている!

スケルトンはアンデットだけど

生きてるって表現で良いのかな?



大丈夫と思っても

僕の胸はずっと渦巻いている。

涙が出そうなほど感情が滾っている。


ゲームやアニメの中で

主人公達はどうしていただろうか。

彼らもこんな気持ちだったのだろうか


不安で不安で堪らない。

絶望的な状況下で

そんな中で何をしてたっけ?

考えれば考えるほど

頭の中が真っ白になっていく


何が足りないんだ?

アニメの中の彼らと

僕は何が違う?


色々なアニメの熱いシーンを

思い出して考える

熱いBGM

心を震わせる歌

ド派手な必殺技

などなど、、、。


どれも無い。

僕にできない。

僕が出来る事、、、


第1にアニメと現実を一緒にするなんて

バカじゃないのか?

いや、しかし

だけど、僕にはこれしか無い。



、、、。

1つ思い出して

カチリと歯車がハマる音がした


馬鹿馬鹿しいが

ほとんどのアニメでやっていて

僕にもできる事があった。

でも、こんなので現実が変わるはずがない



頭ではわかっている

心が、そうすべきだ!と背中をあと押す。が

けれど

口が震え

パクパクと躊躇する

しり込みしてしまう

視線はどんどん下に、、、



っと

僕が考えている間に

土煙は薄くなって

うっすらと見えるようになっていた。


スラコから教えられるまで

気づけなかった。

スラコは触手である箇所を指差す


「ん、、?あ、あぁ、、、。」


あと、1歩が踏み出せないまま

視線を土煙の中へと戻す



うっすらと見えた。

本当にうっすらと。


そこには

骸骨のシルエットが

見覚えある構えで

僕の目に映った



ブレスを受けてもなお

僕の指示した作戦の

海竜の攻撃を避けて攻撃を遂行しようとしている


カララはまだ諦めて居ない上に

僕を信じてくれている


なのに、僕は、、、。


胸が焼けるように熱い

心が震え

涙がこぼれ

カチリとハマった歯車が動きだし

1歩を踏み出した。


産まれて初めて

息をいっぱい吸い込んで叫んだ












「今だ!いけぇぇ!!カララァァァアーー!!!」




大声に海竜はチラリとこちらを初めて見た

そして

土煙から飛び出した1つの影。


やっと貰えた声援に背中を押され

まだ見つける事が出来ていない

海竜の顔に向けて飛び上がり

その姿を見せる


片腕を失い

身体中のいたる所の骨にヒビが入っていた


が、カララは攻撃を食らう前より

生き生きとした雰囲気で

残った拳を握り締め

海竜の顔に張り付き



突然の強襲に目を見開き驚く海竜の片目に

カララの正拳突きが深々と突き刺さった。








生まれて初めてであろう

激痛による海竜の咆哮

吹き出す血液がカララにかかる。

激痛に瞼が閉じて

カララの腕が挟まれる

引き抜こうと踏ん張るが、、、

駄目だ

足だけでは上手く力を出せないみたいだ


海竜は顔に付いているカララを

振り払おうと暴れる


巨大な身体をくねらせ

悲痛な叫び声を漏らしながら

顔を振り回し

そして、海竜は自らの顔面に

自分の尻尾を叩きつけた。


まるで、猛スピードで激突した

ダンプカーのような轟音をさせ

カララは宙に投げ出される


カララの身体は衝撃に耐えられなかったか

足は折れて

背骨やアバラは砕け散り

頭だけが飛んで行く


「カララァァーー!!?」



僕は走った

咄嗟に足が動いた

僕は叫んだ

咄嗟に叫んでしまった


進行方向は海竜に向かっていく事になるが

構わない



間に合え!

間に合ってくれ!


血で濡れたカララの頭にヒビが見える


取れなかったら、、、。

いや、取る!



だが

地味に届かない、、、。

自分の力では足りない


必死に走りながら考える


カララはどんどん落下していく



走っても届かない!

手を伸ばしても届かない!



ダイビングキャッチをすれば届くか!?

と、言う距離まで走った


だけど、自分が届く自信がない

キャッチした光景が思い浮かべれない


そこへ

ちゃぽん。と粘液の音がした


息絶え絶えに


「す、、、す、、スラコォォ!」



スラコは待ってました!と言わんばかりに

あっけなく触手でカララの頭をキャッチした。


もしかしたら、僕か走らなくても

始めから頼んでいたら、、、。


いや、やめよう。

やめておこう、、、。


ぜぇ、、ぜぇ、、。

と、息を切らして倒れながら

考える事を放棄した頭を


スラコに取り込まれたカララは

頭のまま近寄ってきては

ハミハミと甘噛みし


スラコはカララに付着した

竜の血を綺麗にすると

見る見るうちに身体を大きくさせて

僕を包み込む事が出来るまでに回復した。


ふむ。

小説の中では竜の素材は鱗から血まで

最高級レベルの素材だったが

やはり、竜の血は凄い効果でもあるんだろうか


あんな、コップ1杯も無い血で

スラコの回復ようは凄いな、、、。

スライムの回復に

エリクサーを使用するが如き大盤振る舞い


少し苦笑しながら

カララの頭を抱き締めた



「カララ、、良かった!生きていて本当に良かったよ。」



頭蓋骨を抱いて喜ぶ。と言う奇行だが

まったく構わない

今は生きてる事を喜ぼう!!

はっはっは






そこへ

再び邪魔する者が現れた。

まるで、ガムを遠くにペッ!と捨てる様に

僕とカララを吐き出したスラコ。


突然の無重力。

全てがスローモーションに見える。


ゆっくりとスラコから離れていく

結構なスピードだったのか

草原に着地して

1回転、2回転と転がる


カララを抱き締めていたので

守る術はなく

僕は頭を強打した。

その文句を言おうと起き上がり

スラコに身体を向けると同時に




片目にカララの腕が刺さったままで

残った目を血走らせた

海竜が口を広げ

地面ごとスラコを丸飲みにする光景が

僕の目に焼き付いた。


多分、後日にちょこちょこと

書き直すと思います。

読んでくれてる方にすみませんです!


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