初の開戦は海の底
平穏な毎日と違う所、、、。
それは、教会以外の人工物
海に横たわり浮かぶ巨大な船
まずは危険な船かどうか調べる必要があったが。
しかし、緊張感の緩みと安心感
『船が危険な物』と言う考えは欠片も無かった。
言い訳のチャンスがあるなら
少し眠かったと主張したい!
だが、学校の先生は許しはしないだろう
異世界+沈没船=
こんな簡単な問題の答えを見つけれなかったのだから。
ぁ、はい。廊下に立って来ます
 ̄ ̄ ̄
僕の微睡みを邪魔したのは
聞いたことの無い
恐ろしい叫び声だった。
平穏と言う名の殻を破り現れた
怒りに満ちた叫び声
いきなりの轟音に
一瞬 パニックになったが
異変に気づいたカララが
物凄いスピードで駆けつけて
僕の前に飛び出し
臨戦態勢をとってくれた。
なにこの骨、カッコいい、、、。
惚れてまうやろ
スラコも僕を守りたいのか
まだ回復しきれない身体を
頭に絡みつかせボディーガードしてくれてる。
器用に魚を消化を同時進行してるのが
なんとも言えない気持ちであるが
僕と食欲は同じくらい大切だ!
と、言われているようで
少し嬉しくなってしまう。
キュンときてしまうやろ
まぁ、バカな事を考えれる程度に
2人に守られている状態に安心感に包まれる。
しかし、状況を判断して
指示を出せるのは
ダンジョンマスターである僕だけだ。
思考停止を中断して
辺りを見渡し轟音の元凶を探す、、が必要が無かった
轟音の元凶は
おそらく沈没した船を巣にしていたのか?
沈没船をバラバラに砕き
船から現れ
暴れ怒り狂った海竜が
僕のダンジョンで目視出来たからだ。
僕は急いで
カララを引きずって
教会の影に隠れる。
「へ!?な、なんなんだよ!?あれは!」
ゲームの中で乱獲してた海竜と違うぞ!
沈没船との距離があって
大きさがわからないが
長さ50メートル以上は確実にあるだろう
しかも、竜族は
どのゲームにおいても最強クラスの種族。
人間、スケルトン、スライムじゃ
話にならないだろうな、、、。
混乱してるのか海竜は
尻尾を海面に叩きつけて
暴れ狂っている、、、。
僕達は気付かれていないようだ。
このまま、教会の影に隠れて
帰ってもらうのを待つことにするか!
このダンジョンには
楽しい事も
美味しいご飯も
1つも無いと気づけば
そのうち帰ってくれるだろう、、、
ちょっと虚しい気持ちになるが。
と、僕は甘く考えていた。
海竜は凶悪な牙むき出しの口を大きく開けて
明らかに力を溜めています!
と、言わんばかりのエネルギーを
口の中に溜めていく
エネルギーの流れが見える。とか
チートスキルを持っていない僕にもわかる。
力を溜めていた海竜の口は
眩しいほどの水色の光を放っていたからだ
海竜が口を開けて
10秒しない時間で水色の光を放ちだし
口元に魔方陣を展開し始め数秒、、、
その数秒の間
僕の脳ミソが情報処理しきれずに
頭が真っ白になっていると
カララが強引に
僕の頭を抱き寄せて
うつ伏せにさせ
スラコも魚を吐き出して
全身を使って僕に覆い被さってきた。
僕はうつ伏せにされたが
海竜から目が離せない、、、。
まるで、火に釘付けになった
夏の虫のように
次の瞬間
海竜の口から
ウォーターカッターの様な勢いで
大量の水を吐き出し
むちゃくちゃに首を振り回して
辺り一帯を強烈なブレス攻撃を繰り出してきた!
地面は抉れ
草花は無惨に空を舞い
そして、、、
ブレスは教会にも直撃してしまった
いくら石で出来た教会でも
耐えきれなかったのか
あっけなく崩壊を始め
僕はその光景を
ただただ見ることしか出来なかった。
崩壊していく教会に釘付けだった
僕は気づくのに遅れてしまった。
視線を海竜に戻したら時には
海竜は暴れ足りないのか
再び口を開き
2度目のブレスをチャージしてる状態だった。
頭が真っ白になり
何も考えられない。
カララは何とかして
僕を守ろうと
吹き飛んで来る瓦礫を
拳や教えていない蹴りで弾き飛ばしている。
とても、海竜を撃退出来る状況ではない
どんな指示を出せばいい?
僕はなにをすればいい?
わからない、、、。
何をすれば良いのか
何を言えば良いのかわからない。
思い付かない、、、。
ゲームだったら
リセットボタンを押して
やり直す所だが
そんな事は出来ない。
現実は
セーブやロードが出来ず
ゲームオーバーがハッピーエンドのみ。
何か、、、
何か考えなければ!
何か考えなければ!
脳ミソをフル稼働させて
この状況をどうにかする
良い案を思いつかなければ!
海竜は教会に狙いを定めてブレスを溜め
カララとスラコは瓦礫から僕を守ってくれている
時間がゆっくりと流れていく感覚
これが走馬灯ってやつだろうか
今までやってきた事や
これまでの過去が頭を巡る
あれ、、、僕って
今まで何をしてきたっけ?
今まで何して生きてきたっけ?
あれ?
しかし無情にも時はきた。
海竜のブレスがチャージ完了して
眩い光が一瞬光ったと思いきや
先ほどのウォーターカッターの様なブレスが
教会を直撃した。
ブレスは圧倒的な破壊力で
教会にダメ押しの一撃を与えて
そのまま、教会は音を立てて崩れていく
僕はその光景を
教会から少し離れた所で見ていた。
無意識に
得意の『逃げる』という選択肢をとって
カララとスラコを両脇に抱え
無様に飛び出し転がりながら移動し
何とかブレスの余波を
受けずに済んだ。
手が震える。
まだ頭が真っ白だ
自分が息をしてるのか考える余裕が無い
けれど、不幸は遠慮もなく走ってくる。
唯一の障害物である
教会から離れたので
逃げた僕に
次の不幸が追ってきた、、
いや、不幸に見つかってしまった。
海竜と目が合ってしまい
人生で一番生きた心地がしない。
本当に生きた心地がしない、、、。
なんだっけ?
似たような心地に陥った事が、、、
そう!そうだ!
あれはカレー屋さんで
アルバイトをしていた頃だ。
「ご飯を炊いておいて」
と店長から頼まれていたが
忘れてしまって
カレーライスを提供するお店なのに
ご飯が無い状態を、、、
はっ!
危ない危ない、、、。
現実逃避をしていた
少し現実逃避で
カララは海竜の前に立ちはだかり
ファイティングポーズをとって
戦闘体勢に入り
スラコはまだ身体が小さいままだが
僕の頭を守るように絡みつき包んで
海竜は藪をつついたら雑魚が出てきた!
って顔で僕らを見下ている。
逃げ場は無く
身を隠す障害物も無く
助けに来てくれる援軍も来ない。
だが、仲間が居る。
それだけが僕を発狂から
守ってくれる
集中しきれていない僕に気づいたのか
早速で殺しに来たのか、、
いや、僕も止まってる蚊を見つけたら
咄嗟に同じ行動をするだろう
海竜はブレスを吐かずに
前に出ているカララに向かって
頭から突進してきたのである。
カララはその攻撃を見て
つられるように
突進してくる海竜に向かって
走っていく
海竜から先手。
少し現実逃避を引きずっていた
僕は後手に回ってしまった。
何も指示を出せていない。
自己嫌悪と後悔が
頭の中を掻き回す。
もう、頭の中はぐちゃぐちゃだ
両者の突進の結果なんて
誰でも予想できる。
カララがバラバラになる最悪の結果が
ぐちゃぐちゃの頭をよぎる。
何か、、、
何かカララにアドバイスを!
ゲームで海竜の弱点ってなんだ!?
電気?炎?魔法なんて僕らには使えない!
ブレスを吐かなかったのは
MPが切れたって意味か?
いや、例えMPが切れても
何の打開策にもならない!
考えても考えても
意味はなく
無情にも時間が過ぎて
僕の考えてた中で
最悪な結果を
僕は見ることしか出来なかった。
カララは僕を守るために
海竜の突進に挑んで
あっけなくバラバラになってしまった。
「カ、カララ、、、?」
やっと出た呟くような声。
もっと早くに
カララにアドバイスを伝えるためにあった
肺の中の空気。
海竜は勝利の雄叫びをあげる中で
カララの名前を叫ぶ事も出来ず
僕をは最悪の結果を
ただ呆然と眺める事しか出来なかった。
スラコは仲間が
バラバラになったのに
平然としていて
何かを見つけたのか
僕の頭を無理矢理に動かし
あれを見て!
と言わんばかりに触手で指を指す。
「スラコどうしたんだ?こんな時に、、、」
そこにあったのは
カララの頭蓋骨だった。
この世界のスケルトンは
頭があれば復活出来るのか?
いや、ゲームの中では出来ていた!
まぁ作品によるけれど、、、
ならば、あれを回収して、、、!
「わかったスラコ!カララの頭を取ってこい。って意味だね!」
スラコは僕の頭を左右に振って
違うと表現する。
勢いよく振るので
脳みそが
首が
うう、、、
「なら、カララの頭をどうすれば、、、」
あれ?
いつの間にか
カララの頭蓋骨に首が付いていた。
そして、見る見るうちに
カララの頭蓋骨があった場所に
骨が集まっていき
合体ロボットの如く
元の状態へ戻っていく!
最後の骨が集まり
立ち上がるカララ。
その姿に胸に熱い何かが溢れてくる
涙が自然とこぼれ
「カララァァーー!!」
死んだと思っていた
仲間が蘇り
あまりの嬉しさに叫びながら
カララの元へ走ってしまった。
腰が抜けていたのか
足に力が入らないのかわからない
そんなもの知るか!と不恰好に走る
カララは頭の位置を微調整していたが
僕に気づいて
嬉しそうにしたが
海竜に負けた事を思い出したのか
ションボリオーラを纏ってしまったが
「いいんだよ!カララが生きていたらいいんだよ!」
ツルツルとした頭蓋骨を
撫で回し生存を喜んだが
スラコはカララがバラバラになっても
大丈夫だと知っていたのか、、、。
少しは言葉を話すことも
教えたらいいかな。
でも、骨と粘液が喋る未来が
全く思い付かないな、、、。
そんな、僕らの喜びに水をさす邪魔者が1匹。
カララは突然
僕をお姫様だっこをして
物凄いスピードで走り出し
スラコはサスペンション代わりに
身体を覆う
声も出せずにいたが
突然の行動の理由はすぐにやってきた
水をさす。そのままの意味で
海竜のブレスが先ほどまで
僕らの居た場所に降り注いだのだ。
少し離れた所で
下ろしてもらい。
ブレスがきた方向に身体を向ける。
ブレスによって土煙が立ち上がり
あまり見えないが
海竜からも見えないだろう。
ああ、びっくりした!
乱れた息を整え
恐怖を胸の熱で溶かす
「あ、ありがとうカララ。はぁ、、んじゃ、今のうちに海竜を倒すための指示を出すよ。ちょっと厳しいけどカララなら大丈夫と思っている」
カララは頷き。
スラコは武者震いなのか
再び頭に陣取りプルプルしてる。
『最弱モンスターで強敵を倒す!』
よく見たことがあるタイトルを
まさか自分が命をかけて
実践するとは思わなかった。
事実は小説より奇なり。だっけ?
この世界から元の世界に帰ったら
この出来事をまとめて本でも書こうかな、、、?
いや、二番煎じ感が、、ぐぬぬ
轟音が響き思考の海から戻る。
海竜は尻尾を海面に叩きつけて
雑魚はどこにいった!?
と怒りの感情を表現し
暴れまわっている。
足が震える
正直に言って怖い。
だが、カララやスラコを失うのは
死より恐ろしい。
2度と最悪な光景は見たくない
だから
もう逃げない。
海竜との戦い。
強敵との戦い。
今までのゲームで覚えてきた攻略法を
脳内で検索してアドバイスの内容を考える。
「カララまずは、、、」
停止していた脳みそは回転を始め
これから本当の僕らの戦いが始まるのであった。
すみません。
小説の今後の展開を考えながら
ゲームをしていたら
遅くなってしまいました。
本当に考えてましたよ。いや、本当に。